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ダイエットをしているのに痩せない方へ
「きれいになりたい!」「痩せたい!」と意気込んでダイエットを始めたはいいものの、がんばっても痩せない、体重が減らない…。なんて悩みはありませんか。その原因は、そもそもダイエットの方法に間違いがあるからかもしれません。そこで、そんな悩みを解消すべく、思うように痩せられない理由として考えられることをピックアップしました。
痩せづらい原因をヒントに、ダイエット法を見直し、理想的な体を目指しましょう。
≪POINT≫
・「食べない=痩せる」ではない
・カロリーだけを気にしていてはダメ
・長い目で見ることが大事
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理論上は消費カロリーが多ければ痩せる
痩せる・太る仕組みは非常にシンプルです。
食事で摂ったカロリーがエネルギーとしてしっかり消費できれば、痩せる・または体重の維持ができ、消費しきれなければ余ったエネルギーが脂肪として蓄えられます。
高カロリーな食事をしても、消費カロリーが摂取カロリーを上回れば太りにくい、ということです。細かくカロリー計算をしていない限り、自覚できていないところでカロリー過多になっている可能性も。たとえば仕事の合間に飲んだジュースや、サラダにかけたドレッシングなど。少量でもそれが積み重なると、カロリーオーバーにつながります。
とはいえ、体重の増減や脂肪の燃焼には摂取カロリーや消費カロリー以外の要素も関係しています。よくある「がんばっているのに痩せない理由」をチェックしてみましょう。
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がんばっているのに痩せない人の特徴
カロリーばかり気にしている
ダイエットを成功させるためには、カロリーよりもGI値とGL値に注目することが大事です。
食事をとると血糖値が上がります。これを下げてくれるのがインスリンです。このインスリンは糖をエネルギーとして脂肪を溜め込む働きがあるので、インスリンが余計に分泌されてしまうと太るともいわれています。
注目すべき値は、各食品の血糖値の上昇度を数値で表したGI値(グリセミック・インデックス)や、GL値(グリセミック・ロード)。GL値とは、GI値に1食あたりの炭水化物の量をかけた値のこと。
食事をとるときは、「低GI食品から高GI食品」の順番が理想です。
■高GI食品例
白米、餅、食パン、うどん、ジャガイモ、チョコレートなど
■中GI食品例
パスタ、かぼちゃ、里芋、アイスクリームなど
■低GI食品例
玄米、全粒粉パン、そば、肉類、魚類、豆類、ヨーグルトなど
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朝ごはんを抜いている
カロリーを摂りたくないからと、朝ごはんを抜いていませんか? 朝は時間がない、とやむを得ず食べない選択をしている人も多いかもしれません。
しかし、朝ごはんを抜くと美と健康に不可欠な栄養素が不足するだけでなく、血糖値が高くなりやすい状態になるので、かえって脂肪が蓄えられてしまう可能性が。
たしかに1食抜くことで摂取カロリーは抑えられます。しかし、朝ごはんをきちんと食べることで、日中の活動に必要なエネルギーを補給でき、一日の活動効率が上がります。さらに体が温まり基礎代謝も増えることで太りにくく、疲れを感じない健康的な体を作ってくれるのです。
1日2食では空腹状態でランチを食べることになるので、血糖値が上がりがちに。インスリンが多く分泌されると脂肪が蓄えられやすくなってしまうので、カロリー自体はそれほど摂っていなくても「痩せない」という状態を引き起こしてしまいやすくなります。
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間食を食事代わりにしている
おやつを食べたいなら食事を抜けばトントン! と、間食を食事としていませんか?
おやつの原料は糖質と脂質がメインであることがほとんど。食事で摂ることができるダイエットに欠かせない栄養素が摂れないことに加え、総摂取カロリー自体はオーバーしていなくても、1日の糖質・脂質摂取量がオーバーしてしまう可能性があります。
食事代わりということは空腹時。つまり血糖値が下がっている状態で糖質たっぷりのおやつを食べることに。これでは血糖値が急上昇し、インスリンの分泌も増加してしまいます。
おやつは絶対に食べてはいけない、ということではありません。食べるならおすすめのタイミングがあります。
それが15時。人間には「BMAL1」(ビーマルワン)という体内時計を調整する時計遺伝子があり、これが増加すると太りやすく、減少すると太りにくいことがわかっています。
そして一番減少する時間というのが15時頃。そのため〝15時のおやつ〟は理にかなっているのです。
15時におやつを食べる際の注意点もあります。それは朝と昼にしっかり食事を摂ること。いくらBMAL1が減少していても、空腹の状態でおやつを食べて血糖値が急上昇してしまっては、効果が期待できません。
もちろん、おやつの食べ過ぎは禁物です。
バランスの悪い食事をしている
ダイエットは健康な体あってのもの。そのためにはバランスのよい食事を心がけ、さまざまな栄養素に体を作るための役割を果たしてもらう必要があります。
しかし、糖質や脂質が多い食品ばかり食べたり、ダイエットにいいと言われるものばかり食べ続けたりする人が多いのも事実。
ダイエットをがんばっているのに痩せないのは、食べているものの栄養素が偏っているからかもしれません。
たとえばダイエットの味方であるコンビニ食「サラダチキン」。タンパク質の確保が手軽にできるので活用している人も多いかもしれませんが、栄養面や満足度を考えるとこれだけでは足りません。
コンビニでサラダチキンを購入したら、玄米おにぎりのような炭水化物食品を1品、豆や根菜サラダのような食物繊維を含む食品を1品、さらに発酵食品のお味噌汁や、食物繊維・ミネラルが豊富で低カロリーなわかめスープをプラスするのがおすすめ。
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食べないダイエットをしている
たとえば水や酵素ドリンクを飲んで数日過ごし、腸内環境をリセットするというファスティングダイエット。
医療法人康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾(東京都港区)統括院長・日比野佐和子先生は、ファスティングダイエット法についてこう話します。
「私も市販のものを使ってやってみました。時々ならばよいのですが、おすすめはできません。消化器官を休めるのは12時間あれば十分。腸の再生に必要なのは8〜12時間だといわれています。
また、『ファスティングダイエット』は、リバウンドもしやすいといいます。食事をとらずに代謝を落とした体に、いきなり食べ物を入れると吸収率が上がり、脂肪として蓄えようとするからです」(日比野先生)
1日の食事の中で、1食をカロリーの低いダイエット食に置き換える(他の2食は好きなものを食べていい)という『一食置き換えダイエット』も、日比野先生が実践したところによると「一時的には痩せたけれどリバウンドしやすい」そう。
「ダイエットでは、食べれないことによるストレスはよくありません。ストレスを感じた時に出る『コルチゾール』というストレスホルモンが増えると基礎代謝が落ちてしまいます」(日比野先生)
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有酸素運動しかしていない
カロリー消費が運動の目的になっていて、ランニングなどの有酸素運動ばかりしているのでは痩せにくいかもしれません。運動の目的はいかにして体内のエネルギーを使える、代謝のいい体作りをするか、ということ。
大事なのは筋トレなどの「無酸素性運動」。
有酸素代謝と無酸素代謝の違いを、運動指導者の森拓郎先生はこう解説します。
「両者の違いは、エネルギーを生成するときに酸素を必要とするかしないか、ということです。有酸素性代謝では、脂質を使う割合が増えます。一方、運動強度が高い無酸素性代謝は、主に体内の糖をエネルギー源として使用しているのです。
運動の種目をザックリ分けると、有酸素性代謝はウォーキングや息が切れない程度のランニングなど。一方、無酸素性代謝に代表されるのは筋トレ。ランニングの場合は、糖と脂質の使用割合が半々くらい。筋トレでは、約9割糖・1割脂質を使っています」(『糖質をやめられないオトナ女子のためのヤセ方図鑑』より)
続いて、こう話します。
「ランニングマシンをジムのメイン運動だと考える人が多いのは、『有酸素運動だからカロリー消費できてヤセられる』と思っているからでしょう。確かにカロリー消費も大事ですが、今ある筋肉量があまりにも少な過ぎたりと、〝有酸素運動をやる以前〟という女子が圧倒的に多いわけです」
重要なのは「代謝がうまく回る体をつくること」。 筋トレは代謝を上げて痩せるのにとても効果的なのです。
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何をやっても痩せない人が試してみたい方法
まずは1週間! 5つのルールを徹底してみて
医学博士の増富健吉先生に、2週間で2kg落とす理屈抜きの実践ダイエット方法を教えてもらいました。5つのポイントを徹底し、まずは1週間がんばってみてください。
1. 塩分の摂取量を減らす
「醤油の量を減らす、ドレッシングの量を減らす、みそ汁のお味噌を減らす、外食を減らす、と随分と塩分量減らせます」(増富先生)
2. 野菜の摂取量を増やす
「野菜にはカリウムがたくさん含まれています。塩分を控えてカリウムを取れば身体のむくみがとれます」(増富先生)
3. 糖質の摂取量を減らす
「3食のうち可能であれば2食は糖質を取るのを控えましょう。糖質といえば、主食の白米、パン、麺類、間食のお菓子、砂糖、などでしょうか。
どうしても、お米やパン、麺類が恋しければ、最初は、3食のうち1回だけ我慢してみてください。4、5日もすれば随分と慣れてきます。そうすると1回から2回の我慢に切り替えてください」(増富先生)
4. タンパク質の摂取量を増やす
「糖質を減らした分、しっかりと肉、魚、大豆食品、乳製品などをとってください。カロリーは気にする必要はありません。お腹いっぱい食べてもいいです」(増富先生)
5. お酒は我慢しなくてもOK
「ビール、ワイン、日本酒などよりも焼酎、ウイスキー、に変えて飲めばよいでしょう。
ついつい、おつまみをというときは、糖質を取らないように注意して、ナッツ、チーズ、タンパク質。おつまみは塩分の取りすぎにもつながりますので注意です」(増富先生)
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運動も併用すれば体重は落ちていく
先ほど挙げた5つのルールを実践して体重が落ちても、まだ、体から水が抜けて体重が落ちたのと糖質制限で少し脂肪が落ちただけ。
この状態を維持するために、運動を加える必要があります。自分の体重を使ったトレーニングを行ってみましょう。
1. 腕立て伏せ20回×2セット
「腕立て伏せは最初から20回きっちりできる人はなかなかいないと思います。その場合はできる回数までやって、残りの回数は膝をついて行ってください」(増富先生)
2. スクワット20回×3セット
「こちらは普通は皆できるはずです。そんなに辛いことはないと思います。辛ければ2セットでいいですね」(増富先生)
3. 腹筋10回×3セット
「これもほぼ全員できるのでは? 負荷が軽ければ、4セット、いや5セット!」(増富先生)
4. 有酸素運動20分
「会話ができる程度のスピードでお話ししながら20分以上歩いてください」(増富先生)
理想は毎日、できなければ1日おきでもOK。少なくとも週に2回は行いましょう。最初は筋肉痛になると思いますが、その場合は次の日お休みしてください。
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クセになっている悪習慣も見直して
体重ばかり気にしない
体重の数値ばかりに目を向けがちですが、気にすべきは体重よりも見た目。
たとえば服のサイズを参考にしたり、鏡を使って全身をチェックしたり。体重は減ればモチベーションになりますが、増えたり変わらなかったりすると、とてつもなく大きなストレスになるものです。
そもそもダイエットはすぐに効果が出るものではありません。毎日少しずつ、そして、コツコツの積み重ねが大切です。
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結果を急ぎすぎない
1kgの体脂肪を減らすのに必要な消費エネルギー量は、7,200kcalだといわれています。
1週間で1kg減らしたい場合、7日間で、摂取したエネルギー量より7,200kcal多く消費しなければいけないことになります。果たしてこれは現実的でしょうか。
無理に実行すると仮に一時的に痩せても栄養不足が生じ、リバウンドしてしまう可能性が。
しかしこれをもし1か月で1kgを落とそうと思ったら、単純計算で1日の摂取カロリーを230kcalほど抑えればよいことになります。これなら無理なく続けられそうですよね。
無謀な目標や計画は、結果がそれについて来れず挫折しやすいということ。脂肪はすぐに落ちるものではありません。ダイエットについての正しい理解や知識があれば、痩せない期間があっても適切に対処できるはずです。
自分を責めすぎない
短期間で痩せたくて、ハードな運動をしたり厳しい食事制限をしたり。でも思ったようにいかず、ダイエットに失敗する… という方は、まず自分をほめてみましょう。
ストレスはダイエットの大敵。自分にとって簡単にできることから始めて、それがクリアできたら自分をほめてあげることが大事。成功体験を少しずつ積み重ねて自信をつけていけば、ストレスなくダイエットが長く続けられるはずです。
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最後に
ダイエットは努力が必要なものですが、努力の方向が間違っていると、がんばっても痩せない… なんて悲しい状況にも。あなたのダイエット方法はどうでしょうか。もし、間違っていた点が見つかったら、上手に痩せられる方法にシフトを。適切なやり方で、理想の体型を目指しましょう。