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BEAUTY

2020.05.25

【医師監修】ヘルシーに体重を落とすための分かれ道は?〈食べて痩せるダイエット〉

国立がん研究センター研究所でがん幹細胞研究分野分野長をつとめ、がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている増富先生の健康コラム。今回は、食べるダイエットをするうえでの意識について。

国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉

食事の意識を変える! 食べるダイエットのすすめ10

(c)Shutterstock.com

皆さんは、“No Pain, No Gain!”という有名な言葉をご存じでしょうか? 直訳すれば「痛みなくして前進なし!」という意味で、もう少し哲学的(ダイエット的?)な解釈をすれば「ダイエットには筋肉痛がつきもの!」ということになる。何事も高い目標に到達するためには少なからず痛みを伴うものだが、ダイエットの場合は筋肉痛ということになるのかもしれません。

これまで、以下をお話ししてきた。

1. 食べることの大切さ(キッチンで行うダイエット)

2. 基礎代謝量を上げるための筋肉の大切さ

3. 筋肉をつけるための運動の大切さ(例えば筋トレ)

4. 運動量の目安として筋肉痛の大切さ

これまでの記事

長期的に基礎代謝量をあげるにも、そして、運動中の超短期的な消費エネルギー量を増やすという観点からも、「大きな筋肉を使うこと・鍛えること」が最も効率的なダイエットであるとお伝えしてきた。

そのためには、何も道具を使わなくても、そして、家にいてもできる運動として「筋肉痛」を指標にした筋トレを推奨してきました。下半身を中心に(スクワット、プランク、走ることなど)、間の日には、上半身の筋トレをいれていく。特にフォームや回数などは細かいことはいいません。運動する、汗かく、筋肉痛大好き! を目指してください。

◆筋肉痛が出現しなくなるときが分岐点

(c)Shutterstock.com

幸か不幸か、「筋肉痛」は運動を続けていれば、そして2週間もすれば、同じ運動負荷ではもう出現しなくなるのです。

実はここが、ダイエットという観点では重要な分岐点となるのです。

1. 筋肉痛が「恋しい」と思うヒトは、運動の負荷を今よりあげるしかない

2. 筋肉痛は「もうこりごり」と思うヒトは、運動を辞めて運動不足状態に入るしかない

3. 筋肉痛はいやだけど体重は維持したいヒトは、現在の食事と運動量を維持すればよい(もう筋肉痛にはなりません)

さて皆さんはどれをとるか??

これも何度も、お伝えしてきたが、人間の体は健康の維持をするにしても、逆に、病気になるにしても、「それほど効率的にはできていない」んです。

参考記事▼
【医師監修】デマに惑わされず… 医学の視点で考えた「お肌がぷるぷるになる」方法
【医師監修】運動は何を目安にするべき? 家でできる〈食べて痩せるダイエット〉

皆さんが理想とする体重やスタイルを目指すためには、逆に生活習慣病といわれるような病気になるにしても、ある程度の時間が必要なのです。これは生き物として「恒常性の維持(難しい言葉だが、簡単に言えば、急激な「変化」は生き物の「敵」なんです)」に必要な生体防御機構のひとつでもある、といえるのです。人間の体は良い方向にも、悪い方向にも、少しずつ変えていくことしかできません。

ですので、医学的には正しいダイエットとは、長続き可能なダイエット。というと、なんか、真面目な正論になってしまうが、最後に、お伝えしておきたいのは、「意識が変われば、食べ物が変わる。食べ物が変われば、体が変わる」ということです。

食べることがダイエットである!」という「意識」を時間をかけて身につけていってください。

ところで、皆さん、少しは痩せましたか? あと、「マスク」とか「給付金の申込用紙」もう届きました? 時間がかかるんですよね。何事も。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉

1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。
趣味:筋トレ

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