基礎代謝をあげるために食事と運動を見直して! 食べるダイエットのすすめ6
「3年・3ヶ月、3ヶ月・3日」という言葉をご存じの方はいるだろうか? 筋トレの世界では有名な(?)言葉で、「3年でつけた筋肉は3ヶ月間トレーニングしなければなくなる。3ヶ月でつけた筋肉はトレーニングをしなければ3日でなくなる」という意味らしい。ここまでストイックにならなくても、無理なく長く継続できるダイエットとか筋トレが良いと思う。
さて、前回までに1日の基本中の基本となる最低限度の食事の構成として、現在の体重の数値と同じグラム数のタンパク質(すなわちプロテイン)と、最低でもご飯は半合(お茶碗1膳)は食べると言うことをお話しした。ここまでで、体重50kgのヒトでおおよそ、ざっくりの摂取カロリーが500kcalになる。
◆1日の摂取カロリー
では、「1日の摂取カロリーをどこに設定するのか?」という難しい課題がある。その理由には、「人それぞれ、体重も身長も、活動度も全然違うんじゃん!」というもっともなご意見もある。
こういう感じでどうだろう。
「身長170cmの30代の男性が(現在の体重は取りあえず不問)、マッチョになりたくて筋トレを開始」
このお兄ちゃんが、摂取してよい(すべき)カロリーが大体2500kcalとなる。
同じように、「身長160cmの30代の女性が(現在の体重は取りあえず不問)、ダイエットの目的で筋トレ開始」
この美しい、賢明な女性が、1日摂取するべきカロリーは、大体1600kcalとなる。
「こんなに食べてもいんですか?」と思うか、「たったこれだけ」と思うかはそれぞれだが、一点だけ注意しておくと、1600kcalは「筋トレして(筋肉をつけて)しかもダイエット」をすることを目的とした場合の摂取カロリーで、体重を現状維持、あるいは、増やしたい目的のある女性はもっと食べることができる。
Oggiを愛読する賢明な女性であれば、これだけの情報があれば、大体、自分の年齢、身長体重、活動度、目的から、1600kcal(標準女性の筋トレ食べるダイエット目的)と2500kcal(標準男性の筋トレマッチョ目的)の間のどこかに適度な数値を見出すことが可能なのではなかろうか? そこは、皆さんにお任せします。
◆基礎代謝をあげるために運動と食事で気をつけること
それでは、1日1600kcalとして、話を進めて行きましょう。1日摂取して欲しい最低限度のタンパク質量50gと炭水化物のご飯をお茶碗1膳で、500kcalなので残りの1100kcalに関して説明を続けていくことにする。
簡単に言えば、「何を食べていてもこの範囲ならば、絶対に体重は減少」していく。しかしながら、本来の目的である、「基礎代謝をあげるために、筋肉をつけるという」目的のためにはこれではダメだ。
1. 運動(筋トレ)を開始する
2. 1100kcalの余裕の中で、もう少しタンパク質量を増やす(最低1.2倍、極力1.5倍に)
3. [2]に伴って、スイーツ減らす(最低5割、極力7割減らす)
もう少し、詳しく書こう。いよいよ、筋肉をつけるために動きだそう。取り敢えず、次回までは歩くなり、走るなり、下半身を使った運動を開始していただきたい。
1日摂取タンパク質量を50kgの人は50gから75gまで増量。このタンパク質増量分を、炭水化物摂取の「自粛の要請」という形でお願いしたい。それには皆さん、ここは何とかスイーツの摂取を極力減らすという形で「しっかりと」ご協力いただけないでしょうか。
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国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉
1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。
趣味:筋トレ