何をどれくらい食べたらいいの? 食べるダイエットのすすめ4
前回、「食材を3大栄養素に分類がでますか?」、「それぞれのカロリー知ってますか?」という話をして実際の食べるダイエットをはじめた。実際に言ったことは、まとめると、「3食ちゃんと食べるが、炭水化物を減らして減らした分をタンパク質に置き換える。塩分摂取量を減らす。スイーツ、果物、運動量はそのままで」ということだった。これだけでもおそらく、体重は減っていると思いますが、いかがでしょうか? それでは引き続き、ここからさらに、「食べるダイエット」を進化させていこうと思う。
◆タンパク質はプロテイン
「炭水化物を減らして減らした分をタンパク質に置き換える」と前回までは話してきましたが、今回からはもう少し何をどれくらい食べるか具体的にしていこうと思う。
まず皆さんの体重を(内緒で)頭の中で思い出してください。
多くのダイエット本は「身長から標準体重を計算して、それに何かかけて、、、、」となるんだが、私の勧める食べるダイエットではもっと簡単。現時点の体重で始めます。○○kgの女性なら一日にとるタンパク質量は最低○○gと設定してください(50kgなら最低50gのタンパク質をとる)。
ところで、最近、私のこのコラム欄を読んだ女性からたくさん質問をうけていて、「もしや」と思ったことがあるので確認しておこうと思う。
「みなさん、もしかして、タンパク質とプロテインって違うもの」と思ってませんか? 「プロテインってマッチョの兄さんのあの粉!」って思ってませんか? 答えはこう。
「タンパク質もプロテインも同じものですよ! あのマッチョ兄さんの粉のことだけじゃないよ!」
タンパク質を英語で言うとprotein(プロテイン)。日本では、「プロテイン」といえば特定の商品をさしているみたいに思われていますけど、これ間違いですので注意してください。タンパク質すなわちプロテイン。
◆タンパク質の1日の摂取量をチェック
では、タンパク質(すなわちプロテイン)50gって食材に置き換えると何をどれくらいか、いえます?
これができるようにならないとなかなかダイエットが成功しないんです。ざっと思いつく、タンパク質含有量の多い食材を羅列すると、とりのささみ、とりの胸肉、牛の赤身、マグロ赤身、かつお、卵の白身部分、ほっけやさば、あじ、シーチキンなどの白身(青い)魚、大豆など、の名前があがってくる。
それでもタンパク質含有率(すなわちプロテイン含有率)は10〜25%(豆腐はほとんど水分だけ)。そのうちの最強食材がささみ(約25%)ということでよく計算の指標にされる。
タンパク質(プロテイン)1日摂取量50gといえば、ささみに換算すると200gになるわけである。
これを、世間の「誤ったプロテイン解釈」換算でいくと「筋トレマッチョ兄さんの粉(タンパク質含有率ほぼほぼ100%)50g」になるわけだ。
まず、明日から、自分の体重をgに変えてそのg数分のタンパク質を食べるようにしていただきたい。ご飯やパンなどの炭水化物は前回から減らしてきた量の維持でお願いします。次回は炭水化物の量を進化させた食べるダイエットをすすめていこうと思う。
◆野菜と果物はたくさん食べて
ああ、もう一つ、今回話しておこう。前回、「塩分控えて」といったけど、これはこれで体の水分を減らすには必要なことではあるが、これだけでは効果が半分。塩分を控えるということは、体内へのナトリウムの量を減らすことになり、水分を出す効果にはつながるが、もう一つ大切なことはカリウムを摂取すること。
カリウムの摂取のために最適なのが、野菜と果物をたくさん食べること。塩分の摂取へらして、野菜や果物を食べるということで、体内の水分がさらに外に出て行こうとする力が働く。
次回まで、
1. タンパク質(プロテイン)を最低必要量とる(もっと多くてもイイですよ。その分、炭水化物減らしてくださいね)。
2. 炭水化物減らしたままで。
3. 塩分減らしたまま、野菜と果物たくさん食べる。
4. スイーツと運動量は、まだ、そのままで。
やってみてください。次回、炭水化物(糖質)に関しての摂取量を教えます。
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国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉
1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。
趣味:筋トレ