おうち時間に正しい知識で筋トレを! 食べるダイエットのすすめ
新型コロナウイルスのあおりで、趣味の筋トレができなくなった。同じ状況のヒトも多いと思う。昨今のダイエットブーム、健康ブームでスポーツジムの位置づけが急上昇していた矢先に、新型コロナウイルスの影響でスポーツジムの地位ががた落ちに。挙げ句の果てには多くのスポーツジムが閉鎖状態に。
筋トレ愛好家としてこの難局を如何に乗り越えるか考えてみた。そもそも、筋トレの意義は、究極のダイエット効果にあるといえる。では、その「究極のダイエット効果」が如何にしてもたらされているのかを科学的に説明するところから始めてみようと思う。
基礎代謝という言葉をご存じだろうか。医学的な難しい定義はぬきにして、ざっくりいえば、「一日中寝っ転がっていても人間が必要とする一日のエネルギー」のことで、この基礎代謝が高い人ほどゴロゴロしていてもエネルギーを使うことになる。なので、基礎代謝が高い人ほどやせる(というか太りにくい)。
◆ダイエットは基礎代謝を上げること
多くのダイエット本はこの基礎代謝を計算するところからダイエットが始まるのだが、ダイエットの観点からは今の基礎代謝を知ることにあまり意味はない。では何に意味があるのかというと、基礎代謝を上げる方法を知ることに意味がある。
計算式を出すと途端にアクセスが下がるので、どうか私の計算を信頼して答えだけ聞いて頂きたい(計算式知りたい場合は連絡ください)が、基礎代謝を一日50kcalあげるだけで、年間換算で「2kgの脂肪がつかない」計算になる。「なーんだ、それだけ」と思うかもしれないが、今と同じ食生活でしかも寝ているだけでも2kgの脂肪がつかないんですよ。
ダイエットに興味のある人はきっと、今の体重上昇傾向を敏感に感知しているのだと思うが、今の基礎代謝を維持すれば、今と同じペースで上昇傾向を維持し、しかも2kgの脂肪が上乗せされることになる。
「1日50kcalの基礎代謝アップ」。このために重要かつ効率的なのが「筋肉」ということで筋トレが推奨されている。しかし、筋トレというとマッチョな兄さんが重いダンベルを持って「ウォー」といってることで、女性はなかなか近寄りがたい雰囲気でもある。
しかし幸か不幸か、禁トレのご時世。今は、筋トレではなく最も効率的な基礎代謝アップの方法を考えるチャンス。一番効率的な代替方法は、歩くか走る。歩くか走るかで下半身を鍛えると体で一番大きな筋肉である大臀筋や大腿四頭筋が大きくなり、ヒップアップにもつながる。
色々述べたが結論は極めて古典的な方法に落ち着く。しかし、ひとつだけいえることがある。「最低7割、極力8割、減らす」必要はないです。「50キロカロリーアップする」だけなんです。
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国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉
1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学
趣味:筋トレ