今の食事とほぼ変わらない!? 食べるダイエットのすすめ3
前回は、なぜ「食べることがダイエット」につながるのかについて説明した。簡単におさらいすると、一日の基礎代謝量を上げることがもっとも効率的なダイエット方法で、基礎代謝量を上げるのに最も効率的なのが筋肉量を増やすことなのである。そして、筋肉量を増やすためには絶対に食べなければならない。という理屈でした。
◆基礎代謝量を上げるサプリメントの注意点
少し、注意しておきたいのだが、以前「基礎代謝量を上げるためのサプリメント」が話題になった。確かに効果的なものとして販売されていたものがあるが、注意していただきたい。
これは、牛などの動物の甲状腺から得られる甲状腺ホルモンの粉末で、確かに甲状腺ホルモンは代謝促進作用(基礎代謝量を上げる作用)があるので、確かに、やせる効果がある。しかし、これは薬物を使ったいわゆる不健康なダイエットであり、素人が勝手に使い続ければ命を落とすこともある。
◆3大栄養素
話を戻して、基礎代謝をあげる目的で、筋肉量を増やすために食べることがダイエット。では何をどう食べればいいかを説明していこうと思う。最近、「糖質制限」というのがはやっている(た?)のですがこれは体重を落とすというためにはいいが筋肉はつかないので完璧ではない。
その前に皆さん、3大栄養素ってご存じでしょうか?
糖質、タンパク質、脂質。でも、こんな言葉を知っていても何の意味もありません。
重要なことは、まずはこの2点。
1. 食材をすべて3つの栄養素に分類ができるかどうか?
2. 「糖質 1g 4kcal」、「タンパク質 1g 4kcal」、「脂質 1g 9kcal」を知っているか?
その上で食べ物の必要カロリーを計算していく。という具合なのだが。こんな月並みなことは、世にあまた出ているhow to本のいずれにも書いているはずなので、ここではもう少し実用的に、きょうから「食べるダイエット」を始めることにしようと思う。
必要なカロリー計算のしかたは、次回かその次に説明することとして、前2回の末尾に「好きなだけ食べ続けてください」と言っていたので、このまま食べ続けるわけにもいかないので、そろそろ実用的なダイエット方法を開始しようと思う。
◆ダイエット方法
とりあえず、次回まで続けていただきたいことは、
1. 3食ちゃんと食べる。空腹は筋肉の敵。
2. 3食のうち1回ないしはできれば2回(最低1回、極力2回)は、炭水化物(パンかご飯)の量を減らす。どれだけ減らすかは各自で決めてください。適当でいいけど減らしてください。
3. 減らした炭水化物と同じ重さの分だけ、タンパク質に置き換えて食べる。(結構、タンパク質量が多いのに気がつくと思う)。
4. 塩分摂取量を減らす。(教科書では1日何グラムなんて言ってるが、そもそも1日の塩分量を自宅で本当に量る人っているんでしょうか? 今より減らしてください。たとえばドレッシングの量を半分とか、いつも醤油つけるものそのまま食べるとか、気持ちだけでいいので。)
5. 運動量はとりあえずいまのままで。
これで、とりあえず、現在の食事量と同じだけの摂取カロリーで中身が変わっただけになる。これだけで、1週間で体重は絶対に落ちます。で筋肉は? まだつきませんがとりあえず体重は落ちるはず。
次回までに、食材の3分類とそれぞれの栄養素の1gのカロリーだけ覚えてください。次回はもう少し詳細に何をどれくらい食べるかの計算の仕方とか中身について説明します。
あ、毎日、スイーツとか果物食べる人は、そこは、まだ今のままで結構です。
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国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉
1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。
趣味:筋トレ