【目次】
・はじめに
・【ダイエットと食】成功する食事メニューは、カロリーよりもGI値とGL値
・【ダイエットと食】おすすめの食材は? ダイエット中の医師が食べているもの
・【ダイエットと食】食べないと太る? ファスティングはリバウンドに要注意【ダイエットと食】
・食べたい時は食べる! 我慢しません!
・ダイエット中におすすめの飲み物
・最後に
はじめに
痩せたい! そう思った時、みなさんはまず何を考えますか? 食事であれば、食べる量を減らしたり、おやつを抜いてみたり…。白米などの炭水化物を控える方も多いかもしれませんね。
食生活を改めて、ダイエットを始めようとするときに、カロリーを気にされる方は多いのではないでしょうか。実は、ダイエットを成功させるためには、カロリー以上に気にしたほうが良いポイントがあります! ぜひ、ダイエットを始める前の参考にしてみてください。
教えてくれたのは、日比野佐和子先生
医療法人康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾(東京都港区)統括院長。現在、身長160cm、体重52kgで42歳の時(ダイエットに成功した頃)の体重をキープしている。大阪大学医学部大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学講座特任准教授も兼務。再生医療やアンチエイジング療法を専門とする。
【ダイエットと食】成功する食事メニューは、カロリーよりもGI値とGL値
体重を減らしたいと思うあまり、ダイエット中の食事はどうしてもカロリーの数値にばかり目がいってしまいがちです。しかし、アンチエイジング専門医の日比野佐和子さんは、カロリーよりも血糖値コントロールが必要だと言います。
食事をとると血糖値が上がります。この上昇した血糖値を下げてくれるのがすい臓から出るインスリンです。インスリンは糖をエネルギーとして脂肪を溜め込む働きがあり、インスリンが余計に分泌されてしまうと太るとも言われています。
「カロリーに注目して、カロリーの低い食事ばかりを選んだ結果、栄養のないものばかりの食事に偏ってしまうのはよくありません。ダイエット中の〝食〟には特に注意が必要なんです」(日比野先生)
注目すべき値は、各食品の血糖値の上昇度を数値で表したGI値(グリセミック・インデックス)や、最近注目されているGL値(グリセミック・ロード)だと言います。
GL値とは、GI値に1食あたりの炭水化物の量をかけた値です。GI値が低く、血糖を緩やかに上昇させる食品だとしても、摂取量が多いと食事のGL値は高くなります。
GI値で見てみると、GI値70以上が高GI食品と呼ばれています。56〜69が中GI食品、55以下が低GI食品に分けられています。食べる順番は「低GI食品から高GI食品」が理想的だと、日比野先生は話します。
■高GI食品例
白米、餅、食パン、うどん、ジャガイモ、チョコレートなど
■中GI食品例
パスタ、かぼちゃ、里芋、アイスクリームなど
■低GI食品例
玄米、全粒粉パン、そば、肉類、魚類、豆類、ヨーグルトなど
【ダイエットと食事】おすすめの食材は? ダイエット中の医師が食べているもの
食べないことがストレスに繋がってしまうので、しっかり栄養のある食事を摂るのがおすすめです。その上で、ダイエット中の食生活で気をつけるべきなのは、まず主食の見直しです。精白米などの白い炭水化物よりも、玄米などの茶色い炭水化物の方がGI値が低くなります。
日比野先生のおすすめ食材は4つ!
1. 玄米
栄養価が高くかみごたえもある玄米は、食物繊維が豊富です。食べる量は、お茶碗半分くらいがおすすめです。
2. アーモンド
糖質が低く、間食におすすめなのがアーモンドです。ビタミンEや食物繊維、オレイン酸を含みます。
3. 酢
血糖値の上昇を抑えてくれます。疲労回復や便秘解消にも効果があります。
4. パプリカ
ピーマンよりもビタミンCが多く含まれるパプリカもおすすめです。ビタミンAやビタミンEなど、美容にいい栄養素がたくさん!
【ダイエットと食】食べないと太る? ファスティングはリバウンドに要注意
『ファスティングダイエット』とは、水や酵素ドリンクを飲んで数日を過ごし、腸内環境をリセットするというダイエット方法です。日比野先生は、こう話します。
「私も市販のものを使ってやってみました。時々ならば良いのですが、おすすめはできません。消化器官を休めるのは12時間あれば十分。腸の再生に必要なのは8〜12時間だと言われています
また、『ファスティングダイエット』は、リバウンドもしやすいと言います。食事をとらずに代謝を落とした体に、いきなり食べ物を入れると吸収率が上がり、脂肪として蓄えようとするからです」(日比野先生)
1日の食事の中で、1食をカロリーの低いダイエット食に置き換える(他の2食は好きなものを食べていい)という『一食置き換えダイエット』も、日比野先生が実践したところによると「一時的には痩せたけれどリバウンドしやすい」と言います。
「ダイエットでは、食べれないことによるストレスは良くありません。ストレスを感じた時に出る『コルチゾール』というストレスホルモンが増えると基礎代謝が落ちてしまいます」(日比野先生)
【ダイエットと食】食べたい時は食べる! 我慢しません!
日比野先生のおすすめダイエット方法は、血糖値をゆるやかにあげるというもの。そのため、食事は朝昼晩の3回と間食の2回を入れて、計5回しているそうです。
「甘いものも大好き」という日比野先生は、間食にチョコを食べたくなったら我慢をしないのだと言います。「食べてはいけない」という禁止事項は、ストレスになってしまいます。
なので、食べ方を工夫するそうです。
チョコを食べるときは、その前にナッツなどを食べてから30分後に食べます。これは、血糖値が急激に上がることを避けるため。空腹時に甘いものだけを食べるから太るのだそうです。1日で食べる分だけを袋に小分けにして持ち歩き、間食の食べ過ぎには注意しましょう。
ダイエット中におすすめの飲み物
ダイエットを楽しく続けられそうな、美味しくてダイエット中におすすめの飲み物をご紹介します。いつも飲んでいる飲み物を、こちらで紹介されているものに変えてみてはいかがでしょうか。
アーモンドミルク
■アーモンドを摂取することで期待できるダイエット効果
・食物繊維が豊富なので腹もちがいい。
・自然に咀嚼が増えるので満腹中枢を刺激出来る。
・良質な脂質が脳に本能的な喜びを与え、満足感が得られる。
・腸が活発に働き、まわりの筋肉も動かされてエネルギーを消費。血行促進で基礎代謝もアップ。
・体脂肪の燃焼、筋肉の合成を促進するホルモン・テストステロンの分泌を促進。
■手軽なアーモンドミルクもおすすめ
アーモンドの栄養素をまるごと摂れてヘルシーなアーモンドミルク。そのまま飲んでも、料理やスイーツに使ってもいいですね。
教えてくれたのは… 慶應義塾大学医学部科学教室教授:井上浩義先生
医学博士、理学博士。著書『食べても痩せるアーモンドのダイエット力』(小学館)ほか好評発売中
ダイエット中に効果的な飲み物は? 豆乳で満足感&毎日飲むのにおすすめのドリンクなど
最後に
いかがでしたか? ダイエットをする上で大切なのは、カロリーだけではないということを初めて知った方も、結構いらっしゃるのではないでしょうか。過度なダイエットはストレスをもたらし、かえって痩せにくくなってしまいます。ぜひ一度、今までの食生活を見直すところから、始めてみてください!
初出:しごとなでしこ