肩甲骨が硬いとさまざまな不調が起こる?
背中の大部分を占め、姿勢などにも大きな影響を及ぼす肩甲骨。あなたの肩甲骨は健康ですか? 背骨のまわりの状態がわるいと肩こりや頭痛・背中のハリなどの不調が生じてしまいやすくなります。そのためにも、やわらかく動きのある背中まわりを目指しましょう。
背中の重要部位である「肩甲骨」にスポットを当て、こりかたまった筋肉をほぐすためのストレッチなどを紹介します。
〈POINT〉
・肩甲骨は肩こりやダイエットにも影響する
・背中まわりの筋肉はしっかりと動くようにしておこう
・ストレッチとともに日ごろの姿勢も意識しよう
原因|肩甲骨が硬い・肩がこるのはなぜ?
日ごろから肩こりや背中のハリに悩まされていませんか? ストレッチの前に、肩甲骨をはじめとした肩こりの原因を知っておきましょう。
PCやスマホの見過ぎ
PC作業やスマホの見過ぎは、肩甲骨周辺の筋肉や肩がこる原因になります。
長時間同じ姿勢で過ごすと、首から肩・背中にかけてついている僧帽筋を動かすことがないので周辺の血流悪化が起こり、こりや不調を引き起こします。
長時間のデスクワークはもちろん、スマートフォンでのSNSやニュースサイトの視聴は、背中が丸まり腕を前に伸ばした姿勢になりがち。これが僧帽筋を緊張させる原因になるのです。
僧帽筋は「肩こり筋」! 簡単ストレッチでガチガチの肩こりをスッキリ!
酸素不足
肩こりはもちろんのこと、腰痛、睡眠の質の低下、肌の不調など、現代女性の多くが抱えるお悩み。その原因は〝酸素不足〟である可能性もあります。
〝酸素不足〟の一因となっているのは、姿勢の悪さ。日常でパソコンやスマホを使う時間が増えた今、以前より姿勢が悪くなったと感じている方も多いのでは? そこで必要なのが、こり固まった姿勢や止まりがちな呼吸に意識を向けた、上手な〝息抜き〟です。
人は日常的に、1日に何度も息を止めているもの。たとえばアイラインを引くとき、落ちたものを拾うときなど…。息を止めると心身が力みやすくなるだけでなく、呼吸がきちんとできていない=呼吸による大切な働きである〝膨らむ・しぼむ〟という動きによる循環も生まれません。
つまり、筋肉はこわばり、関節の動きや内臓の動きが制限され、血液の循環も生まれないということになります。まずは不要な力み、息止めをやめること。そして呼吸も身体も楽な姿勢を見つけて、深呼吸をしてみましょう。
肌不調・肩こり・睡眠の乱れ… 原因は“酸素不足”!? 美肌と健康は正しい呼吸から! 日常で手軽にできる【酸素美容】にトライ
正しい姿勢を意識していない
日常生活では常に正しい姿勢を意識することが重要です。猫背や前かがみの姿勢は背中にお肉をつける原因になることも。
腕を90度曲げて脇を締めて立ち、そのまま肘を後ろに引いていきます。肩甲骨を意識しながら動かすストレッチで正しい姿勢をキープする習慣をつけましょう。
42歳で-15kgに成功した日比野佐和子医師のダイエット方法とは? おすすめのやり方を解説
▼あわせて読みたい
肩甲骨まわりをほぐすメリットは?
肩甲骨ストレッチで肩甲骨まわりのこりをほぐすことで、肩こり、肩こりからくる頭痛、猫背、骨盤の歪みの解消、さらにはダイエット効果まで期待できます。
肩甲骨まわりには「褐色脂肪細胞」という、脂肪を燃焼させる細胞があります。
この褐色脂肪細胞の存在場所は、首のまわり、脇の下、肩甲骨のまわり、腎臓などに限定されていて、体内のエネルギーを熱に変えて体温を保ってくれます。褐色脂肪細胞が活性化されると、脂肪の燃焼を助け、痩せやすい体になれるのです。
肩こり解消&脂肪燃焼でダイエットできる方法とは? 1日5分職場のデスクでできる方法を紹介
改善|ガチガチ肩甲骨のストレッチ法
ガチガチになった肩甲骨をほぐすのに有効なストレッチ方法をピックアップしました。痛みを感じるときだけでなく、普段からの習慣にしてあげることでこりづらい身体になっていきます。無理のない程度にじっくりと行っていきましょう。
座ったままできる肩甲骨を動かすストレッチ
\How to/
1. あぐらで座ったら、指を組んで両腕を体の前に伸ばす。あごは軽く引き、骨盤をしっかり立てて。
2. 息を吐きながら肩甲骨を後ろに、手は前に引いて引っ張り合う。頭や首は楽にして。呼吸を5回繰り返す。
3. 息を吸いながら上体を起こし、両腕を頭上に伸ばす。手のひらを正面に向け、ひじはゆるめて。
4. 息を吐きながら後頭部の位置まで手のひらを下げ、無理のない範囲で両ひじを開く。左右の肩甲骨を中央に寄せて。腰が反らないようおへそを引き入れる。ここまでを5回ほど繰り返す。
背中が丸~く見えるだけじゃない⁉ 巻き肩を正す簡単ストレッチ&筋トレ
肩・肩甲骨まわりの血流を促すストレッチ
\How to/
1. あぐらをかいて座る。骨盤はしっかり立てて、下腹部はリラックス。
2. 息を吸いながら肩をグーっと高く持ち上げ、息を吐きながらスッと脱力して下ろす動作を呼吸に合わせて5回繰り返す。
肩・肩甲骨・体側を広範囲でほぐすストレッチ
\How to/
1. あぐらで座ったら両手の指を組んで頭の後ろに当てる。胸を開き、ひじは後ろに引いて。
2. 息を吐きながら左に側屈し、右ひじを高く上げる。目線はその先に向け、呼吸を5〜10回繰り返して。反対側も同様に。
3. 両手を背中に回し指を組んだら、息を吐きながら胸を突き出す。あごを上げ、呼吸を5〜10回繰り返し、呼吸の深まりを感じて。
冷え・こり、抜けない疲労感に…【血流を良くするストレッチ】でアプローチ!
立ったままできる肩甲骨まわりをほぐすストレッチ
\How to/
1. 壁の横に立ち、右手のひらを壁に添える。左手は腰に。
2. 息を吐きながら壁を押し、体を左側に開く。左の肩を後ろに引いて、左右の肩甲骨を寄せるイメージで行って。呼吸を5〜10回繰り返したら反対側も同様に。
丸まりがちな背中を引き伸ばすストレッチ
\How to/
1. あぐらで座ったら手を頭の後ろで組む。骨盤をしっかり立て、ひじは無理のない範囲で外側に開いて。
2. 息を吐きながら右のひじを下げ、頭の重さを左前腕にかける。胸を突き出し、背中はシュッと引き伸ばして。呼吸を5〜10回繰り返したら反対側も同様に。
気分が落ち込むのは「猫背」が原因?【姿勢改善&呼吸を深めるストレッチ】で脱・猫背!
ガチガチなこりを徹底的にほぐす肩甲骨周辺ストレッチ
\How to/
1. あぐらで座ったら手を組む。骨盤をしっかり立てて。
2. 息を吐きながら手を伸ばし、背中を丸めていく。肩甲骨は後ろに強く引いて、手と背中が引っ張り合うイメージで伸ばす。あごを引き呼吸を5〜10回繰り返して。
タオルを使った肩甲骨ストレッチ
\How to/
1. 座った状態でタオルの両端を持ち、肩の高さに持ち上げる。背筋はしっかり伸ばして。
2. 息を吸いながら腕を頭上に持ち上げる。
3. 息を吐きながら肩甲骨を中央に寄せ、腕を体の後ろに下ろす。腰が反りすぎないようお腹に力を入れながら胸を開き、呼吸を5〜10回ほど繰り返して。
【背中の凝りを一網打尽】ガチガチな背中をほぐすストレッチ4選
首〜肩甲骨のほぐしマッサージ
\How to/
1. 左手の4本の指を首の骨の左に添え、肩に向けてほぐしていく。5〜10回ほど行ったら、反対側も同様にほぐして。
2. 左手の4本の指で左肩甲骨のキワをほぐしていく。肩甲骨の上部や背骨よりの部分など、硬くなっているところをほぐして。反対側も同様に。
肩甲骨まわりを刺激するねじりストレッチ
\How to/
1. 楽に座ったらタオルの両端を持って腕を頭上に持ち上げる。
2. そのままひじを曲げて上体を左へねじる。背骨をねじる意識で呼吸を5回繰り返し、反対側も同様に。全部で2〜3セットを目安に繰り返す。
【背中の肉がすっきり!】うしろ姿が見違えるスーパーマンのポーズって?
肩の位置が改善するストレッチ
\How to/
1. ひざ立ちになったら腕を体の後ろにまわし、右手で左手首を持つ。骨盤は立て、左右の肩甲骨同士を中央に寄せ胸を開く。
2. ひじを伸ばしたまま左腕を右方向に引っ張る。
3. 息を吐きながら今度は後方に引っ張り、腕を体から離す。肩や首は力まないように呼吸を5〜10回繰り返し、反対側も同様に。
不調の原因は「巻き肩」かも!?「巻き肩」改善の簡単ストレッチ3
寝たままできる首・肩~背中までのストレッチ
\How to/
1. ひざを曲げた仰向けの状態で両腕を頭上に伸ばし、ひじを曲げてつかむ。腰は床から浮かないよう、恥骨を天井に突き上げて。
2. 息を吐きながら上体を右に側屈させる。そのまま呼吸を5回繰り返して。
3. 息を吸いながら戻し、吐きながら今度は左へ。お尻や足の位置は変えずに肩もしっかり床につけて。
伸ばして、ゆるめる! 1日のパフォーマンスを上げる簡単【朝ストレッチ】
タオルを活用して肩こり解消!
\How to/
1. 背筋を伸ばして座り、肩幅の長さにタオルを持つ。
2. タオルをまっすぐ頭の真上に上げる。
3. 頭の後ろを通るようにしてタオルを下ろす。腰が反らないように注意!
頭の位置を固定しつつ、反り腰にならないように注意して。このタオルの上げ下げを10往復を目安にやってみましょう。肩まわりが温まってくるのを感じたら、ストレッチが効いている証拠です!
タオルを活用して肩こり解消! スキマ時間の簡単ストレッチ〈Oggi専属読者モデル 賀来みな美〉
▼あわせて読みたい
最後に
紹介した通り、肩甲骨まわりの筋肉は、肩こりやダイエットにも影響を及ぼすほど大事な役割を担っています。背中をほぐすこと=後ろ姿をきれいにすること。シルエット美人を目指して、今日から早速実践していきましょう。