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肩より首がツラい? 「首こり」に悩む人が急増中
日本の国民病と言われる“肩こり”。
5人に1人が肩こりに悩まされているというから、決して他人ごとではありませんよね。ところが最近、肩こりと並んで…もしくはそれ以上にこりによる不調を訴える人が増えてきている体のパーツがあります。それが、首。
セルフチェック! ツラい首こり、予備軍になってない?
ここ数年でグッと増えたリモートワークや、長時間にわたるスマートフォンの使用。それに伴い、頭を下に向けてうつむいた姿勢で過ごすことが増えたのではないでしょうか?
その結果、頭の重さを支える首には大きな負担がかかり続けています。
<首こり予備軍・セルフチェック>
●首や肩が痛い・ダルさがある
●頭痛の症状が出やすくなった
●うしろを向きにくい
●首が短くなった気がする
●左右の肩の高さが違う
●気づくと、猫背で頭が前に出た姿勢をしている
すでにこりの自覚がある方だけでなく、今はそれほど気にならないという方でも当てはまる項目が多い場合は首こり予備軍になっているかもしれません。
ここからは、現役ヨガインストラクターが首のこりをほぐす簡単なストレッチとマッサージのやり方をご紹介していきます。
「首こり」スッキリ解消! 座ったまま・寝たままできるストレッチ3つ
座ったままおこなう首のストレッチ①・・・首の両サイドを緩める
STEP 1:あぐらの姿勢で座る。
▲骨盤を起こし、背筋を伸ばして座りましょう。左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せます。両手は、体の横にスッと下ろしておきましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】頭を左に傾ける。
▲左耳が左肩の上のラインにくるように、頭はできるだけ真横に傾けましょう。右の首~肩にかけて心地よく伸びる角度で、呼吸を5~10回ほど繰り返します。
STEP 3:STEP 1の姿勢に戻り、右手で右側頭部を矢印の方向に押す。
▲右手のひらで右側頭部を左に押します。頭や首が左に傾かないように軽く力を入れて、中央の位置を保ちましょう。呼吸を5回ほど繰り返します。
STEP 4:STEP 1の姿勢に戻り、【息を吐きながら】左手を後頭部に添えて頭を左に傾ける。
▲左腕の重さを使って、無理のない範囲で頭を左に傾けましょう。STEP 3で筋肉を緊張させたあとなので、フッと力が抜けてより緩みやすくなります。呼吸を5~10回ほど繰り返したら、STEP 2~STEP 4の反対側もおこないましょう。
座ったままおこなう首のストレッチ②・・・首の前後を緩める
STEP 1:楽な姿勢で座る。首のうしろで両手の指を組む。
▲あごは軽く引きます。両方のひじを外に開きましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】頭を下に向ける。
▲両方のひじを閉じ、腕の重さを使って頭を下に向けます。あごを喉もとに近づけ、特にこりやすい首のうしろをストレッチしていきましょう。呼吸を5~10回ほど繰り返します。
STEP 3:【息を吸いながら】目線を斜め上に向ける。
▲両ひじを開きながら頭を持ち上げ、目線を斜め上に向けます。手で首・頭をサポートしながら、首の前面を気持ちよく伸ばしましょう。呼吸を5~10回ほど繰り返します。
寝ながらおこなう首のストレッチ・・・起床後・寝る前におすすめ!
STEP 1:仰向けになる。
▲腕は肩の高さを目安に持ち上げ、横に開きます。足はラク~にリラックス。足先をパタッと外側に倒して、力を抜いておいてもOK。ベッドの上でおこなう場合は、枕は避けておきましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】顔を左に向ける。
▲左側頭部を床(もしくはベッド)につけ、目線は左手の指先に向けます。首・肩に痛みがある場合は、無理のない範囲でOK。首の右側に心地よい伸びを感じながら、呼吸を5~10回ほど繰り返しましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】顔を右に向ける。
▲息を吸いながら顔を正面に戻したら、吐きながら右へ。今度は、首の左側のストレッチです。STEP 2~STEP 3を3~5回ほど繰り返しましょう。
寝たまま顔を左右に向けるだけなので、とても簡単。痛みやこりの具合に合わせて角度を調節しながら、ゆっくりとおこなってください。
ツラい首こりには「首のマッサージ」もおすすめ!
体重の約10%ほどある(50kgの場合→5kg)頭を支え続ける首には、常に負担がかかっています。首の骨の両脇と肩甲骨周辺にはこりが生じやすいので、マッサージでほぐしてあげるのもおすすめです。
ちょっとした外出先やオフィスなど、場所を選ばずにおこなえる方法はこちら。
STEP 1:左手の4指を首の骨の左に添える。首から肩に向けて上~下へとほぐす。
▲4指(人差し指~小指)を使って、首から肩へとほぐしていきます。5~10回ほどおこなったら、反対側も同様に。
STEP 2:左手の4指を使って、左肩甲骨のきわをほぐす。
▲肩甲骨の上部や背骨よりの部分など、気持ちいいと感じる場所・硬くなっている場所をほぐしていきましょう。反対側も同様におこないます。手が届きにくい場合、左手で右肩甲骨周辺をマッサージしてもOK。
皮膚が薄い首のケアは、優しいタッチでおこなうのがポイントです。
首こりを悪化させない! 見直したい3つのポイント
首こりを悪化させないためには、以下のポイントの見直しもおすすめです。
●デスクワーク中:背もたれが高い椅子に、深めに座る
→背もたれが低い(ない)椅子に浅めに座っていると、骨盤が後傾して腰や背中が丸まり、頭が前に出た姿勢になりがちです。
●デスクワーク中:PC画面の高さは、目線のやや下!
→首に負担をかけず正しい姿勢で作業をするためには、PC画面の高さの見直しも必要です。画面が目線よりやや下にくるように、スタンドを使ったりして調整しましょう。画面と顔の距離は、40cm以上開けるとgood!
●スマートフォンを使う・見るとき:画面は目線と同じ高さ
→スマートフォンをのぞき込むような前傾姿勢や、ベッドに横向きになって長時間使用する姿勢には注意が必要! 猫背になるなら、椅子にもたれかかって斜め上を向いた姿勢をするほうがまだ〇。
パソコンやスマートフォンを日常的に使う私たちにとって、首こりのリスクは隣りあわせにあるといっても過言ではありません。
こりが慢性化する前の予防・対策としても参考にしてみてくださいね。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。