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BEAUTY

2022.07.09

「食いしばり」の原因と対策は? ストレッチとマッサージで緊張を緩和!

「朝、起きるとあごが疲れている」「気がつくと、上下の奥歯がくっ付いてグッと噛みしめている」という“食いしばり”にお悩みの方が増えているようす。食いしばりの主な原因はストレスだと言われていますが、長く続くと、さまざまな不調を引き起こしたりもするので深刻ですよね。そこで今回は、ヨガ講師でリフレッシュドライヘッドスパの資格を持つ筆者がおこなっている「食いしばり対策」のストレッチやマッサージについてお話していきたいと思います。

ストレスと緊張が引き金!「食いしばり」をしてしまう2大原因

(c)Adobe Stock

「朝、起きるとあごが疲れている」「ふと気がつくと、上下の奥歯にグーッと力を入れて噛みしめている」といった経験はありませんか? 心当たりのある方は、“食いしばり”をしていることが考えられるかもしれません。食いしばりとは、歯を強く、きつく噛むこと。運動をしているときや、瞬発的に大きな力を出すようなときに、グッと奥歯に力を入れるあの感じを想像してもらうとわかりやすいでしょう。

そして、この食いしばりが起こる主な原因は、ストレスや緊張と言われています(嚙み合わせ、骨格が原因のことも)。

ストレスが原因の場合は、睡眠中に歯を食いしばることで溜まったストレスを解消していると考えられており、緊張が原因の場合は、集中して作業をすることで緊張状態が続き、口まわりの筋肉に力が入って食いしばってしまっているのだそう。

(c)Adobe Stock

このことから、朝、あごや歯に違和感がある方は、睡眠中の食いしばり。日中、ふと気がつくと歯を嚙みしめている方は、緊張による食いしばりが“無意識的”に起こっていると考えられるのです。しかし、日中に食いしばっている方の多くは、睡眠中にも食いしばっているとも言われているので、食いしばりに心当たりがある方は、昼夜問わず歯やあごに負担がかかっている恐れがあるでしょう。

体重×2倍の負荷がかかる食いしばり… 対策は?

食いしばりをしているときというのは、自分の体重の約2倍もの負荷が歯やあごにかかると言われています。

例えば、体重50kgの方の場合、100kg近くの力がかかっているということになるでしょう。そのため、食いしばりが続くことで、次のような症状を引き起こすこともあります。

食いしばりが続くと、どうなる?

・歯が摩耗したり、欠けたりする
・歯茎が下がり、歯の根元が露出することによって、知覚過敏が生じる
・あごに負担がかかり、痛みが生じたり、口を大きく開けにくくなったりする
・噛みしめるときに使う筋肉の負担から、頭痛、肩こりの原因になる

ですが、そうとわかっても無意識のうちにしてしまうのが、食いしばり…。

日中の起きている時間帯であれば、気がついたときに上下の歯をくっ付けないように離すことができますが、睡眠中はそうもいきません。また、食いしばりの治療は、歯科医院での相談が基本。ですが、ストレスや緊張によって起こっている場合は、可能な範囲で、その原因を少しでも軽減させられたらと思いますよね。

それでは、ここからは、ヨガインストラクターでリフレッシュドライヘッドスパの資格を持つ筆者が食いしばりの予防・防止に役立てているストレッチとマッサージを紹介していきたいと思います。

「食いしばり対策」ストレッチ&マッサージ

筋肉の凝り固まりが食いしばりを強くしたり、食いしばりが起こることで筋肉が凝り固まったり、相関関係も無きにしも非ず。ストレッチとマッサージを取り入れて、食いしばり対策をしていきましょう。

1. PCやスマホ使用時の下向き・猫背の姿勢を正して、上下の歯を離すストレッチ

STEP 1:あぐらの姿勢で座る。両手を後頭部に添えたら、指を組む

▲ひじを真横に開いて、肩の力は楽にします。腰が反りすぎないように、骨盤を軽く後傾させて座りましょう。

STEP 2:息を吸いながら、胸を突き出して、目線を上げる

▲手に頭の重さを預けるようにします。ひじは、軽くうしろに引いて、横に大きく開いた姿勢を維持しましょう。

STEP 3:息を吐きながら、背中を丸めて、ヘソを見るように目線を下げる

▲開いていたひじを閉じます。手・腕の重さを使って、首のうしろ側をストレッチしましょう。呼吸に合わせて、5~10回ほど繰り返します。パソコンやスマートフォンを使用しているときの下を向いて猫背になった姿勢は、上下の歯がカチッとくっ付きやすくなるので、姿勢の改善は必須です。

2. 咀嚼筋と連動して働く首の筋肉・胸鎖乳突筋のストレッチ

STEP 1:右手を左側頭部に添える

▲顔・目線は正面に向けて、首や肩は楽にしておきます。

STEP 2:息を吐きながら、頭を右側に倒す

▲手の重さを使って、首の左側が気持ちよく伸びるところまで頭を倒します。60~90秒ほどキープしましょう。

STEP 3:頭を右側に倒したまま、息を吐きながら右ひじを斜めうしろに引く

▲近頃急増しているスマホ首(ストレートネック)は、前かがみの姿勢になるため、食いしばりが起こりやすいです。また、前傾姿勢と食いしばりの両方から、首の筋肉・胸鎖乳突筋を緊張させて首こりを引き起こすため、ストレッチで姿勢を改善し、筋肉をほぐしていきましょう。耳の下あたりから、鎖骨までつながる筋肉が心地よく伸ばされているのを感じながら、呼吸を5回。反対側も同様に、STEP 2~STEP 3をおこないます。

3. 噛むときに使われる側頭筋・咬筋(こうきん)のマッサージで筋肉の緊張をほぐす

STEP 1:耳の上に広く位置する側頭筋を、手の指を使って円を描くようにマッサージをする

▲指先にやや力を入れて、前に20回、うしろに20回ほどクルクルとマッサージをします。指先を使うと力が入りにくい場合は、手のひらを使って、側頭部を包み込むようにマッサージをしてもOK。

STEP 2:手の人差し指を耳の前あたりに置き、円を描くように優しくマッサージをする

▲人差し指でごく軽い圧をかけて、前後に10回ずつクルクルとマッサージをしましょう。

STEP 3:手をグーの形にしたら、耳の下のフェイスラインにあてて、円を描くようにマッサージをする

▲ここでも、咬筋には軽めの圧をかけるくらいの力加減を意識しましょう。力が強すぎると、咬筋を刺激してしまうことがあります。前に10回、うしろに10回ほどクルクルとマッサージをします。

日中の食いしばりは、気がついたときに緩めることが大事!

睡眠時の食いしばりをコントロールするのは簡単ではありませんが、日中はどうでしょう? 無意識にしている食いしばりも、起きているときであれば、ふと気づくことができるので、次のような対策を取り入れるのもおすすめです。

1. パソコン画面や手帳、鏡、テレビの近く、そのほかのよく目にする場所に、「リラックス」「食いしばらない」などと書いた付箋を貼っておき、食いしばりに気づかせる

2. 日頃から体の力を抜きにくい方は、隙間時間を使ってゆったりとした呼吸に合わて肩の上げ下げをしたり、ストレッチを取り入れたりすると◎!

3. 意識的に顔を上げるようにして、上下の歯がくっ付きにくい姿勢を習慣化させる

ヨガインストラクター 高木沙織

「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。

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