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2022.05.15

呼吸が浅いと感じたら、胸椎(きょうつい)ストレッチでリラックス!

忙しい毎日を過ごしていると、ふと感じる不安・イライラ、そして集中力の低下。もしかしたらその心身の不調、胸椎が緊張して硬くなり、呼吸が浅くなっているからかもしれません。そこで今回は、現役ヨガ講師が、胸椎を柔らかくしなやかにして呼吸を深めるストレッチをご紹介します!

不安やイライラ、集中力の低下…「浅い呼吸」と関係アリ!

(c)Adobe Stock

仕事やプライベート、日々の生活において細々としたタスクは常に付きまとうもの。このように、忙しさに追われて、ストレスを感じながら過ごしていると、不安やイライラ、集中力の低下を感じることもあるでしょう。そして、この心身の状態というのはちょっと複雑で、忙しさやストレスに付随して、“呼吸が浅くなる”ことでまた悪循環に陥ってしまっている恐れがあるのです。というのも、不安やイライラなどを感じているときというのは、往々にして浅い呼吸をしていることが多いから。

呼吸が浅いというのは、その言葉のとおりで、息を吸うときも吐くときも浅く、さらにはそのペースが速くなっている状態。ふと呼吸に意識を向けてみたときに、吸う・吐くに合わせて肩や胸がわずかに動く程度という人は、浅い呼吸がクセになってしまっているかもしれません。

さらに、こうした呼吸をしているときというのは、交感神経が優位な状態にあるため、不安や緊張感が増します。その結果、呼吸が浅くなるというループに陥りやすくなるのです。ですので、心身共に穏やかに、リラックスしたいときには、呼吸を深め、副交感神経を優位にしてあげることが大切になってきます。

では、呼吸を深めるためにはどうしたらよいのでしょうか。

「胸椎」が緊張していると呼吸が浅くなる

呼吸が浅くなってしまうのは、不安やイライラ、ストレスだけが原因ではありません。“胸椎(きょうつい)”が緊張して硬くなっていると、その周辺に位置する呼吸筋(横隔膜・肋間筋など)もまた硬くなって、深い呼吸の妨げになるのです。

(c)Adobe Stock

胸椎とは、私たちの体の軸となる脊柱(せきちゅう)の一部。脊柱は節構造をしていて、上から7個の首の骨・頚椎(けいつい)、そして12個の胸の骨・胸椎(きょうつい)、その下に5個の腰の骨・腰椎(ようつい)と、合計24個の椎骨が重なって構成されています。

脊柱は、正面あるいは背面から見ると、ほぼ真っすぐ。横から見ると、緩やかな“S字”にカーブしていて、胸椎の部分はちょうど後弯し、うしろに出た形になっています。ところが、長時間のデスクワークなどで背中を丸めた姿勢をしていると、後弯カーブがきつくなり、周辺の組織・筋肉に負担がかかって、胸椎や呼吸筋が緊張。硬くなってしまうのです。その結果、深い呼吸をするのが難しくなってしまうでしょう。

しかも、胸椎は可動域が狭く、日常生活で大きく動かすことが少ないパーツ。それに加えて、もともと硬くなりやすいという特徴があるのですが、ストレッチを継続的に取り入れることで、緊張を緩めたり、動きを改善したりする効果に期待できると言われています。

ヨガ講師が教える「胸椎を柔らかくする」ストレッチ

1. 椅子の前に座って胸~背中を動かすストレッチ

STEP 1:椅子の前に正座する。両ひじを椅子の座面に乗せたら、手の指を後頭部で組み、胸を斜め下に突き出す

▲骨盤を前傾させ、背中が自然なカーブを描くようにします。腰を痛めないように、様子を見ながらおこないましょう。

STEP 2:左右の肩甲骨をうしろに突き出す

▲骨盤を後傾させ、背中を軽く丸めます。息を吸いながらSTEP 1~息を吐きながらSTEP 2の動きを呼吸に合わせて10回ほど繰り返しましょう。

2. 横向きで、寝ながら胸椎の可動域を広げるストレッチ

STEP 1:左側を下にして横向きになり、ひざを軽く曲げる。腕は肩の高さで、体の前に伸ばす

▲腰が反らないように、背中から尾骨までをなるべく一直線に保ちましょう。足と腕は、それぞれ重ねておきます。

STEP 2:右腕をうしろに引いて、胸を大きく開く

▲背中や腰に負担がない程度に上体をねじります。右腕は、床につかなくてもOK。顔を右腕のほうに向けて90秒キープしたら、体の向きを変えて、反対側も同様におこないます。

3. ヨガ「キャットアンドカウ」のポーズで、背中を広くストレッチ

STEP 1:四つ這いになる

▲手は肩幅、足は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。腰が反らないように、ヘソを軽く引き上げましょう。

STEP 2:息を吸いながら骨盤を前傾させ、目線を上げる

▲肩をうしろに引き、首筋を長く保ちます。

STEP 3:息を吐きながら骨盤を後傾させ、背中を丸める

▲ヘソを覗き込むように目線を下げ、肩甲骨の位置を高くします。STEP 2~STEP 3は、背骨が緩やかに、均等にアーチを描くようにゆっくりと体を動かしましょう。

テニスボールを使ってほぐしてもOK

2個のテニスボールを横に並べたら、その上に仰向けになる

▲テニスボールの位置は、背骨を挟むよう間隔を開け、肩甲骨の下にくるようにするとgood! 痛みが強かったり、安定しなかったりする場合は、テニスボールを1個だけ使用し、左右それぞれにほぐしてみてください。腕を横に広げたり、頭上に伸ばしたりして、心地よいと感じる姿勢でリラックス。90秒以上体を預けましょう(長くほぐしすぎるのはNG)。

ストレッチローラー(ストレッチポール)を肩甲骨の下あたりに置いて、上下にコロコロと転がしてもOK。

日常生活で胸椎を硬く、緊張させないための3ヶ条

胸椎が緊張して硬くなるのは、猫背の姿勢が長く続いたときです。デスクワーク中やそのほかのシーンでは、次のようなことに気をつけ、ゆったりと深い呼吸ができる体を目指しましょう。

1. デスクワークの最中や休憩時間を使って、椅子に座ったまま背中を反らせたり、丸めたりする(ストレッチ3の「キャットアンドカウ」の動きを参考に)

2. 日頃から、両方の肩をうしろに引いて、左右の肩甲骨同士を中央に寄せ、胸を広げた姿勢を意識する

3. 背骨の安定性を高め、正しい姿勢を保つのに働く“体幹”部分の筋力を強化する

ヨガインストラクター 高木沙織

「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY🄬といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。

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