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ふくらはぎがだるい… どうして?
「ふくらはぎ」という呼び名がすっかり定着した、ひざ下・下腿後面の筋肉が盛り上がった部分。この名称の由来は、かつてひざ下~くるぶしまでの部分を“はぎ”と言っていたこと。そして、その部分がふっくらとしていることから、ふくらはぎと呼ばれるようになったという説があります。ちなみに、正式名称は、“下腿三頭筋(かたいさんとうきん)”。
腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋という2つの筋肉をまとめてこう呼び、主な働きは足首を伸ばすことです。さらに細かく言うと、腓腹筋にはひざを曲げる働き、ヒラメ筋には立っているときに体重を支える働きなどもあります。
また、「こむら返り」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。これは、腓腹筋の“腓”をこむらと読むため、ふくらはぎがつることをこむら返りと言います。
さて、今回のテーマはこのふくらはぎなのですが、何でもここ最近、「ふくらはぎがだるい…」と感じている方が急増しているようなのです。その原因とは、一体何なのでしょうか。
主な原因の1つは、「デスクワークが増え、運動不足になり、ふくらはぎの筋肉がこり固まっていること」。立ち仕事や、ハードな運動、ハイヒールを履いて歩くことでもふくらはぎの筋肉は強張ってしまうのですが、パソコンデスクの前に座ったまま、長時間同じ姿勢で筋肉を動かさずに過ごすことでも、こり固まりが生じてしまうのです。
すると、血液のめぐりが悪くなり、筋肉に栄養が行き渡りにくくなったり、老廃物が回収されにくくなったりして、疲労感が抜けずにだるさを感じるようになります。
ふくらはぎのだるさを改善するには?
ふくらはぎのだるさを感じるのは、筋肉に疲労がたまる1日の終わりが一般的。それを放置したままでいると、何とも言えない不快感から、寝つきの悪さの原因になったり、翌朝に疲れを引きずったりすることにもなりかねません。近頃よく耳にするようになった、「朝からふくらはぎがだるい」というのは、この前日からの疲れによるところが大きいでしょう。
では、ふくらはぎのだるさを改善・予防するにはどうしたらいいのでしょうか?
オススメは、ストレッチ。ストレッチをして、ふくらはぎの筋肉のこり固まりをほぐし、血流を促してあげると、だるさのケアができるでしょう。ただし、以下の注意点を守っておこなうことが大切です。
1. だるさを強く感じていると、つい過度なストレッチをおこないがちです。痛みが出ない程度の伸ばし具合を意識しましょう。
2. いきなり強く伸ばすのではなく、はじめは浅く、徐々にストレッチを深めていきます(ストレッチ時間の目安は、1パーツにつき90秒以上)。
3. 筋肉に力が入らないように、ゆったりとした呼吸を繰り返しながらリラックスしておこないましょう。
それでは、実際にストレッチをおこなっていきたいと思います。
ヨガ講師が伝授! ふくらはぎのだるさをすっきりさせるストレッチ3つ
【1】仰向けで足首をまわすストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。右足を床から持ち上げてひざを外側に倒したら、右くるぶしを左足の上に置く
▲腰が反りやすい方は、丸めたタオルやクッションを下に置くと姿勢が楽になります。
STEP 2:右足のつま先を天井方向に突き出す[90秒キープ]~下にグーッと引き下げる[90秒キープ]
▲つま先を動かしにくい場合は、右足を置く位置をずらしてみてください。つま先で円を描くように、クルクルと動かすのもオススメです。反対側も同様におこないます。
【2】自分の体重を使ってふくらはぎを刺激
STEP 1:ひざ立ちになり、右の足の甲を左のふくらはぎの上に置く
▲左ふくらはぎの筋肉が盛り上がっているところに足の甲を乗せられるように、右ひざを外側に開いたり、位置を変えたりして調整してみてください。
STEP 2:息を吐きながらお尻を下ろしていき、両手を体の前につく[90秒キープ]
▲左ふくらはぎに、心地よい刺激を感じられる程度の体重の乗せ具合を意識します。痛みが強い場合は、手のほうへ重心を移動させて、お尻を少し浮かせてみましょう。反対側も同様におこないます。
【3】立位でふくらはぎをしっかりと伸ばす
STEP 1:足を揃えた立位の姿勢から、右足を大きくうしろに引く。両手は背中側にまわして、手のひら同士を合わせる
▲左のつま先は正面、右のつま先は45度外側に開き、足の裏全体でしっかりと床を踏みます。背中側で合掌するのがツライ場合は、手を腰に添えておいてもOK。
STEP 2:息を吐きながら、上体を前に倒す【90秒キープ】
▲股関節から上体を倒し、床に対して水平の位置を保ちます。肩が内側に入らないように、左右の肩甲骨同士を中央に寄せて胸を開くと、さらにgood! 反対側も同様におこないます。
日常生活でふくらはぎを疲れさせないために意識したいこと
和式トイレでしゃがむときの姿勢がツライ方や、ふくらはぎを手で触れてみたときにひんやりとしていたり、指で押した痕がなかなか消えなかったりする方も、“ふくらはぎの疲れ・だるさ予備軍”です。ふくらはぎに疲れをためないためにも、日頃から以下の項目を参考にしてみてください。
1. 足をこまめに動かしたり、ストレッチを毎日の習慣にしたりして、筋肉のこり固まりをケアする
2. ふくらはぎが冷えないように、服装に気をつける
3. 筋肉の材料になるたんぱく質を含む食材(肉・魚・卵・大豆食品など)をしっかりと取り、筋肉量を減らさない&むくみにくい体作りを意識する
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ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。