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BEAUTY

2022.03.31

冷え・むくみ・こりの改善にも! 体を柔らかくするためのストレッチ

「柔軟性が高い」と、体が“楽”! それは、筋肉がほぐれて血行がよくなり、冷えやむくみ、こりが改善されるほか、姿勢までよくなるから。だけど、大人でも、今から体を柔らかくすることってできるの? 正解は…YES! 今回は、現役ヨガ講師が体を柔らかくするストレッチを伝授します。

「体が柔らかい」ってどういうこと? メリットは?

(c)Adobe Stock

「体が柔らかい」=「柔軟性が高い」ということ。そして、この“柔軟性”というのは、体力のひとつの要素でもあることをご存じでしょうか。どういうことかと言うと、柔軟性とは、筋肉と腱が伸びる能力を指します。この能力は、筋力・持久力・瞬発力・調整力とともに基本的な運動能力に含まれているため、柔軟性もまた体力の一要素とされているのです。なので、柔軟性が高いというのは、体力の高さを表わすひとつの目安にもなるというわけ。では、柔軟性が高いと、どのようなメリットがあるのでしょう。

1. 筋肉が柔らかくなり、血行が改善される

→ 基礎代謝の向上や冷え・むくみ・こりの改善につながる

2. リンパの流れが改善される

→ 免疫力が向上する

3. 姿勢がよくなる

→ 筋力と柔軟性のバランスが良くなると、姿勢の改善につながる

4. 運動時の怪我の予防になる

→ 運動前のストレッチで筋肉を動かし、筋温を上げると、怪我のリスク低減につながる

このように、柔軟性が高いことは、日々の体の悩み・不調の改善にも役立ってくれるのです。ということは、「柔軟性は、高ければ高いほどいいのか?」といったら、実はそうではなく、柔軟性と大きな関係がある関節の可動域が広すぎてしまうと、体を痛めることもあるため、適度な範囲を保つことが大切になってきます。

大人でも体は柔らかくなる? ストレッチをするときのコツ

いざ体を柔らかくしようと思っても、大人の場合、難しいのではないかと思われがち。ですが、その答えはNOです。もちろん、もともとの骨の形状や関節の構造など、遺伝的要因によって可動域の広さは人それぞれに違ってきますが、動かす範囲が狭いままだと、その可動域はさらに縮小していってしまうでしょう。

また、継続的なストレッチをおこなうと、筋膜を伸張できるため、大人であっても柔軟性を高めることは十分に可能です。

(c)Adobe Stock

さて、ここで筋膜という言葉がでてきましたが、これは一体? 筋膜とは、簡単に言うと“筋肉の周囲の膜”のことで、第二の骨格と呼ばれることもあります。皮膚が体の外側を覆っているように、頭のてっぺん~足の先までネット状の線維で覆い、体の内側から骨や筋肉、内臓、神経、血管を支えているのが筋膜です。

また、この筋膜は、長時間同じ姿勢で過ごしたり、運動不足が続いたりすると、短縮して硬くなってしまう傾向があるため、筋肉の動きや柔軟性に影響を及ぼすことも。

そうならないためにも、毎日のストレッチです!

それも、短すぎるストレッチや、何となくおこなうストレッチでは×。次のコツを意識してみてください。

◆1つのパーツにつき、90秒以上ストレッチをする

→ 筋膜を構成する膠原繊維(コラーゲン繊維)は伸張性が乏しく、硬くなりやすいため、90秒以上じっくりと時間をかけてストレッチをしてあげる必要がある。ただし、反動をつけたり、長時間おこなったりするとオーバーストレッチになるため注意。

◆伸ばすパーツを意識する

→ 痛くない程度に、伸ばすパーツへの適度な刺激を感じながら、意識的におこなうとより効果的。

◆呼吸を止めない

→ ゆったりとした深い呼吸には、筋肉の緊張を緩める効果がある

◆体が温まっているときだと、なお効果的

→ 筋肉が温まる=筋膜が温まるため、軽めの運動後や入浴後のストレッチが効果的

それでは、ここからは硬くなりがちなパーツを中心に、「体を柔らかくする」ストレッチメニューを紹介していきます。

硬くなりがちなパーツをほぐす「体が柔らかくなる」ストレッチ

1. ヨガの「猫の伸びのポーズ」で背骨や肩甲骨まわりをほぐす

STEP 1:四つ這いになる

▲手は肩幅、足は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきましょう。腰が反らないように、ヘソを引き上げて背中を平らにします。

STEP 2:両手を大きく前に伸ばしたら、胸とあごを床につける【呼吸を5回繰り返す、もしくは90秒キープ】

▲脇から腕を伸ばしきったら、下腹部とお尻はキュッと引き締めます。ひざの位置は、お尻の下で体が前に行きすぎないように姿勢をキープ。あごを床につけるのがツライ場合は、代わりに額をつけてもOK。

2. 股関節や前もも、お尻に心地いい刺激! 下半身の広範囲をほぐすストレッチ

STEP 1:左ひざを曲げて、かかとを恥骨に引き寄せる。右足は真っすぐうしろに伸ばす

▲お尻が左側の床につかないように、持ち上げた状態を保ちます。右足は、足の付け根からつま先まで一直線に伸ばしましょう。

STEP 2:両手を体の前について、手を重ねる。上体を前に倒し、額を手の上に乗せる【90秒キープ】

▲股関節から折り曲げるように上体を前に倒し、左のお尻、右の前ももが心地よく伸びるところで姿勢をキープ。首や肩の力を抜いて、リラックスします。STEP 2の姿勢がツライ場合は、STEP 1で呼吸を繰り返しましょう。反対側も同様におこないます。

3. 頭痛や肩こりとの関係もある「バックライン」の筋膜をほぐすストレッチ

バックラインとは、足底の筋~帽状腱膜(頭部の筋膜)を走る体の背面の筋膜のこと。もともと体の中でも硬くなりやすい部分。長時間のデスクワークで、猫背の姿勢が続き、この筋膜が短縮することでさらに体がカチコチになり柔軟性を低下してしまいます。

さらに、体の前後の姿勢や骨盤の安定が崩れたり、頭痛・眼精疲労が生じたり、頭のダル重さを引き起こしたりもします。そのため、体を柔らかくしたい人は、バックラインのストレッチで、柔軟性を上げることが必要なのです。

STEP 1:両足を前に伸ばして座る。左ひざを曲げて外側に倒し、足の甲を右の太ももに乗せる

▲骨盤を起こし、背筋を伸ばして座ります。左足の甲は、ひざ寄り~股関節寄りなど位置をずらしてみて、痛み・違和感がないところに乗せましょう。

STEP 2:上体を前に倒す【90秒キープ】

▲お腹と太ももを近づけるように前屈します。右のかかとをグッと前に突き出すことで、背面の伸びを深めましょう。あごを引いて、後頭部や首の緊張もリリース! 反対側も同様におこないます。

ストレッチ以外で体を柔らかくする方法は?

ストレッチができないときは、日常生活において以下のことを意識してみるといいでしょう。

◆日常の動作の範囲を大きくしてみる(例:歩幅や洗濯物を干すときの腕の動きを大きくする、しゃがむ~立つ動きを多めに)

◆体が冷えると筋膜も硬くなるので、冷えない服装を心がけ、冷たい食べ物・飲み物の取りすぎなどに気をつける

ヨガインストラクター 高木沙織

「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。

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