デスクワークで疲れた体、その場でスッキリさせたい!
デスクの前に座って、何時間も同じ姿勢をしたまま仕事をしていると、体がガチガチにこり固まってしまってツラいですよね。しかも、この集中しているときの姿勢というのは、往々にして“正しい姿勢”ではなく、どちらかというと“悪い姿勢”に傾きがち。
特によく見られるのが、骨盤が後傾して(お尻の上のほうまでペタッと椅子につけて座っている状態)、背中が丸まった猫背の姿勢です。おまけに、肩が内側に入って、あごを前に突き出した姿勢になっている人も少なくないでしょう。その結果、丸くカーブした首や肩、背中、腰は筋肉がこり固まって硬くなり、血流も悪化。腹部は、グーッと圧迫され続けたことで、内臓の位置が下垂したり、機能が低下したりしてしまうことも考えられます。
また、椅子に座っているときというのは、太い動脈や静脈、リンパが流れる股関節周辺やひざの裏側を曲げた姿勢のままあまり動かさずに過ごすため、下半身が冷えたりむくんだりもしやすくなるでしょう。
デスクワークの最中や、仕事が終わった後。「“その場で”少しでも体をスッキリさせられたら…」、そんなときは椅子に座ってできるストレッチがオススメです。
椅子を使ったストレッチの注意点
今回ご紹介するのは、椅子に座ったままおこなえるストレッチ。中には、「オフィスではちょっと…」というダイナミックなものありますが、自宅でのテレワーク後などに取り入れてみるとよいでしょう。それではストレッチのレクチャーの前に、椅子を使ったストレッチをおこなう際の注意点をお伝えします。
1. キャスター付きの椅子はストレッチには不向き。安定して座ることができる椅子を使いましょう。
2. 椅子はデスクから離した位置に移動。体を動かしても物にぶつからないスペースを確保しましょう。
3. ツルツルとした素材のスカート・パンツ着用時は、椅子から体が滑り落ちないように気をつけて!
椅子に座ってできるストレッチ【上半身編】
ここからは、パーツ別に椅子に座ったままできるストレッチを紹介していきます。
1. 後頭部で指を組んで、首・肩のストレッチ
STEP 1:椅子に浅く座る。背筋を伸ばして、後頭部で手の指を組む
▲ひじは、正面に向けておきます。
STEP 2:ひじを横に開く
▲左右の肩甲骨を中央に寄せるようにして、胸を開きます。
STEP 3:頭をうしろに倒して、目線を斜め上に向ける
▲背中~腰は自然にカーブする程度で、反らせすぎないようにします。ここでもひじは横に開いたまま、90秒キープしましょう。
2. ヨガの「座った鷲のポーズ」で肩まわりの緊張をほぐす
STEP 1:椅子に深く座る。左腕が上、右足が上になるようにそれぞれ交差させる
▲ひじとひざが、体の中心で揃うようにします。
STEP 2:両手のひらを上に向ける。ひじを曲げて、手のひら同士を合わせる
▲指先を天井方向に引き上げ、ひじを肩の高さまで持ち上げたら、90秒キープ。腕と足を組み替えて、反対側も同様におこないます。
3. 猫背の姿勢で圧迫されていた腹部をストレッチ
STEP 1:椅子に浅く座る。左手を右ひざの外側に添えて、上体を右側にねじる
▲右手は、椅子のひじ置きや背もたれ、座面を持ってもOK。背筋を伸ばして、腹部が縦に伸びた状態でねじり、90秒キープしたら反対側も同様におこないます。胸だけを大きくねじるのではなく、腹部を中心にねじるのもポイントです。
STEP 2:SETP 1から、右手の位置を左わき腹へ移動させる
▲右手の指先を左わき腹に引っかけるようにして、ねじりを深めます。90秒キープしたら、反対側も同様におこないましょう。STEP 2のねじりがツラい場合は、STEP 1だけでOK。
椅子に座ってできるストレッチ【下半身編】
1. 座りっぱなしで硬くなったお尻の筋肉をストレッチ
STEP 1:椅子に浅く座る。左足を床から持ち上げて、ひざを外側に開き、左くるぶしを右太ももに乗せる
▲背筋を伸ばし、肩をうしろに引いて胸を開きます。
STEP 2:上体を前に倒す
▲背筋を伸ばしたまま、上体を前に倒しましょう。前屈の角度は無理のないところまででOKですが、左側のお尻がストレッチされているかどうかを意識しておこなってください。90秒キープしたら、反対側も同様におこないます。
2. 股関節周辺・ひざ裏を伸ばしてめぐりをよくするストレッチ
STEP 1:椅子に浅く座り、足を左右に大きく開く。右足のほうに体を向けて、左足はひざを伸ばす
▲右ひざは90度に曲げ、左ひざは伸ばします。つま先は、それぞれひざと同じほうに向けましょう。
STEP 2:両手を頭上に持ち上げる
▲肩の力は、ストンと抜いておきます。左足は、小指側面でもしっかりと床を踏みましょう。
STEP 3:上体を反らせて、目線を上げる
▲上体を反らせると、右ひざが伸びてきやすくなるので、90度に曲げた状態を保ちます。ただし、背中や腰に痛みがある場合は、無理におこなわないようにしましょう。90秒キープしたら、反対側も同様におこないます。
3. むくみ・冷えが気になる人は、ふくらはぎのストレッチ
STEP 1:椅子に浅く座る。両方のひざを伸ばして、つま先を上に向ける
▲かかとを前に突き出して、ふくらはぎへの刺激を意識しましょう。
STEP 2:つま先を下ろして、床につける
▲つま先は、少し遠くへ伸ばすとgood! 息を吸いながらつま先を浮かせ、吐きながら下ろすように、呼吸に合わせて10~20回繰り返しましょう。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。
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