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「毎日のストレッチ」で体は変わる?
続けることで体が引き締まったり、筋肉のラインがうっすらと出てきたりするのがトレーニング。変化が目に見えてわかると、モチベーションもグンと上がりますよね。
その一方で、ストレッチはどうでしょう?
「ストレッチをしても、見た目には何ら変わりがない」と感じるのではないでしょうか。また、「ストレッチ中は体が伸びて気持ちいいけれど、柔らかくならない」など効果も実感しにくいかもしれません。続ける意味を見出すのが難しい…それがストレッチ。ですが、ストレッチというのは毎日続けることでジワジワと効果を感じられるようになるもの。ふと思い立ったときにおこなうのでは、結果がついてこないものなのです。
では、どのくらい続けたら効果・変化を感じられるようになるのでしょうか。
毎日のストレッチで「体が変わった」と感じるのは、いつから?
ストレッチを続けることで期待できる主な効果は、次のとおり。
●硬くなった筋肉がほぐれて可動域が広がり、柔軟性が向上する
●筋肉の柔軟性が高まることで血流が促され、こりの予防・改善、疲労回復、体温上昇→免疫力向上などに期待できる
●体の歪みが整い、不良姿勢が改善する
●副交感神経の働きが優位になり、リラクゼーション効果がもたらされる
ザッとあげていきましたが、これらの効果を実感できるようになるまでには早くても2~3ヶ月ほどかかるのが一般的だと言われています。まず、大前提として個人差がある! そして、ストレッチの種類や取り入れ方によっても効果はまちまちです。もともと体が硬い方と、ある程度の柔軟性がある方とでは違いもあるでしょう。
とはいえ先にお伝えしたように、ストレッチによる効果を得るには兎にも角にも継続が大事になってきます。そのためには、無理なくおこなえるストレッチメニューを毎日のルーティンにしてしまうのもひとつの手。
ここからは、朝・夜の時間帯別に取り入れやすいストレッチのやり方をご紹介していきます。
毎日続けられる簡単ストレッチ2選【朝編】
①目覚めスッキリ、上半身のストレッチ
STEP 1:両腕を真上に伸ばす。頭上で手首をクロスする。
▲ひじは軽く曲げていてもOK。ただし、クロスが外れないように手首をしっかり固定します。肩を下げて、リラックスしましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】上体を右に倒す。
▲腕の位置は、耳のラインが目安。体の前・うしろに倒れないようにします。手の指先を遠くに伸ばして、左体側のストレッチをしましょう。呼吸を3~5回ほど繰り返したら【息を吸いながら】上体を起こし、【息を吐きながら】上体を左に倒します。手首を組み替えてクロスを逆にしたら、同様におこないましょう。
②起床後の足のダルさを軽減! 股関節周辺のストレッチ
STEP 1:仰向けになる。
▲脇の下に卵1個分のスペースを作り、腕は体側に下ろします。足は腰幅程度に開きましょう。骨盤を後傾し、恥骨を軽く突き上げて腰を床に近づけると◎。
STEP 2:【息を吸いながら】左の太ももを腹部に引き寄せる。
▲お腹が苦しくない範囲で左の太ももを腹部に引き寄せ、両手でひざを抱えます(ひざは胸に向けてスッと真っすぐ引き寄せるイメージで、内側・外側に倒れないように)。ここで5回ほど呼吸を繰り返しましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】左ひざを外に倒す。
▲左ひざ、もしくは内ももを左手で軽く押さえて呼吸を5回ほど繰り返します。ひざは無理なく倒せるところまででOK。
STEP 4:【息を吸いながら】左ひざを起こしてきたら、体の右側の床に下ろす。上体を左にねじる。
▲左ひざを右側に倒し、右手で押さえます。それから左腕を頭上に伸ばし、【息を吐きながら】上体を左にねじると◎。左腕は肩の延長線上に伸ばし、目線を指先に向けます。左肩を床につけることを優先するため、左ひざが床から浮いてしまってもOK。呼吸を5回ほど繰り返したら、反対側も同様におこないましょう。
毎日続けられる簡単ストレッチ2選【夜編】
①呼吸を深めて、リラクゼーション効果を高めるストレッチ
STEP 1:左腕を真上に伸ばす。右手で左ひじのあたりを持ち、右側に軽く引く。
▲左腕の位置は、耳のラインが目安です。ひじは軽く曲げていてもOK。左腕~脇の下、体側が心地よく伸びるところで姿勢をキープしましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】右手で左ひじをうしろに引く。
▲あごを引き、首のうしろをスッと長く保って呼吸を5回ほど繰り返します。反対側も同様におこないましょう。体側がストレッチされると呼吸が深まり、リラクゼーション効果が高まります。ぐっすり眠りたい夜におすすめのストレッチです。
②疲れが溜まりやすい体の背面のストレッチ
STEP 1:両足を前に伸ばして座る。【息を吐きながら】前屈をして、手でつま先をつかむ。
▲背中を緩やかにカーブさせて丸くします。かかとを突き出し、つま先を自分のほうに向けてふくらはぎやひざ裏、太ももの裏を重点的にストレッチしましょう。足の伸びがツラい場合は、手でつま先をつかまなくてもOK。前屈の角度を緩めましょう。呼吸を5回ほど繰り返します。
STEP 2:【息を吸いながら】つま先を内側に倒す~【息を吐きながら】つま先を外側に倒す
▲呼吸に合わせて、つま先を内・外に倒す動きを10~20回ほど繰り返しましょう。つま先を内側に倒したとき、親指同士が触れない足幅でおこないます。体の背面の筋肉には疲れが蓄積しやすいので、夜寝る前にほぐして疲労回復を促しましょう。
覚えておいて! ストレッチを習慣化するときの注意点
最後に、ストレッチを習慣化するにあたって、覚えておきたい注意点をまとめていきます。
●正しい姿勢でおこなう
→姿勢が正しくないとストレッチの効果が得られないばかりか、特定の部位に負担がかかる恐れもある
●伸ばす時間は最低20秒、慣れてきたら目標は90秒
→筋膜や靭帯が伸びるまでには、ある程度の時間を要するため
●呼吸を止めずに、「痛くなく、気持ちいい程度に伸ばす」
→呼吸を止めると体に力みが生じて、ストレッチの効果を得にくくなるため/痛みを感じると筋肉が硬直してしまうため
●目的に応じて、数ヶ所のストレッチをする
→全身くまなくストレッチするのは大変…。凝っている部分をほぐす、目覚めをスッキリさせる、入眠を促すなど目的に応じて数ヶ所のストレッチをする習慣をつけると続けやすい
ストレッチをすることに慣れてきたら、より自分に合ったメニューを組み合わせていくのもいいですよね。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。