腸は「第二の脳」! 腸内環境と心の健康の関係って?

強い緊張や不安を感じた時、急にお腹が痛くなったことはありませんか?旅行・出張先など慣れない環境に身を置くと、便秘になったり、お腹の調子が悪くなったりした経験がある人もいるかもしれません。
これは、脳にストレスを受けたことで腸が反応し、ぜん動運動が乱れて起こる現象だと言われています。一方で、不規則な生活習慣や運動不足、水分不足、暴飲暴食などが続いて腸に負担がかかると、イライラ、ストレス、不安感が増加することが考えられます。
このように脳と腸はつながっていて、お互いに影響し合っていることを「脳腸相関(のうちょうそうかん)」といいます。
腸の健康は、心の健康!
私たちの“脳”には、約1,000億個もの神経細胞があって、複雑なネットワークを形成しながら働いています。そして、この神経細胞は腸にも1億個ほど集まっているんです。人体の中で、脳の次に多くの神経細胞が集まっているのが腸であることから、腸は「第二の脳」と呼ばれています。
腸と脳は密接に関係し合っているため、腸の健康はメンタルの健康、そしてメンタルの健康は腸の健康ということができるんですね! 腸と脳をどちらも健やかに保つためには、気分転換をしてストレスをためないように心がけること、加えて「腸活」をすることが効果的です。
腸活はどれくらいで効果が出る?
そもそも腸活をすると、どのような変化が起こるのでしょうか。
Q:腸活をすると何が変わる?
・腸内環境の改善
・免疫力UP
・代謝UPでダイエット効果
・血中悪玉コレステロールの減少
・抗酸化作用
・ストレス軽減
・心の健康に役立つ
これらが、腸活で期待できる主な効果です。
Q:腸活は何から始めるのがいい?
腸活の方法には、適度な運動や規則正しい生活習慣、水分の摂取、バランスのいい食生活があげられます。
なかでも食事は1日に数回摂るため、食生活の改善は比較的簡単に始めることができる腸活方法のひとつです。

例えば、コンビニエンスストアやスーパーで手軽に購入できるヨーグルト、チーズ、納豆、みそ汁、キムチなどの発酵食品を日常的に取り入れることから始めてみるのはいかがでしょうか。
Q:腸活はどれくらいで効果が出る?
腸活の効果がいつ出るのかには、個人差があります。また発酵食品を摂っていても、人によっては体質に合わないものもあるので、まずは便の状態や体調の変化をチェックしながら2週間続けてみましょう。改善されれば継続、されなければ別の発酵食品を試してみて。
食事による腸活の効果をしっかり引き出すためには、「発酵食品を継続して取り入れる」ことが重要です。
ここからは、運動編。
腸に刺激を与え、腸内活動をサポートするストレッチと筋トレ、マッサージのやり方をご紹介します。
【椅子に座りながら前屈】朝、排便を促したい時におすすめのストレッチ
STEP 1:椅子に浅く座る。

▲背筋を伸ばし、足はこぶし1個幅程度開きます。足裏全体を床にしっかりつけましょう。
座る姿勢のポイント:手でお尻のお肉をかき分けて、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて骨盤を起こすと◎!
STEP 2:息を吐きながら、上体を前に倒す。

▲ゆっくりと前屈をしたら、お腹を太ももに預けます。手は、届く範囲で床につけましょう。
STEP 3:太ももの裏で腕を交差させる。

▲手を床から離したら、太ももの裏で腕を交差させます。太ももを抱えるようなイメージ!
STEP 4:息を吸いながら、お尻を椅子から浮かせる。

▲体のバランスを取りながら、お尻を椅子からゆっくり浮かせます。腕で足をロックして、お腹と太ももをつけたまま前屈をしましょう。〈回数:5呼吸~〉
【床に座りながら上体をねじる】お腹の筋トレで便を押し出す力をつける
STEP 1:ひざを立てて座る。

▲ひざを立てた体育座りの姿勢からスタート! 肩の下に手をついて、上体をうしろに軽く倒します。
STEP 2:両足を床から浮かせる。

▲バランスを取りながら両足を床から浮かせて、お腹の前で手の指を組みます。背筋を伸ばし、頭からお尻まで斜め一直線の姿勢をキープ!
STEP 3:上体を左右にねじる。


▲足は浮かせたまま、お尻の位置を変えずにお腹を中心に上体だけをねじります。
余裕がある人は、ねじる時にお腹を大きくへこませながら息を吐いてみましょう。腹部のインナーマッスル・腹横筋が働き、お腹を横から引き締める、腰を安定させる効果もプラスされますよ。〈回数:10回×3セット〉
【好きな姿勢でリラックス】腸の動きを活発にするマッサージ
やり方:両手の指先をお腹に当てる。

▲重ねた指の腹を使います。力はあまり入れず、心地良く感じる程度に押圧しましょう。
手の位置は、左右の肋骨の下・腰骨のあたりの計4か所に移動させます。深い呼吸を繰り返し、心身がリラックスすると腸の動きが活発になります。
上体を前に軽く倒してみてもOK。

▲上体の重さを使いながらマッサージをしてもOK。ただし、力を入れすぎたり、強く押しすぎたりしないこと!
以上、腸活にいい運動方法をご紹介しました。腸活は、体調に問題がなければ基本的にはいつから始めてもOK! ぜひ、参考にしてみてくださいね。

ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。