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自分の腸内環境、いい? 悪い? セルフチェックのポイントは「便」
近年の健康意識の高まりから、腸活(※)の認知度がグングン上がっています。腸活とは、腸にいい食事や規則正しい生活、適度な運動など、腸内環境を整えるためにおこなうさまざまな活動のこと。
腸内環境を整えると、お通じをよくする整腸効果や免疫機能の向上、ビタミンの産生、肥満予防、睡眠の質向上といった健康面・美容面でのメリットが期待できます。
また、腸と脳には密接な関係(脳腸相関)があることから、腸の健康は心の健康においても重要だとも言われています。まさに腸は、健康の鍵を握る大事な器官というわけなんですね。
そこで気になるのが、自分の腸内環境がいいのか、それとも悪いのか。セルフチェックのポイントは、ずばり…「便」です!

腸内環境がいい人の特徴は「便」でわかる!? チェックポイントは?
腸内環境は、腸の中にすむ細菌によっていい・悪いが左右されます。
まず代表的なのが、人の体にとって有益な働きをする善玉菌です。そして有害な働きをする悪玉菌、有益でも有害でもない日和見菌(ひよりみきん)があり、これらの割合が「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」であることが理想的だと言われています。
腸内環境がよくなったサインは、便の状態をチェックすることがひとつの目安になります。例えば、善玉菌が優勢で腸内環境がいい時は、黄土色でニオイの少ないバナナ状の便が出るのが特徴です。
では、悪玉菌が増えるとどうなるのか──。
悪玉菌が優勢な時の便は、黒っぽくてニオイが強いのが特徴です。また腸のぜん動運動の力が弱まって、便秘・下痢など排便が乱れがちなり、有害物質が腸の中に長くとどまってますます悪玉菌の数が増える悪循環が起こることが考えられます。
腸をきれいにするにはどうしたらいい?
腸をきれいにする方法は、発酵食品から善玉菌を摂る、善玉菌のエサになる食物繊維・オリゴ糖を摂る、ストレス解消方法を見つける、規則正しい生活を心がけるなどいろいろありますが、ここでは適度な運動に注目!
腸にほどよい刺激を与えて、内臓機能を活性化するストレッチとマッサージのやり方をご紹介していきます。
【朝ベッドの中でできる】腸を目覚めさせる仰向けのストレッチ
朝は、腸の働きが活発になる排便に優位な時間帯です。緩やかなストレッチで腸を目覚めさせましょう。
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。

▲脚は腰幅に開き、ひざの下にかかとがくるように姿勢を整えます。腕は体側に下ろしましょう。
腰で床を押すイメージを持つと、反りにくくなりますよ!
STEP 2:【息を吸いながら】両腕を頭の先に伸ばす。

▲腕は肩から真っすぐ、ひじを伸ばして手のひらは上に向けます。肩を床につけた姿勢をキープしましょう。
ここで、お腹が縦に心地よく引き伸ばされるのを感じます。
STEP 3:【息を吐きながら】脚を左右に倒す。


▲息を吐きながら、脚を右側に倒します。ひざは、無理のない範囲で床に近づけましょう。
次の吸う息で脚を中央に戻したら、吐く息で左側に倒します。
手の指先を遠くに伸ばし、お腹まわりのほどよいねじれを感じながら呼吸をゆっくり繰り返しましょう。 〈回数:左右各5呼吸~〉
【デスクワーク中にできる】椅子に座ったままお腹を刺激するストレッチ
デスクワークが多い人は、長時間同じ姿勢が続いて腸の働きが鈍くなりがちです。椅子に座ったままできるストレッチで、お腹を刺激していきましょう。
STEP 1:椅子に浅く座り、脚を広げる。

▲手でお尻のお肉をかき分けます。左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて、腰を伸ばして座りましょう。
脚は、腰幅の2倍を目安に開きます。
STEP 2:上体をまわす。

▲上体で大きな円を描きます。お腹がいろいろな方向に伸び縮みするのを感じながら、1呼吸で1周するくらいのゆっくりしたペースで動きましょう。〈回数:時計まわり・反時計まわり各10回~〉
STEP 3:【息を吐きながら】背中を丸める。

▲背筋を伸ばして座り、脚は腰幅程度に開き直します。手で座面の両サイドを持ちましょう。
息を吐きながら骨盤を後傾させ、背中を丸めます。
STEP 4:【息を吸いながら】胸を突き出す。

▲次の吸う息に合わせて、骨盤を前傾。胸を突き出し、目線を上げます。
呼吸に合わせてSTEP 3~STEP 4をおこない、お腹の伸び縮みを繰り返しましょう。〈回数:5回~〉
夜のゆったりストレッチ【座りながら】お腹ねじり
1日の終わりには、座りながらじっくりお腹をねじるストレッチもおすすめ。細く長く息を吐いてリラックス、就寝前に副交感神経を優位にしていきます。
STEP 1:正座からスタート。

▲足は重ねず、かかとを自然に開いて座ります。
STEP 2:左脚をうしろに伸ばす。

▲左脚をうしろにまっすぐ伸ばします。手の指先を床についたら体をしっかり支え、背筋を伸ばしましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を右側にねじる。

▲お尻をやや左側にずらしたら、上体を右側にねじります。お腹~胸~顔の順に、丁寧に動かしましょう。
反対側もおこないます。<回数:左右各5呼吸~>
体側の伸びが気持ちいい【座りながら開脚&側屈】ヨガ「扇のポーズ」
座ったまま開脚~側屈をするヨガの「扇のポーズ」は、体側のストレッチで腸のまわりの筋肉をほぐす効果を期待できます。
STEP 1:あぐらで座り、右脚を斜め前に伸ばす。

▲手でお尻のお肉をかき分けます。左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて、腰を伸ばして座りましょう。
右脚は斜め前に伸ばし、左かかとは股関節に引き寄せます。
STEP 2:右手で右足先を持つ。

▲右ひざを軽く曲げたら、右手で足先を持ちましょう。手と足先で引っ張り合い、目線は左肩越しにうしろに向けます。
STEP 3:【息を吸いながら】左手を横からまわし上げる。

▲左手指先が遠くを通るように、腕を大きくまわし上げます。左体側を中心に、お腹が気持ちよく伸びるところで姿勢をキープ!
反対側もおこないます。〈回数:左右各5呼吸~〉
余裕がある場合:右ひざを伸ばしてもOK。

▲脚の伸びがツラくない場合、右ひざを伸ばしてかかとを突き出してもOK!
【仰向け】で簡単! 疲れて硬くなった腸にはお腹のマッサージ
暴飲暴食や不規則な生活、ストレス状態が続くと、腸も疲れて硬くなってしまいます。そんな時は、仰向けになってお腹を外側から優しくマッサージしてあげましょう。
やり方:仰向けになり、両手をお腹の上のほうに添えたら下に向けてさする。


▲横になり、リラックスしながらおこないます。手のひらが冷えていたら、こすり合わせて温めてあげると〇!
お腹の上~下に向けて、ごく軽い圧をかけながら優しくさすります。手を上下に小刻みに揺らしながら動かしてもOK。〈回数:10回~〉
ストレッチ&マッサージで今日から腸活!
以上、腸をきれいにするストレッチとマッサージをご紹介しました。食後すぐにお腹の運動をおこなうと消化不良の原因になるので、2時間以上は空けてからおこなってくださいね。その日の体調やシーンに合わせて、参考にしてみてください。

ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。