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不満はないのになぜ?「漠然とした不安」の原因とは?

見えない不安が起きる原因には、さまざまな事柄が考えられます。
代表的なものをチェックしていきましょう。
♦︎情報過多で自分との比較によるストレス
SNSやニュースなどから得る大量の情報は、自分の将来や生活への不安をかき立てるきっかけにもなりえます。
自分よりもキラキラとした生活を送っている他人と自分を無意識に比べてしまうのも、正体の見えない不安を生む要因に。
また同世代の有名人が活躍しているニュースを見て、無意識に自分と比較をしてしまいストレスを感じるケースもあります。
♦︎慢性的な疲れや睡眠不足
身体の疲労が、心にまで影響を及ぼす例は少なくありません。
不安の根源が心ではなく、単なる「休息不足」だったというケースは意外と多いもの。
大きなストレスを感じていなかったとしても慢性的に疲れが溜まっている状態が続くと、モヤモヤとした感情も生まれやすくなるでしょう。
また、自分のことをショートスリーパーだと思っていても、実際には体はもっと睡眠を欲しているというケースもありえます。
♦︎自分ではコントロールできない未来
将来のキャリアや老後、災害や経済不安などは、ある程度までは自分でコントロールが効いても、その先はどんなに考えても自分だけではどうにもできないテーマです。
しかし真面目に物事を捉え計画的に人生を設計したいタイプほど、自分ではコントロールできない未来への無力感が「不安」として表れることもあります。
♦︎心のクセや思考パターン
自覚の有無は関係なく完璧主義だったり「〜すべき」という思い込みが強かったりすると、不確かな未来や曖昧な状況に対して強い不安や不満を感じやすくなっていきます。
自分以外の誰かに腹を立てやすくなるだけでなく、世の中に対する不満が大きくなる傾向も…。
それらの怒りや不満について自分だけでは解決できないと感じると、漠然とした不安として心に残りがちです。
不安に飲み込まれないために! 自分でできる対処法

漠然とした不安にモヤモヤするならば、自分でできる対処法を試してみましょう。
♦︎「不安」を“見える化”する
感じているノートに書き出してみると、漠然としていた不安が具体的になってきます。
「自分は、将来の収入に不安を感じている」「健康面に不安がある」といったモヤモヤの“輪郭”が見えると、対処法も見えてくるもの。
見えてきた不安に対しては、今できる解決策や改善策を模索していきましょう。
♦︎受け取る情報の量をコントロールする
不安を感じやすいと思ったら、SNSやニュースの閲覧を控えていきます。
情報から完全に距離を置いてしまうと世の中の動きに疎くなってしまうので「1日30分だけ」「朝晩それぞれ10分だけ」などと時間を決めて触れましょう。
大量の情報にさらされている頃と比べると、それだけでも心が落ち着き、余計な情報に心がかき乱されるリスクを減らせるはずです。
♦︎小さな「安心」を積み重ねる
不安を抱いているときには、意識的に「安心」を積み上げていきましょう。
たとえば、朝決まった時間に起きる・好きな飲み物を丁寧にいれる・小さな達成感を得る… といった「安心」の積み重ねが、心の安定につながります。
漠然とした不安を感じやすいタイプ

「漠然とした不安を感じやすい人」には、いくつかの共通した性格傾向や環境要因があります。
代表的なタイプをまとめました。
♦︎完璧主義
「失敗してはいけない」「ミスは許されない」と、自分に厳しい完璧主義タイプは、コントロールできない未来や曖昧な状況に強い不安を抱きがち。
物事の“隙”や“未完成”に耐えられないために、少しの予定変更や想定外の出来事でも強いストレスを感じます。
思い通りに進まないことで、不安が積み重なってモヤモヤとした気分を抱え続ける例も少なくありません。
♦︎他人の目を気にしすぎる
日頃から「周りから、どう思われているか?」「嫌われていないか?」などと他者からの評価を気にしているタイプは、対人関係を通じて正体のない不安に襲われやすくなります。
誰かからの小さな言葉や態度の変化にも敏感で考えすぎてしまう傾向があることから、それらが積み重なるにつれて、やがて日常的にモヤモヤとした不安を抱え続けることも…。
♦︎感受性が強い
刺激に敏感で、ニュースや人間関係、環境の変化にも強く影響を受けるタイプは、些細な刺激が重なると漠然とした不安につながってしまうケースも見受けられます。
本人が「自分は大丈夫」と思っていても無意識のうちに心が疲れ、漠然とした不安に包まれてしまって抜け出せなくなる場合もあります。
「漠然とした不安」を深刻に捉えすぎないで
理由のわからない不安は、自分でも気づけていないストレスや疲労、過去の経験、未来への不安からくる心のサインであることも。しかし深刻に捉えすぎると、モヤモヤの存在そのものがさらなる不安の原因にもなりかねないことから、ゆるっと受け止める心も大切です。
向き合い方を知れば必要以上に不安に振り回されず、少しずつ安心を取り戻せます。
ただしあなたの心が「今、少し休んで!」とSOSを出している様子があれば、無視をせずに専門家に助言を求めたり病院で診察を受けたりといった対応も検討してみてくださいね。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。