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体の中でも1番大きな筋肉は「前もも」、パンと張り出す原因は?
全身の筋肉の大きさランキングで、不動の1位に君臨するのが“大腿四頭筋(だいたいしとうきん)”です。
大腿四頭筋は、太ももの前側・前もも部分に位置する筋肉。大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋という4つの筋肉が合わさってできています。
この大きな筋肉の主な働きは、ひざを伸ばすこと。ほかにも、ジャンプをする、ランニング時の方向転換(スピードを減速させるとき)、段差をのぼる、自転車をこぐときなどにも活躍してくれています。
このように、足を動かす原動力となる前ももは、筋肉の大きさ・強さにおいてもピカイチで、もともとある程度の太さがあるのが当たり前。
ですが、前ももの筋肉を過度に使うことによって、パンと張り出し、より存在感が増してしまうこともあるのです。特に女性の場合、腰が反った“反り腰”の姿勢をしてしまいがちですが、これもまた前ももの張りの原因になります。
前ももが張っていて、脚がすっきり見えない。そんなときは、前もものストレッチを取り入れて筋肉をほぐしてあげることで、筋肉が硬くなり、肥大して見えるようになることへの対策になります。
気持ちよく伸ばしたいときは…? 「仰向け」のストレッチ
ここからは、姿勢別に前もものストレッチのやり方をご紹介します。
STEP 1:両脚を前に伸ばして座る。左ひざを曲げる
左右の坐骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて、両脚を前に伸ばした“長座(ちょうざ)”で座ります。左ひざを曲げたら、かかとをお尻の横につけましょう。
STEP 2:両手を体のうしろについて、上体を後方に傾ける
両ひじを曲げた状態で、お尻~頭までが斜め一直線の姿勢を取ります。肩をうしろにまわし開くようにして、胸を広げましょう。目線は斜め上に向けます。反対側も同様におこないましょう。【回数:呼吸を5~10回】
STEP 2で余裕がある場合、両ひじを肩の下についたver.も試してみましょう。
左の前ももに心地よい伸びを感じられる姿勢で、ゆったりとした呼吸を繰り返します。
「寝ながら」脚を倒す、ベッドの上でもできるストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる
脚幅を広くし、それぞれのかかとは無理のない範囲でお尻に近づけます。脚がアルファベットの“M”の字になるように開脚したら、手は足首に添えましょう。恥骨を軽く突き上げて骨盤を後傾させ、腰が反りすぎないように意識します。
STEP 2:【息を吐きながら】左脚を内側に倒す
左ひざを床につけるようにして、内側に倒します。左太ももの前面が気持ちよく伸びているのを感じましょう。
STEP 3:【息を吸いながら】STEP1に戻る~【息を吐きながら】右脚を内側に倒す
▲今度は、反対側の脚を内側に倒します。腰や背中が痛い場合は無理をせず、呼吸に合わせてゆっくりと動いていきましょう。【回数:呼吸に合わせて10回】
強度高めでしっかり伸ばす! 「座ったまま」おこなうストレッチ
STEP 1:あぐらで座り、右脚を後方にまわす
左のかかとは恥骨に引き寄せ、右脚はうしろにまわしてかかとをお尻に近づけます。
STEP 2:右手で右足の甲を持つ
▲右足の先を床から浮かせます。右手で、足の小指側から甲を持ちましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を左にねじる
左手を体のうしろにつき、上体を左にねじります。右手で右足の甲を体に引き寄せ、太ももの前面を心地よく伸ばしましょう。反対側も同様におこないます。【回数:呼吸を5~10回】
仕事の休憩時間にできる、「立ったまま」おこなうストレッチ
STEP 1:脚を揃えて立つ
足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)で床を押しながら、重心はかかとに寄せて立ちます。尾骨を床に下げるようにして、腰のカーブを緩めましょう。
STEP 2:左ひざを曲げ、左手で足の甲を持つ
▲左足の甲を引き上げて、左太もも前面に伸びを感じましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】左脚を後方に引っ張る
STEP 2で左足の甲を引き上げた姿勢から、脚をやや後方に引っ張ってストレッチを深めます。腰が反りすぎないように姿勢に気をつけながらおこないましょう。反対側も同様におこないます。【回数:呼吸を5~10回】
グラグラしてストレッチが難しい・できない場合は、右手を壁につく、もしくはひざを床についた姿勢でおこなうver.も試してみてください。
立位でも、ひざをついた姿勢でも、かかとをグッとお尻に近づけるようにするとストレッチ効果を高めることができます。
前ももの筋肉を酷使する習慣・行動まとめ
下記のような前ももの筋肉を酷使する習慣や行動に心当たりのある方は、ストレッチをすることで硬い・緊張した筋肉をほぐしてあげるといいでしょう。
かかとの高い靴を履く
かかとの高い靴を履いているときというのは、かかとが上がって体重がつま先側にかかることになります。重心が前に偏って体が前傾したり、反り腰の原因になったりすることから、前ももの筋肉が発達しやすくなるでしょう。また、反り腰の姿勢を正すことは、腰痛改善にもメリットがあります。
長い距離を歩く、立ち仕事をしている
前ももの大腿四頭筋が過度に使われ、筋肉が緊張を起こしやすくなります。
ジャンプをともなうスポーツをしている
→前ももの筋肉は、移動時の減速やブレーキの役割をしています。ジャンプをともなうスポーツや、スキー、登山のような運動は前ももの筋肉を酷使します。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。