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「質の高い睡眠」って、どんな睡眠のこと?
「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚めてしまって、熟睡できない」「朝すっきり起きられない」など、睡眠の悩みを抱える人は年々増加傾向にあります。さらに女性の場合、ホルモンバランスや妊娠・出産、更年期の影響から、睡眠の質が不安定になりやすい傾向も…。
起床後に「良く寝た!」と感じるいわゆる質の高い睡眠をとるにはどうしたらいいのでしょうか?
質の高い睡眠=「2種類の睡眠」がバランス良くとれた眠り
質の高い睡眠とは、ノンレム睡眠とレム睡眠のバランスがとれた睡眠のことをいいます。
ノンレム睡眠:睡眠の前半にあらわれる。ぐっすり眠る深睡眠で脳・体を休め、成長ホルモンを分泌する。
レム睡眠:睡眠の後半にあらわれる。脳をリフレッシュさせ、すっきりした目覚めにつながる睡眠状態。
ぐっすりと深睡眠を取ることで、そのあとにレム睡眠があらわれてメリハリのある良い睡眠につながるのです。しかし、このスッと深い眠りに入るというのがそう簡単ではなかったりもします。
そこで、おすすめしたい入眠を促す方法の1つが、心身のリラックスに働く寝る前のストレッチやマッサージです。ここからは、床の上でもベッドの上でも、どちらでもおこなえる簡単なやり方をご紹介していきます。
ぐっすり眠りたい夜の「快眠ストレッチ&マッサージ」
寝る前のストレッチでは、股関節周辺や下半身、背中などの大きな筋肉をほぐしてあげると、体の緊張が緩みやすくなります。強度は気持ち良く伸びる程度に加減し、ゆったりとした呼吸と合わせることで入眠効果を高めていきましょう。
座ったままおこなうストレッチ
STEP 1:足の裏同士を合わせた“合せき(がっせき)”の姿勢で座る
手で足先をつかみ、両かかとを股関節のほうへ引き寄せます。両ひざを床に近づけるように下ろし、背筋を伸ばして座りましょう。
STEP 2:両手を体のうしろにつき、上体を軽く倒す
手の指先を体のほうに向け、手のひらをしっかりと床につけます。背中や腰が丸まらないように、背筋を伸ばした姿勢で上体をうしろに倒しましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】ひじを伸ばして、頭をうしろに倒す
ひじを伸ばしきったら、手のつけ根部分で強く床を押して胸を突き出します。肩を外側にまわし開き、左右の肩甲骨を中央にグッと寄せられるとgood! 無理のない範囲で、頭をうしろに倒しましょう。【回数:呼吸を5~10回】
座ったままおこなうヨガ「真珠貝のポーズ」
STEP 1:合せきの姿勢で座る
先に紹介したストレッチと同じ、合せきの姿勢からスタートします。骨盤を立て、下腹部から引き上げるように座りましょう。
STEP 2:両手をふくらはぎの下から通し、手のひらで足の甲を包み込む
かかとを恥骨から離して、足の位置をやや前方に移動させます。上体を前傾させながら、両手をふくらはぎの下から通したら、手のひらで足の甲を包み込みましょう。姿勢がツラい場合は、かかとと恥骨の距離を広めに取ると〇。
STEP 3:息を吐きながら前屈をする
背筋は自然に伸ばしたまま、頭を下げます。【回数:呼吸を5~10回】
仰向けで寝ながらおこなうストレッチ1
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる
脚は腰幅程度に開いておきます。腰が床から浮きやすい場合は、恥骨を軽く突き上げて骨盤を後傾させましょう。腰の下に丸めたタオルやブランケットを置いてもOK。
STEP 2:両ひざを外に倒して、足の裏同士をつける
ひざを床に近づけるように外に倒したら、足の裏同士をつけて脚をひし形にします。
STEP 3:左腕を持ち上げたら右手で指先をつかみ、ひじの方向へ軽く引っ張る
左腕は肩からまっすぐ、天井方向に持ち上げます。手のひらを上に向けたら右手で指先をつかみ、ひじのほうへ軽く引っ張りましょう。イタ気持ちいいくらいの感覚でストレッチをします。反対側も同様におこないましょう。【回数:呼吸を5~10回】
仰向けで寝ながらおこなうストレッチ2
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる
脚は腰幅程度に開き、ストレッチ1と同じ姿勢からスタート。
STEP 2:右脚を床から浮かせ、両手を楽な位置に添える。左脚はまっすぐに伸ばす
右ひざは曲げたままでOK。両手は、ふくらはぎやひざのあたりに軽く添えておきます。
STEP 3:右足の先で円を描く
右足の先で円を描き、足首やふくらはぎのストレッチをします。反対側も同様におこないましょう。【回数:内まわり・外まわり各10~20回】姿勢に余裕がある場合、右ひざを伸ばしておこなってもいいでしょう。
楽な呼吸を繰り返しながら、硬くなった足首まわりの可動域を少しずつ広げていきます。
最高の癒し!「頭部のマッサージ」やり方
「頭皮の癒しは、最高の癒し」といわれるように、頭部の筋肉の凝り固まりをほぐすと深いリラックス感を得ることができます。特に、意識したいのが側頭部の筋肉の凝りで、ここには日中酷使しがちな目の疲れがあらわれるといわれています。目の疲れは、睡眠の質にも影響してくるので、しっかりケアしてあげましょう。
STEP 1:手のつけ根部分を額の生え際・中央に押し当てる~頭頂部に向かって移動させる
手のつけ根部分を使い、額・生え際中央~頭頂部の“百会(ひゃくえ)”を目指して押圧していきます。手をグーッと押し当てたら場所をずらして、少しずつ上に移動させていくイメージです。【回数:3~5回】
STEP 2:両手の指先を側頭部に当て、円を描くようにマッサージをする
指先に軽く力を入れて、外まわりに円を描きながらマッサージをします。頭頂部寄り~耳のまわりなど、手の位置を移動させて凝っている部分を見つけたら、入念にほぐしましょう。【回数:20~30回】
「睡眠の質を下げる原因」を避けることが、快眠のポイント
質の高い睡眠をとるためには、上記のストレッチやマッサージをおこなうほか、睡眠の質を下げる行動を避けることもポイントです。
睡眠の質を下げる行動6例
・眠気を遠ざける、寝る前のスマホ
・消化器官の働きを活発にし、スムーズな入眠を妨げる寝る前の食事
・体内時計の乱れをもたらす不規則な生活
・中途覚醒の原因にもなる、利尿作用のあるアルコール類の摂取
・体を興奮させてしまう、寝る前の激しい運動
・寝苦しい寝室環境や、寝返りを打ちにくい寝具の使用
これらの行動を避けることが、睡眠の質を上げる方法につながってきます。
最後に
睡眠の質が低下すると、新陳代謝が下がり、痩せにくくなる、肌荒れしやすくなるほか、作業効率が下がるなど、日々の生活にさまざまな悪影響を及ぼす原因にもなるので、よく眠れるようになるための参考にしてみてはいかがでしょうか。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。
https://www.instagram.com/saori_takagi/