顔のくすみ・むくみが気になる朝は「デコルテ」ケア
「顔色がくすんでいる」「肌の調子がよくない」「顔まわりが全体的にむくんでいて、スッキリしない」…。朝、顔まわりのコンディションが優れないとテンションがガクンと下がってしまいますよね。
こういうときは、メイクやヘアスタイルを工夫してもイマイチ…。そこでおすすめしたいのが、デコルテのリンパマッサージです。
デコルテは、首から鎖骨下、胸もとにかけての広い部分を指します。
ここには首の頸部(けいぶ)リンパ節や鎖骨下リンパ節 ※、デコルテには含まれませんが脇の下の腋窩(えきか)リンパ節をはじめとする主要なリンパ節が集まっている場所。リンパの流れが滞ると、くすみや肌荒れ、むくみなどの顔のコンディションに直結します。
※ 鎖骨下リンパ節は、リンパ液のゴール地点。全身のリンパケアの効果を高めるためにも、非常に重要な場所。
デコルテ・リンパの滞りセルフチェック
デコルテのリンパ液の流れが滞っているか・いないかのセルフチェックのポイントについて。
〈POINT〉
・鎖骨が見えない
・鎖骨の上のくぼみが左右で異なる
・鎖骨の上のくぼみが以前より浅くなった気がする
・首が太く、短くなったような気がする
・胸や脇の下を押すと痛い・または硬く感じる
・顔のくすみやむくみ、肌荒れが気になる
当てはまる項目がある、または多いほどリンパの流れが滞っていると考えることができるでしょう。
※ 症状によっては、自己判断せずに専門の医療機関を受診した方がいいケースもあります。
◆デコルテのリンパの流れが滞る原因
では、デコルテのリンパの流れが滞る原因は? その1つには、私たちが日ごろ・長時間にわたってやりがちな頭が前にでた前かがみの姿勢が関係しています。このような首や肩まわり、胸もとの筋肉が縮こまった姿勢が続くと、リンパの流れに悪影響を及ぼすためです。
◆デコルテのリンパ液は「流す方向」が大事
デコルテ周辺には重要なリンパ節がいくつもあるため、それぞれにリンパ液を流す方向(流し方)を知っておくとより効果的なケアができるでしょう。
鎖骨をケアする場合:外から内側へ
→頭や顔、首のリンパ液は、鎖骨下リンパ節に向かって流れる
胸もとをケアする場合:内から外側(脇の下)へ
→腕や胸の表層を流れるリンパ液、ヘソより上のリンパ液は、腋窩リンパ節に向かって流れる
また、リンパマッサージをおこなう際はジェルやオイルを使うことで肌への摩擦の刺激を軽減させられるほか、こりを見つけやすくなるので準備しておくといいでしょう。それと、体調に不安があるときは控えること!
それでは早速、自宅で簡単にできるデコルテのリンパマッサージをおこなっていきましょう。
デコルテのリンパマッサージ
まずは頭を右まわり・左まわりそれぞれゆっくり大きくまわして、首の筋肉の緊張をほぐし、リラックスしましょう。
◆鎖骨のリンパマッサージ
STEP 1:左の鎖骨の上に、右手の指を添える
リンパマッサージをする前に、右手の4指(人差し指・中指・薬指・小指)全体を使って、鎖骨や鎖骨の上下を軽く揺するようにしてほぐしておきます。回数に決まりはないので、心地よさを感じられる程度にほぐしましょう。
STEP 2:左の鎖骨下に、右手の3指を添える
肩の近くにある左の鎖骨の端(外側)&鎖骨から指1本くらい下の位置に、右手の人差し指と中指、薬指の3指を添えます。
STEP 3:鎖骨の内側に向けて、骨に沿ってほぐしていく
鎖骨の下は、こりが溜まりやすい場所です。こりを感じるところを見つけたら、圧を少し強くして丁寧にほぐしましょう。方向は外~内側。指が鎖骨の内側まできたら、ふたたび外側に戻して3~5回繰り返しましょう。
STEP 4:左の鎖骨を、右手の2指で挟む
左の鎖骨の端(外側)に、右手の人差し指と中指をセット。2指で鎖骨を挟みます。
STEP 5:鎖骨の内側に向けて、指を滑らせる
STEP 4~STEP 5が鎖骨のリンパマッサージのメインです。鎖骨に沿って外~内側に指を滑らせたら、ふたたび外側に戻して3~5回繰り返しましょう。
指を鎖骨の上下の溝に差し入れて滑らせる&指は途中で止めないことがポイントです。STEP 1~STEP 5の反対側も同様におこないます。
◆胸もとのリンパマッサージ
STEP 1:左鎖骨下と脇の下のあいだに、右手の指先を添えてほぐす
鎖骨下と脇の下のあいだもまた、こりが溜まりやすい部分。リンパマッサージを始める前に、優しくほぐしておきましょう。
STEP 2:左脇の下に、右手の親指を添えてほぐす
左脇の下のくぼみの周辺にある硬いところに右手の親指を添えて、もみほぐします。脇の下にある腋窩リンパ節は、手や腕、胸のまわりのリンパ液が流れ込む大事な場所なので、優しくほぐして流れをよくしておきましょう。
STEP 3:左の鎖骨下~バストのあいだに、右手のひらを添える
右手のひら全体をピタッと添えます。
STEP 4:右手を左脇の下に向けて滑らせる
胸もとのリンパマッサージは、バストの上~脇の下に向けて手のひら全体を使って滑らせていきます。途中で手を止めず、脇の下の腋窩リンパ節までしっかり流し込みましょう。5~10回ほどおこないます。
STEP 1~STEP4の反対側も同様におこないましょう。
リンパマッサージの注意点
デコルテのリンパマッサージをするときの注意点をおさらいしていきましょう。
〈注意点〉
・リンパケアのような体に触れるケアは、体調に影響する可能性アリ。体調に不安がないか確認してからおこなうこと。
・摩擦による肌への刺激を軽減するために、ジェルもしくはオイルを使うこと。
※ 可能であれば、肌につけるとすぐに液体化するものではなく、ある程度の弾力性があるジェルを使うと◎。
・首や鎖骨まわり、胸もとはデリケートな場所。ケアをするときは、力を入れずに優しいタッチでおこなうこと。
・リンパ液を流す方向には気をつけること。
・回数は目安。肌の状態や体調に合わせて調節すること。
最後に
マッサージは、朝のメイク前におこなってもいいですし、リラックスしたい就寝前におこなってもOK。リンパの滞り(詰まり)がスッキリすれば、顔痩せにもメリットあり。5分強でできるリンパマッサージなので、ぜひ試してみてくださいね。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。