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20~30代でも油断大敵、腰痛との関係大「腹斜筋」に注目!
腹斜筋(ふくしゃきん)という筋肉の名前を聞いたことはありますか? これには、「くびれを作る筋肉!」という回答が多いかもしれませんね。腹斜筋は、キュッと引き締まったウエストを作るのに欠かせない筋肉です。ですが、腹斜筋の働きはそれだけではありません。
外腹斜筋と内腹斜筋からなる「腹斜筋」
腹斜筋=1つの筋肉のことを指しているのではありません。外腹斜筋の内側に内腹斜筋が重なり合い、くっ付いているというのが正しいところ。
では、もっと詳しく見ていきましょう。
外腹斜筋・内腹斜筋の位置
外腹斜筋は肋骨から骨盤まで、その内側にある内腹斜筋は骨盤から肋骨まで筋繊維が交差するように斜めについている。
外腹斜筋・内腹斜筋の働き
体を斜めにねじる腹筋運動をするときに活躍する/骨盤を動かす。
例)体を左にねじるときは、正面から見て右の外腹斜筋が肋骨を前に出し、左の内腹斜筋が骨盤を引き上げる動きをする。
冒頭でもお伝えしたとおり、腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋)は引き締まったウエストを作る(※)ことだけでなく、骨盤を動かすという重要な役割を担った筋肉です。腹斜筋をあまり動かさず、筋肉が硬い状態だと腰の動きが悪くなり、腰痛が生じることも…。
「まだ腰痛に悩むお年頃じゃないから」という場合でも、デスクワークが中心だったり、長時間同じ姿勢で過ごすことが多かったりする女性は特に注意が必要です!
※ 効果的なくびれ作りには、腹斜筋のトレーニング+脂肪を落とすことが重要。
寝ながらおこなう腹斜筋のストレッチ
ストレッチ1:仰向けでおこなうストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。両腕は頭の先に伸ばす
足幅はこぶし1個分が目安です。恥骨を突き上げて、お尻の上のほう~腰を無理のない範囲で床に下ろしましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】両脚を右側に倒す
顔は正面に向けたまま、両脚を右側に倒しましょう。両手の指先を遠くにグーンと伸ばすようにすると、ストレッチ感が増します。左脇腹の心地よい伸びを感じながら、呼吸を5~10回繰り返しましょう。
STEP 3:反対側も同様におこなう
腰や背中に痛みがある場合は脚の角度を調節する、もしくは無理におこなわないようにしましょう。
ストレッチ2:うつ伏せでおこなうストレッチ
STEP 1:うつ伏せになり、肩の下に手をつく
脚は腰幅程度に開きます。脇を締めて、上体を軽く起こしましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】ひじを伸ばし、上体をさらに起こす
手で床を押しながら上体を起こしてきます。目線は正面、もしくは斜め上に向けましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を右側にねじる
左の肋骨を前に押し出すイメージで、上体を右側にねじります。左脇腹のストレッチ感が得られるところで、呼吸を5~10回繰り返しましょう。
STEP 4:反対側も同様におこなう
姿勢がツラい場合は、手ではなくひじを床につけた姿勢でおこなってもOK。このストレッチも、腰・背中に痛みがある場合は無理におこなわないこと。
立ったままおこなう腹斜筋のストレッチ2つ
ストレッチ1:上に伸びながら側屈するストレッチ
STEP 1:脚を開いて立つ。両腕を頭上に伸ばし、手の指を組む
脚は腰幅よりやや広くします。腰が反りやすい姿勢なので、恥骨をクイッと突き上げて骨盤を立てると◎! 手のひらは上に向けます。
STEP 2:【息を吐きながら】上体を右側に倒す
上体は、できるだけ真横に倒すとgood! 前やうしろに倒れないように姿勢を保ちましょう。呼吸は5~10回、吐く息で肩の力みを手放してストレッチします。
STEP 3:反対側も同様におこなう
ストレッチしている側の脚(STEP 3では右脚)の小指側面を床にしっかりつけましょう。小指側面が床から浮くと、ストレッチ感が軽減されてしまいます。
ストレッチ2:ねじり+前屈のストレッチ
STEP 1:脚を開いて立つ。両腕を頭上に伸ばす
足幅を広くして、足裏3点(親指と人差し指の下・薬指と小指の下・かかと)で床をとらえて土台を安定させます。
STEP 2:上体を右側にねじる
脚の位置・向きはそのまま、上体を右側にねじりましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を前に倒す
手の指先~お尻までを一直線にして、上体は床と水平を目安に前に倒します。姿勢がツラい場合は、上体を軽く起こして調節してみてください。呼吸を5~10回繰り返したら、反対側も同様におこないます。
腹斜筋が硬くなりやすい「生活習慣」注意点
腹斜筋は、骨盤を動かす筋肉。あまり使われずにいると、筋肉が硬くなる~腰の動きの悪さに直結して腰痛の原因に。ここでは、腹斜筋を硬くしてしまう生活習慣をあげていきます。
〈腹斜筋を硬くしてしまう生活習慣〉
・長時間、同じ姿勢のまま過ごすことが多い(デスクワークなど)
・前かがみの姿勢で作業することが多い
・腹斜筋を集中的に使っている(ハードなトレーニング、上体をねじることが多いなど)
・脚を組んで座るクセがある(骨盤の傾きが生じる)
最後に
硬くなった腹斜筋には、短縮した筋膜をゆったり・じわじわと伸ばしてリリースするストレッチによるほぐしが◎。また、腹斜筋を意識した生活をすると、お腹から脚を伸ばすような感覚になり、脚を長く見せるというメリットもあります。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。