なかなか抜けない疲労感…「疲労回復」にマッサージがいいワケ
1日の終わりに感じる体の疲れやだるさ。ベッドに倒れ込んで、「もう、何もしないでこのまま寝てしまいたい」という気持ちにもなりがちです。… が、一夜明けてがっくり。「そこそこ休めたはずなのに、疲れが取れていない… なぜ?」、こんな経験がある方におすすめしたいのがマッサージです。
マッサージで疲労回復する理由
マッサージが疲労回復に働く主な理由は、次の2つ。
・筋肉の緊張がほぐれて血行が良くなり、さまざまな組織に栄養、酸素が行き届きやすくなるため
・リンパ液の流れが良くなり、老廃物や水分、毒素、異物の排出が促されるため
長時間座りっぱし、立ちっぱなしの姿勢で過ごすことや、運動不足で筋肉を使わないこと、反対にハードな運動をすることなどで体には疲労が蓄積しやすくなります。それに加えて、精神的な緊張やストレスが肉体的な疲労となってあらわれることもあるでしょう。
また、体の背面には特に疲労が蓄積しやすいとも言われているので、マッサージをするときは入念にほぐしてあげることをおすすめします。
体の背面には疲労が蓄積しやすい
体の背面の中でも、足の裏やお尻、背中は日常生活を送るうえでのさまざまな姿勢・動作によって、大きな負担がかかりやすいです。
〈疲労が蓄積しやすい場所〉
・足の裏:歩行時に使われたり、体重を支えたりする
・お尻:座った姿勢で過ごすあいだ、常に体重がかかり続ける(筋肉が使われない時間も長くなりがちで、筋肉が硬くなり血行が悪くなる)
・背中:人体でもっとも面積の広い広背筋をはじめとする大きな筋肉の数々が、姿勢の維持に働く。また、精神的な緊張・ストレスの影響を受けやすく、筋肉が凝り固まりやすいパーツ
このような理由から、体の背面には疲労が蓄積しやすい… もとい、常に疲れた状態の方が多いと言えるかもしれません。
部位別:疲労回復マッサージ
特別な道具を使わず、自宅で簡単にできるセルフマッサージの方法をご紹介。入浴後の体が温まった状態や、寝る前のリラックスタイムなどにおこなうとより効果的です。
【足の裏】の疲労回復マッサージ
STEP 1:両手で足を支えるように持ち、親指で押圧する
親指の腹を足裏に押しあて、気持ち良さを感じられるくらいの圧をかけます。硬くなりがちな土踏まずのあたりを重点的に、足裏全体をほぐしていきましょう。【回数:左右各15~20回】
STEP 2:手を“グー”の形に握り、足の裏を押圧する
親指を使った押圧よりもやや力を入れて、土踏まずや指のつけ根、かかとあたりを入念にほぐしましょう。手を動かしにくい場合は、足裏にジェルを塗ってもOKですが、マッサージ後は速やかにふき取り転倒に注意すること! 【回数:左右各15~20回】
STEP 3:足指のつけ根とかかとに手を添え、足裏・中央に向けてマッサージ
手の4指(人差し指・中指・薬指・小指)を使い、足裏・中央に向けてリンパ液を流すようにマッサージをします。【回数:左右各3~10回】
STEP 4:足裏・中央に手を添え、足の甲へ向けてマッサージ
足裏・中央に左右の手の4指を添え、挟むようにして足の甲へ滑らせます。足の裏を左右にグーッと広げてきたら、指先の動きを止めずに足の甲まで一気に滑らせましょう。【回数:左右各3~10回】
足裏のマッサージは、どちらかの足をSTEP 1~STEP 4まで終えてから反対の足に取りかかっても、左右交互におこなっても、どちらでもOKです。
【お尻】の疲労回復マッサージ
STEP 1:手の小指側面を使い、お尻の筋肉を叩く
小指側面を使い、空手のチョップのようなイメージでお尻の外側~内側に向けて叩いていきます。片側を全体的に叩いたら、手を替えて反対側もおこないましょう。【回数:左右各10~20回】
STEP 2:両手のひらをお尻の中央にあて、外側にスライドさせる
お尻を軽く押すような力加減で中央~外側を通り、指の角度を変えて体の前面・脚のつけ根にある鼠径(そけい)リンパ節へ流し込みます。手は途中で止めず、一息に動かしていきましょう。【回数:10~20回】
【背中】の疲労回復マッサージ
手は、無理なく動かせる範囲でOK。背中をさすり上げたら、腰まで下げてきましょう。
手を上下に優しく動かし、背中全体を大きくさすります。【回数:5~10回】
指先を上に向けたり、手のひらを使ったり、さすりやすい方法を探ってみましょう。利き手でおこなうだけでなく、届きにくい部位は反対の手を使うなどして、自分に合ったやりやすい方法でマッサージをします。
マッサージの注意点
お尻や背中のマッサージは、洋服の上からおこなっても、素肌に直接おこなっても、どちらでもOK。
素肌におこなう場合は、摩擦による刺激を軽減したり、手を滑りやすくしたり、凝っている部位を見つけやすくしたりするために、ジェルを使うといいでしょう。ジェルは、肌につけたあとすぐに液体化するものより、ほどよい弾力があるものを使うのがおすすめです。
それと、リンパの流れを意識しておこなう場合(リンパマッサージ)は、体の抹消から中央に向けておこなうことを覚えておくとGood!
最後に
今まさに感じている疲労・だるさの改善にはもちろん、翌朝すっきり目覚めたいというときは寝る前の仕込みとしてマッサージをするのもいいでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。