女性に多い不良姿勢「反り腰」とは?
反り腰とは、文字どおり腰が反った姿勢のこと。専門用語でいうと、骨盤が前傾した姿勢のことです。
本来、緩やかなS字カーブを描いている背骨ですが、骨盤が前に傾くことによって反りかえってしまっているため、腰に大きな負担がかかるうえに、下腹がぽっこりと出て見えてしまいます。
反り腰の原因&セルフチェック
反り腰が女性に多いのは、なぜ?
反り腰になってしまう原因は、座り方や立ち方、歩き方など日頃の姿勢との関係も大きいのですが、女性の場合はそこに次の項目がプラスされます。
◆筋力の弱さ
もともとの筋肉量が多くなく、筋力が弱い女性の場合。正しい姿勢を保つのが難しくなるうえに、体の前面と背面の筋力のバランスが崩れやすくなる。
◆かかとの高い靴をよく履く
かかとが高い靴を履くと、つま先立ちの状態になり体が前傾しやすくなる&全身のバランスを取ろうとして重心が偏り、腰が反りやすくなる。
反り腰セルフチェック
反り腰は、慢性的な腰の違和感や痛みだけでなく、股関節の痛み、ぽっこりお腹、前ももの張りなどを引き起こします。まずは、自分が反り腰になっているかどうかのセルフチェックをして、それから対策を取っていきましょう。
床に仰向けになり、両腕は体にそわせる
手を腰の下に入れる
チェックするポイントは、床と腰のすき間。手のひら1枚分、もしくはそれ以上のすき間がある場合は、反り腰である可能性が高いでしょう。
反り腰対策ストレッチ
日頃から腰が反りやすく、気がつくと反り腰の姿勢になっている方は、骨盤を後傾させる(腰を丸める)ことが苦手なケースが多く見られます。ここからは、腰を丸める練習にもなるストレッチをご紹介します。
寝ながらおこなう反り腰対策・腰を丸めるストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる
両脚は揃えておきます。恥骨を突き上げ、骨盤を後傾させて、腰が床から浮きすぎないように姿勢を整えましょう。
STEP 2:太ももをお腹に引き寄せる
両脚を床から持ち上げたら、手をひざの裏に添えます。太ももをお腹に引き寄せて、腰を丸めましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を床から起こし、足を持ち上げる
肩が床から離れるくらいまで、上体を起こします。同時に足の位置を高くしてお尻を浮かせ、ひざと顔の距離を近づけましょう。無理のない範囲で、腰をさらに丸めます。【回数:3呼吸繰り返したらSTEP 2に戻り、3セットを目安におこなう】
ストレッチローラーを使うストレッチ
STEP 1:首の下にストレッチローラーを置き、上記のストレッチSTEP 2の姿勢からスタート
頭が下がらない位置に、ストレッチローラーをセットします。
STEP 2:【息を吐きながら】足を持ち上げて、太ももをお腹に引き寄せる
上体や首~頭は楽にしたまま、足を持ち上げてお尻を浮かせます。太ももをお腹に引き寄せて、腰を丸めましょう。【回数:3呼吸繰り返したらSTEP 1に戻り、3セットを目安におこなう】
座りながら腰を丸める「合せき+前屈」のストレッチ
STEP 1:足の裏同士を合わせた、ヨガの“合せき(がっせき)”の姿勢で座る
手で足先を持ち、かかとを股関節に引き寄せます。両ひざを開き、骨盤を立てて座りましょう。
STEP 2:両手の指先を体の前につく
目線は正面、もしくは手と手の間に向けます。
STEP 3:【息を吐きながら】前屈する
手の位置は、前方のなるべく遠くにつきます。頭を下に向け、背中~腰を緩やかに丸めましょう。【回数:呼吸を5~10回】
「四つ這い」で腰を丸める簡単なストレッチ
STEP 1:四つ這いになる
手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。ヘソを引き上げて、背中を平らにしましょう。
STEP 2:右手を左手の前につく
右手の位置は、左手指先から手のひら1枚分先を目安につきます。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を前に倒す
▲左ひじを床に下ろして、リラックス。頭を下に向け、背中~腰を丸めた姿勢を取ります。反対側も同様におこないましょう。【回数:呼吸を5~10回】
「仰向け+バンザイ」で歪みケア
腰が反る=反り腰の姿勢なのですが、反ることも、丸まることもどちらも体にとっては大事な動き。ここでは、首~背中、骨盤にかけての歪みケアに役立つ簡単なストレッチをおこないます。腕を上げるときは骨盤の前傾、下ろすときは後傾の動きを意識しましょう。
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる
脚は腰幅程度に開いておきます。腕は体側にそわせましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】両腕を持ち上げ、頭の先に手の甲を下ろす
腕は耳に引き寄せ、外に開かないようにします。手の甲をしっかりと床に下ろしたら、【息を吐きながら】STEP 1~【息を吸いながら】STEP 2の動きを繰り返しましょう。【回数:呼吸に合わせて10回程度】
ストレッチをする際の注意
以上、腰を丸めるストレッチをご紹介しました。腰は特に痛めやすいパーツでもあるので、下記2点に気をつけてストレッチをおこないましょう。
〈注意点〉
・痛いと感じる場合や、違和感が強いときは無理におこなわないこと
・ストレッチの強度は、気持ちいいと感じられる程度が◎。体の様子をみながら、調節すること
最後に
反り腰は、日頃の姿勢のクセや運動習慣なども関係してくるため、即効性のある治し方を探すより、日々のちょっとした積み重ねのほうが大事になってきます。
例えば、腹筋運動だけを取り入れるのではなく、背面の運動もセットにする。歩きやすく、重心のバランスを取りやすい靴を履いてみる。椅子に座るときは、深く腰かけて、坐骨(お尻の下のほうにある尖った骨)を座面に当てるなど。
「腰が反りやすい」と自覚している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。