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背中が丸く広く見える「巻き肩」、ほかにもデメリット多数!
肩が正常な範囲よりも前に出て、内側に入り込んだ姿勢を巻き肩といいます。
よく「巻き肩って、猫背と同じでしょ?」と思われがちですが、背中から腰にかけて縦に丸くなる猫背に対して、巻き肩は肩のラインが横(内側)に丸くなるイメージ。似て非なるものなのです。
巻き肩になる主な原因
巻き肩になる主な原因は、パソコンやスマートフォン使用時や家事をしているとき、読書中などに多く見られる腕を体の前に出した姿勢。この姿勢が続くと胸の筋肉は収縮(縮む)、反対に背中の筋肉は伸張(伸びる)したままになります。それに加えて頭も前に出ているため、その重さも加わって肩周辺が前に引っ張られやすくなるのです。
ほかにも、横向きで寝ることも両方の肩が自然と前に出やすくなり、特に下側の肩には体重がかかってより内側に入り込みやすくなります。
また巻き肩は、肩が前に出ている分背中が丸く広く見えたり、姿勢が悪く見えたりするほか、次のような不調の原因になることも。
巻き肩が原因で生じる不調の例
●肩まわりの血流が悪くなることで、慢性的な肩こり・首こりが生じる
●胸まわりが閉じた姿勢になることで、呼吸機能が低下する
●呼吸が浅くなることで、リラックスしにくくなる(自律神経のバランスが崩れやすくなる)
●呼吸が浅くなることで、体内に取り込める酸素量が低下し、頭痛や疲労感・睡眠の質の低下・代謝の低下などが考えられる
巻き肩セルフチェック! 「バンザイ」でわかる簡単なやり方
次に「自分が巻き肩なのかどうか」をチェックする方法をご紹介していきます。やり方は3つ。
まずは1つめ。
バンザイをしてチェックする方法です。楽な姿勢で座る、もしくは立ち両腕をまっすぐ頭上に伸ばします。
このとき、腕が耳のライン~耳のうしろまでいけばOK。
反対に耳よりも前までしかいかない場合は、日常的に肩が前に入り込みがち。巻き肩の疑いがあるでしょう。
2つめは鏡の前に横向きに立ち、体を横からチェックする方法です。肩が体の前に出ているようであれば、巻き肩の疑いアリ。3つめは仰向けになってチェックする方法。ゴロッと寝転んだとき肩が床につかないというのも、巻き肩かどうかの判断目安になります。
肩まわりの筋肉の凝りに集中アプローチ! 巻き肩を改善する簡単ストレッチ2つ
①「座ったまま」・・・肩まわりの筋肉の緊張を緩めるストレッチ
STEP 1:楽な姿勢で座る(もしくは立っていてもOK)。両ひじを90度に曲げ、手はグーの形に握る。
▲ひじは体に引き寄せておきます。手のひらは上に向けた状態で、グーの形に握りましょう。左右の肩甲骨を中央に寄せて、肩・胸を開きます。
STEP 2:両方の肩を持ち上げる。
▲STEP 1の姿勢を保ったまま、肩をすくませるように持ち上げます。
STEP 3:肩をうしろに回す。
▲肩で円を描くようなイメージで、前~うしろに回していきます。リラックスした呼吸をしながら、10~20回ほど繰り返しましょう。
②「座ったまま」・・・肩まわりを大きく動かすストレッチ
STEP 1:あぐらで座る。両腕を体の前に伸ばし、手の指を組む。
▲左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せ、骨盤を立てて座ります。腕は肩の高さに持ち上げ、あごを軽く引いておきましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】背中を丸める。
▲肩甲骨はうしろに引き、手は前に引いて前後にグーッと引っ張り合います。肩甲骨周辺の心地よい伸びを感じましょう。あごをのど元に近づけ、頭・首を楽にして呼吸を5回ほど繰り返します。
STEP 3:【息を吸いながら】上体を起こし、腕を頭上に持ち上げる。
▲呼吸に合わせてゆっくり体を起こすのと同時に、両腕を頭上に伸ばします。手のひらを正面に向けたら、ひじを軽く緩めましょう。
STEP 4:【息を吐きながら】手のひらを後頭部の位置まで下げる。
▲次の吐く息で、手のひらを後頭部の位置まで下げます。両ひじを無理のない範囲で外側に開き、左右の肩甲骨を中央に寄せましょう。ヘソを引き入れて、腰が反らないように姿勢を保つと◎。一連の動きを5回ほど繰り返します。
巻き肩を改善する筋トレ2つ! 肩や背中を鍛えて美姿勢作り
①「座ったまま」・・・バンザイを繰り返す筋トレ
STEP 1:楽な姿勢で座る。ひじを曲げ、手のひらを正面に向ける。
▲ひじは体側に引き寄せます。肩・腕が体の前に出ないように姿勢を保ちましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】バンザイをする。
▲肩甲骨の動きを意識しながら、手はできるだけ高い位置まで持ち上げましょう。バンザイのとき、腕が体の前に出すぎないこと(耳のラインが目安)。【息を吐きながら】STEP 1に戻る~【息を吸いながら】バンザイの動きを10~20回を目安に繰り返します。
②「うつ伏せ」・・・強度★★★の筋トレ
STEP 1:うつ伏せになる。
▲手は体の横(手のひらが上)、足は腰幅程度に開きます。あごを床につけましょう。
STEP 2:両腕を床から持ち上げる。
▲腕は、体側から離して斜め外側&上方に引き上げるとgood! まずは無理のない高さから始めて、テンポよく上げ下げを繰り返します。回数は20回以上!
以上、巻き肩の改善におすすめのストレッチと筋トレをご紹介しました。
長時間のデスクワークのほかにも、日常生活で腕を体の前に出して過ごすシーンというのは意外と多かったりします。肩が前に入り込んでいるなと思ったら、左右の肩甲骨をグッと中央に寄せる。まずはこれを意識するだけでも、不良姿勢矯正に役立つでしょう。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。