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お尻の筋肉「大臀筋」がこると、冷えるしむくむ?
下半身が冷えたりむくんだりすると、足首やふくらはぎ、股関節などに原因があるのでは? と思いますよね。長時間同じ姿勢が続いたあとや、運動不足で脚の筋力が低下したりすると、どうしても冷え・むくみの症状が出やすくなってしまいます。
大臀筋(だいでんきん)と「冷え」や「むくみ」の関係
下半身の冷え・むくみと大きな関係があるのが、お尻の1番浅い部分についている筋肉・大臀筋(だいでんきん)です。
お尻の丸みを形づくるように広範囲についているだけでなく、股関節を覆うように脚の骨にもつながっている筋肉が大臀筋。この大きな筋肉・大臀筋がこって、筋肉が硬くなると血流が悪化。それが、下半身の冷え・むくみにつながるのです。
大臀筋のコリは気づきにくい…
大臀筋のコリは、首や肩、腰などのコリとは違い自覚しにくいため、こっていても放っておかれがちです。次の項目にあてはまる場合、大臀筋がこっている可能性が考えられるので早速チェックしていきましょう。
☑︎お尻に触れると、ひんやりしている
☑︎お尻を押すと痛い/筋肉の緊張がある
☑︎あぐらで座り、片方の脚の足首・ふくらはぎに手を差し入れて床から持ち上げたとき、すねが床と水平の高さまで上がらない
☑︎ひざを立てた仰向けの姿勢から、両脚を左右に倒したとき、お尻に違和感がある
次は、大臀筋のコリのほぐし方を紹介していきます。
大臀筋のストレッチ【寝ながらおこなう】×1
ここからは、姿勢別に大臀筋のストレッチをおこなっていきます。
STEP 1:仰向けになり右ひざを立てる
腰が床から浮きやすい場合は、下に丸めたタオルやブランケットを置いてもOK。
STEP 2:右太ももを腹部に引き寄せ、両手でひざを抱える
右太ももをグッと腹部に引き寄せると、お尻を効果的にストレッチすることができます。ただし、痛みや圧迫感がある場合は、無理のない範囲でおこなうこと。
右ひざは脚のつけ根からスッと真っすぐ、左右に傾かないように姿勢を保ちます。
STEP 3:【息を吐きながら】右ひざを外側に倒す
右側の股関節を外に開くような意識でひざを倒したら、呼吸を5~10回。
STEP 4:【息を吸いながら】右ひざを中央に戻す~【息を吐きながら】右ひざを内側に倒す
右側の股関節を閉じるような意識でひざを倒したら、呼吸を5~10回。
STEP 2~STEP 4では、右側のお尻に心地よいストレッチ感があるか意識しながらおこなうとgood! 反対側も同様におこないましょう。
大臀筋のストレッチ【座りながらおこなう】×2
◆ストレッチ1
STEP 1:両脚を前に伸ばした姿勢で座る
左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて座ります。肋骨を引き込んで、頭頂部を引き上げましょう。
STEP 2:あぐらをかくように両方のひざを曲げ、右脚の上に左脚を重ねる
右のすねの上に、左のすねを重ねて座ります。両方のすねは、骨盤と平行にしましょう。
両手の指先をお尻の横についたら、背筋をスッと伸ばします。
STEP 3:両手の指先を体の前についたら、【息を吐きながら】上体を前に倒す
頭や首を楽にして、上体をリラックスさせます。左右のお尻が気持ちよくストレッチされる姿勢で、呼吸を5~10回繰り返しましょう。
上体を起こしてきたら、脚を組み替えて反対側も同様におこないます。すね同士を重ねる姿勢がツラい場合は、あぐらの姿勢でもOK。お尻や股関節が「痛い」と感じる場合は、前屈を緩めます。
◆ストレッチ2
STEP 1:両方のひざを立てて座る
両脚は軽く揃えておき、両手は体のうしろにつきます。上体をややうしろに傾けて、お腹と太もものあいだを広くしましょう。
STEP 2:左足首を右太ももに乗せる
左ひざを外側に開いて、足を数字の“4”の字にします。
STEP 3:腹部を前に突き出し、太ももに近づける
両手の指先で床を押し、上体を起こしてきたら、腹部を太ももに近づけて左側のお尻に伸びを感じましょう。腰や背中はなるべく真っすぐに保ち、呼吸を5~10回繰り返します。反対側も同様におこないましょう。
大臀筋のストレッチ【立ったままおこなう】×1
STEP 1:脚を揃えて立ち、手は腰に添える
足裏3点(親指と人差し指の下・薬指と小指の下・かかと)でしっかり床を踏みます。尾骨を床に向けて下げ、腰の反りを和らげましょう。
STEP 2:左脚を1歩前に踏み出し、【息を吐きながら】上体を前に倒す
上体が床と水平になるように、前に倒します。姿勢がツラい場合は、上体を軽く起こしてきてもOKです。
STEP 3:右脚はひざを曲げ、左脚はつま先を床から持ち上げる
左脚は、なるべく真っすぐに伸ばしたまま。左股関節をうしろに引くように意識し、左側のお尻をストレッチしていきます。右ひざを深く曲げるとストレッチの強度が高くなるので、体の様子を見ながら調節してみてください。
呼吸を5~10回繰り返したら、反対側も同様におこないます。
【まとめ】大臀筋のコリの主な原因
大臀筋がこる主な原因は、次のとおり。
長時間のデスクワーク(座ったままの姿勢)
お尻の筋肉に体重が乗り、圧迫された状態が続く。
座っているときに、脚を組む
脚を組んで座ると、片側のお尻に体重が乗り負担がかかる。
股関節の硬さが気になっている
股関節を大きくまわせず、可動域が狭くなっていると、お尻の筋肉も使いにくくなる。
運動後、あまりストレッチをしない
大臀筋は、走る・歩く・ジャンプをするときの原動力になる筋肉。運動後、ストレッチをしないと疲労が蓄積してコリやすくなる。
入浴はシャワーで済ませる
湯船に浸かり体を温めることで、筋肉のコリがほぐれ、血行促進にも期待できる。
最後に
体のほかのパーツのようにコリを実感しにくいうえに、ストレッチやマッサージを取り入れることがそう多くないお尻。
下半身の冷え・むくみが長引いている方は、お尻のコリが関係していることも考えられるので、ストレッチを習慣化してみるといいかもしれません。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。