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そもそも「腸活」とは?
腸活とは、腸内環境を整えるためにおこなうさまざまな活動のこと。例えば善玉菌を含む食品を摂る、生活習慣の改善、お腹のマッサージ、運動などが代表的です。これらの腸活をすることによって便秘改善、肌トラブルの改善、免疫力が上がる、睡眠の質向上、肥満の予防といった嬉しい効果が期待できます。
今回取り上げていくのは、「運動」のカテゴリーに属するヨガ。「ヨガが腸活に良い」というのは、なぜなのでしょうか。
ヨガが腸活に良いのは、なぜ?
サンスクリット語で「つながり」を意味するヨガは、呼吸やポーズを通して心と体、自分の内側と外側がつながった状態──つまり心身の調和や統一を目的として用いられるのが一般的。
では、なぜヨガが腸活に良いのでしょうか。
・主な理由1:呼吸
ヨガの最中はお腹を動かす腹式呼吸(※)を繰り返すため、横隔膜が大きく上下して内臓がマッサージされます。その結果、腸も動きやすくなるのです。
※ 吸う息でお腹を膨らませる/吐く息でへこませる呼吸
また、この深い呼吸には自律神経のバランスを整える効果も。心身がリラックスし、副交感神経が優位になると、腸のぜん動運動が活発になって排便を促す効果が高まります。
・主な理由2:ポーズ
ヨガのポーズにはねじる・伸ばす・腹圧を高める・腹筋を鍛えるなど、お腹まわりを動かしたり、腸を刺激したりするポーズがたくさんあります。
このように、呼吸とポーズによってお腹の中をマッサージし、腸を動かすことができるのです。ストレスがたまっている人や緊張状態が続いている人、ハードな運動が苦手な女性は、まず腹式呼吸とゆったりしたヨガポーズから始めてみるといいでしょう。ここからは、腸に効くヨガポーズのやり方を一挙にご紹介していきます。
【朝:ベッドの上でできる】「ガス抜きのポーズ」
まずは、「ガス抜きのポーズ」から。寝た姿勢で無理なくおこなえるため、ヨガ初心者さんでも安心です。脚の重さを使って腹部に刺激を与えます。朝からガスがたまってお腹が張っている…なんてときにもおすすめ。
STEP 1:仰向けになる。
▲腕を体側に下ろし、お腹は力を抜きます。
STEP 2:ひざを立てる。
▲両脚を揃えたら、ひざを立てます。
STEP 3:両ひざを胸に引き寄せ、抱える。
▲両ひざを胸に引き寄せたら、呼吸の妨げにならない程度に腕もしくは手で抱えます。あごを軽く引き、首のうしろを長くしましょう。
お腹に適度な刺激を与えながら、リラックスして呼吸を繰り返します。もしお腹が苦しいようであれば、腕を緩めるかひざを少し開きます。〈回数:5呼吸〉
【朝:ベッドの上でできる】「スフィンクスのポーズ」
次は、うつ伏せで腹圧を高める「スフィンクスのポーズ」。
STEP 1:うつ伏せになり、肩の下にひじをつく。
▲脚は腰幅に開きます。肩の下にひじをつき、前腕(ひじ~手首)と手のひらで支えながら、上体を軽く起こしましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】頭と胸を持ち上げ、目線を正面に向ける。
▲両手のひらとひじで床を押し、上体を起こします。目線は正面に向け、胸の広がりと腹部の心地良い伸びを感じましょう。〈回数:5呼吸〉
【朝:床に座っておこなう】「聖者マツィエンドラのポーズ」
続いては、床に座っておこなう「聖者マツィエンドラのポーズ」。本来であれば上体を強くねじり、腕で体を縛り上げるようにするこのポーズですが、ここでは朝ということで優しめVer.をおこなっていきます。
上体をソフトにねじることで外側から腸を刺激し、毒素や老廃物を排出する機能をUP。デトックス効果を狙います。
STEP 1:両脚を前に伸ばして座ったら、左ひざを立てクロスさせる。
▲両脚を前に伸ばす“長座(ちょうざ)”で座ったら、右ひざを曲げて外側に倒し、かかとはお尻の横。反対の左ひざは立てて、足裏を右太ももの外側に下ろします。
腰が丸まらないように、背筋を伸ばした姿勢を意識!
STEP 2:【息を吸いながら】右腕を引き上げる。
▲左手を後方に引き、上体をやや左にねじります。それと同時に右腕を肩からスッと真上に伸ばしましょう。手の指先をグーッと引き上げるのがポイント。
STEP 3:【息を吐きながら】さらにねじりを深める。
▲左の肩を回転させるようにうしろに引き、視線は後方。右ひじを左ひざの外側にかけて、押し合う力を利用してねじりを深めます。右手は、親指と人差し指を合わせて輪を作っても〇(チン・ムドラー)。
両座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せた姿勢を保ちながら、上体をねじりましょう。反対側も同様におこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
ポーズが難しい場合は…
▲より緩やかにねじりたいときは、右手で左ひざをソッと抱えてもOK。
【仕事中にこっそり】椅子に座ったままできるヨガポーズ
デスクワークなどで座りっぱなしの姿勢が続き、運動不足でお腹がすっきりしないときは、腹圧をかけながらねじる次のポーズを参考にしてみてください。
STEP 1:椅子に浅く座り、胸の前で手のひらを合わせる。
▲ここでも、両座骨に均等に体重を乗せて座ります。背筋をスッと伸ばし、合掌した手を胸の前に。
STEP 2:【息を吐きながら】上体を前に倒し、右にねじる。
▲背筋を伸ばしたまま上体を前に倒し、右にねじります。左ひじを右ひざの外側にかけ、押し合う力でねじりを深めましょう。目線は右ひじの先、合掌した手は胸の中心で押し合います。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を左にねじる。
▲息を吸いながらSTEP 1に戻り、次の吐く息で今度は左にねじります。〈回数:左右各5呼吸〉
優しいストレッチ+呼吸でお腹をしっかり動かすやり方!
▲椅子に浅く座り左足を持ち上げたら、両手でひざをかかえます。左ひざを胸に引き寄せたら、呼吸を繰り返しましょう。
太ももを無理のない範囲でお腹に近づけたら、吸う息でお腹を膨らませる~吐く息でへこませる呼吸を丁寧に繰り返します。反対側もおこないましょう。〈回数:左右各5呼吸〉
【寝る前に5呼吸ずつ】毒素排出効果が期待できる「仰向けのねじりのポーズ」
最後は、腎臓や腸を穏やかに刺激するポーズで、毒素排出効果を狙いましょう。体幹や脇腹の筋肉を刺激するため、お腹まわりの引き締めにも〇です。
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲両腕は肩の高さで横に伸ばし、手のひらを下に向けます。脚を揃えたら、ひざを立てましょう。肩を下げ、首筋を長く保ちます。
STEP 2:【息を吸いながら】両脚を天井に向けて持ち上げる。
▲両脚を揃えたまま天井方向に引き上げたら、足裏を押し出してひざを伸ばしましょう。両座骨を床に引き下げて、お尻が浮きすぎないように姿勢を整えます。
STEP 3:【息を吐きながら】両脚は右、顔は左に向ける。
▲脚を揃えたまま、ゆっくりと右側の床に下ろして腹部をねじります。顔は左に向け、両肩を床にしっかりつけましょう。反対側もおこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
ポーズがツラい場合は、両ひざを軽く曲げてみてください。
ポーズを取るときの注意点
お腹まわりを刺激するヨガのポーズを取るときは、胃腸に負担がかかる食後すぐは避けましょう。
腰や背中に痛みがある場合も、無理にポーズを取らないこと!
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。