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冷えには4つのタイプがある…なかでもよく見られるのは?
体の“冷え”には、大きく分けて4つのタイプがあると言われています。
全身が冷える全身型、体の内部が冷える内臓型、腰から下にかけて冷える下半身型。そして、今回取り上げていく手や足の先だけが冷える四肢末端型です。
四肢末端型の冷えは女性に多く見られる冷え性のタイプとしてもっともよく知られていて、末梢の血流やリンパ液の流れが悪いことで起こります。
しかもその原因には、我々現代人とは切っても切れないストレスとも関係が―。
体の末端はそもそも冷えやすい…ストレスも関係するって本当?
人の体には、重要な臓器が集まる中心部の体温を保とうとする働きがあります。血液を体の中心部に集めて体温を維持するため、末端にある手足には血液が行き渡りにくくなり、温度が下がって冷たく感じるようになるのです。
ほかにも、ストレスなどが原因で自律神経が乱れることも関係があります。交感神経が優位になると血管が収縮し、血行が悪くなって末端まで血液が行き渡りにくくなります。運動不足も同様で、筋肉量の低下は血行の悪化につながります。
また、食事を極端に制限するようなダイエットによって熱が作りだせなくなることも、末端が冷える原因になると言われています。
末端が冷えやすい人の特徴・まとめ
ストレスがたまっている、食事の量が少なめ、運動をあまりしない、座ったまま過ごすことが多い(むくみによって冷えが助長される)、汗をかきにくい―これらの項目に心当たりがある場合、まずはできることから改善していくのが末端の冷え対策となるでしょう。
ここからは、特にひんやりしやすい足先の冷え対策になるストレッチとヨガの簡単なポーズをご紹介。運動が苦手な人でも取り入れやすい方法なので、ぜひ参考にしてみてください。
【立ったまま】「かかと・つま先を交互に上げ下げ」壁を使ったストレッチ
まずは、足先と下半身の血流の要・ふくらはぎの筋肉を優しく動かしていきます。
STEP 1:壁に向かって立つ。
▲両手を壁に添えます。このとき、手の位置は胸の前あたりが目安。ひじを軽く曲げ、壁から少し離れた位置に立つのがポイントです。脚は腰幅に開きます。
STEP 2:かかとを持ち上げる。
▲かかとを持ち上げて、つま先立ちになります。足指10本でグッと床を押し、かかとを高く持ち上げましょう。
STEP 3:つま先を持ち上げる。
▲今度はつま先を持ち上げて、かかとで立ちます。余裕がある場合、足指をパーッと大きく広げてみましょう。体がグラグラしないように壁を押しながら、ゆっくりおこないます。〈回数:STEP 2~STEP 3を交互に20回〉
【座りながら】「つま先を交互に倒す・起こす」ストレッチ
STEP 1:脚を前に伸ばして座る。
▲両脚を体の前に伸ばす「長座(ちょうざ)」で座ったら、脚幅を広くします。手は体のうしろにつきましょう。腰が丸まらないように、頭頂~お尻まで斜め一直線の姿勢を保ちます。
STEP 2:つま先を倒す~起こす。
▲片足はつま先を前に倒す、もう一方の足はつま先を自分のほうに向けて起こす動きを交互に繰り返します。
つま先を前に倒すときは足指で前方の壁を押すイメージ、つま先を自分のほうに向けるときはかかとで前方の壁を押すイメージです。〈回数:10~20回〉
STEP 3:つま先をクルクルまわす。
▲つま先で円を描くように、内まわし・外まわしをします。〈回数:各10~20回〉
【寝ながら】ヨガ「ガス抜きのポーズ」で脚をクロス、下半身の血流UP
仰向けでおこなうヨガ「ガス抜きのポーズ」にアレンジを加えて、下半身の血流を促します。
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲ひざを立てたら腰を軽く丸め、お腹の力は抜いておきましょう。
STEP 2:両ひざを胸に引き寄せて、手で抱える。
▲ひざを揃え、胸の前に引き寄せます。呼吸の妨げにならない程度に手でひざを抱えたら、「ガス抜きのポーズ」完成。
お腹が苦しい・呼吸がしにくいようであれば、脚を緩めるか、ひざを少し開きましょう。
STEP 3:ひざ下をクロスさせる。
▲右が下、左が上になるように、ひざ下をクロスさせたら手で足先を持ちます。姿勢が苦しくない程度に、足先を体のほうにグーッと寄せましょう。
脚を組み替えたら、反対側もおこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
【寝ながら】ヨガ「鷲のポーズ」、ポイントは脚を深く絡めること
次はヨガ「鷲のポーズ」を寝ながらおこなっていきます。本来は立位でバランス力を必要とするポーズですが、ここでは仰向けで姿勢を安定させられるので、脚をしっかり絡めて血流UPを狙いましょう。
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲ここでも腰を床につけることを意識します。腰が反りやすい場合、下に丸めたバスタオルやブランケットを置いてみましょう。
STEP 2:脚を深く絡ませる。
▲左脚が上になるように脚を組んだら、つま先を右足首のうしろ側に引っかけます。
STEP 3:腕を天井に向けて持ち上げる。
▲腕は、天井に向けてまっすぐ伸ばします。
STEP 4:すねは床と平行、ひじを天井に向けて押し出す。
▲右腕が上になるように、腕をクロス。手のひら同士を合わせるのが難しい場合、手の甲同士を合わせましょう。どちらの場合でも、親指は顔に向けます。
腕と脚をクロスさせたら、脚を床から持ち上げてすねを床と水平にします。ひじは、天井に向けて押し出しましょう。手を顔の前に下げてきたら、指先を頭の先に押し出します。
脚と腕を組み替えて、反対側もおこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
【マッサージ】のやり方
続いては、足裏と足の甲のマッサージ方法です。
冷え対策だけでなく、疲れた足のケアにもおすすめ!
STEP 1:こぶしで足の裏を押圧する。
▲手をこぶしの形に握ったら、足の裏にあてグリグリ押圧していきます。凝っている・疲れている部分を中心に、足裏をまんべんなくほぐしましょう。特に凝りやすい土踏まずの周辺は、やや強めに押圧してもOK。
STEP 2:親指で足の甲を押圧する。
▲各足指の股の延長線上を、足先から足首に向かって親指で押圧していきます。骨と骨のあいだが溝になっているので、そこを5~6カ所ずつ位置をずらしながら圧をかけていきましょう。
STEP 3:足の甲を横に引っ張る。
▲足の甲を両手で持ったら、縦の中心ラインにそれぞれの親指を置き、左右に開くようにしてほぐします。足指の付け根近くからスタートし、足首のほうまで移動させます。
STEP 1~STEP 3の反対側もおこないましょう。
外出時はつま先を温めるカイロでポカポカ
最後は、足の冷え対策に役立ってくれるグッズを紹介します。
つま先の冷えがとにかくツラい場合、靴下に貼るタイプのカイロ(メーカーにもよりますが、基本的には靴を履かないときは使用不可)もおすすめ。寒い日の外出時でも、靴の中で足先にポカポカと温かさを感じられます。
自宅でのリラックスタイムには、太い血管がある足首まわりを温めてくれるレッグウォーマーを。温かい血液が循環すると、脚に加えて全身の温め効果も期待できます。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。