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ダイエット成功の敵、イライラをどうしたらいい?
食事制限やハードな運動…ダイエットにはさまざまな方法がありますが、そのほとんどに我慢がついてまわります。
例えば、まだ食べたいという気持ちをグッと抑える、泣く泣く好きな食べ物を絶つ、疲れているのに頑張って体を動かさなくてはいけないなど、こういった我慢の積み重ねがダイエット中のイライラにつながっていくことも。
またこのイライラが厄介で、暴飲暴食をしてしまう、何かに八つ当たりをして自己嫌悪の悪循環に陥るなど、ダイエット成功の敵になることも考えられます。憎きダイエット中のイライラを解消する方法はあるのでしょうか?
ダイエット中のイライラ、主な原因3つ
ダイエット中に強いられるさまざまな我慢がイライラにつながるとお話ししましたが、その背景には次の理由があげられます。自分のイライラタイプを知る目安にもなるので、チェックしていきましょう。
栄養不足からくるイライラ
糖質は、脳と体を動かすエネルギー源です。そのため糖質の摂取を急激に減らすと、脳がエネルギー不足になってイライラや集中力の低下を引き起こしやすくなると言われています。
過度に糖質を制限していないか、食生活を見直してみましょう。また、糖質のほかにもビタミンB群やカルシウム、亜鉛などが不足することでもイライラしやすくなるので、栄養バランスの取れた食事を意識するといいかもしれません。
好きなように食べられないことへのイライラ
食事制限をしていると、好きなものを我慢したり、食べる量をセーブしたりしなくてはならないことにストレスを感じがちです。「食べてはいけない」と思えば思うほど余計に食べたい気持ちになってイライラが増すこともありますよね。「食べないとイライラがおさまらない」というときは、好きな食べ物を自由に食べるチートデイを設けるのもひとつの手。
ストレスや食欲のコントロールをしやすくなり、ダイエットの停滞を防いでくれるケースもあります。ただし、過度な暴飲暴食は避け、適度に楽しむことがポイントです。
ハードな運動によるイライラ
ダイエット成功のためには、適度な運動が必要です。とはいえ、負荷が重い筋トレや長時間の有酸素運動など、運動がハード過ぎると体への負担も大きく、疲労が蓄積してイライラを感じやすくなります。運動に慣れていない人は、軽めで続けやすいメニューから徐々に体を慣らしていくといいでしょう。
そこでおすすめなのが、ヨガ。
ヨガを続けていると、血流が良くなって代謝が上がるほか、骨に近いところにある深層筋が鍛えられ、体を内側からシュッと引き締める効果が期待できます。それだけではなく、呼吸法と合わせて体を動かすことによって、リラクゼーション効果やストレス解消効果を得ることもできるます。ダイエット中のイライラを抑えたい人は、試す価値ありと言えるでしょう。
ここからは、ダイエット中のイライラを抑えたいときに役立つヨガポーズと、ザワつく気持ちをしずめるのに効果的な呼吸法をご紹介していきます。
【うつ伏せ】で気持ちを落ち着ける「ワニのポーズ」
うつ伏せになり手を重ねた上に額を乗せ、脚は腰幅に広げる。
▲うつ伏せになったら、手を重ねた上に額を乗せます。肩がすくまないように、手の位置を前後に調整しましょう。
脚を腰幅に開いたら、かかとを外側に開いて力を抜きます。〈回数:5~10呼吸〉
Point:まぶたをそっと閉じる。顔の向きを変えたい場合、こめかみや頬を手の上に乗せてもOK。
▲首筋を長く保ち、リラックスした姿勢で呼吸を繰り返します。
【仰向け】で逆転「鋤のポーズ」は、脳のリラックスに! 落ち着きを取り戻したいときに◎
STEP 1:仰向けになりひざを立てたら、胸に引き寄せる。
▲お尻を床から浮かせて、腰を丸めます。
STEP 2:両脚を天井方向に伸ばす。
▲両腕を体側に下ろしたら、手のひらを床につけます。脚を天井方向に伸ばし、床に対して垂直の姿勢を取りましょう。
STEP 3:足先を頭の先の床につける。
▲手で腰をサポートしながら、お尻と腰を床から持ち上げます。脚は股関節から折り曲げ、足先を頭の先の床につけましょう。
最後に、腕を床に下ろします。ひじを伸ばして、手の指を組みましょう。背中が落ちてこないように腰をしっかり持ち上げます。ポイントは、首に体重をかけないこと!
姿勢がツラい場合、手を腰に添えていてもOKです。〈回数:5呼吸〉
【座りながら】「チャイルドポーズ」で首~背中・腰をリラックス。気持ちを安定させるポーズ
STEP 1:正座からスタート。
▲足は重ねず、かかとを自然に開いて座ります。かかとの上に腰を下ろしたら、背筋をスッと伸ばしましょう。
STEP 2:両手を体の前についたら、上体を倒す。
▲上体を前に倒したら、ひじを緩めます。首のうしろが詰まらない位置で額を床につけ、体の背面をリラックスさせましょう。重心はお尻寄りです。〈回数:5呼吸〉
STEP 3:両腕をマットの右側・左側に移動させる。
▲「チャイルドポーズ」のあとは、サイドストレッチもしてみましょう。
腕を右側に移動させたら、額をマットの右端に下ろします。左右の脇の下をギューッと床に近づけて、左の肩甲骨周辺~腰まで心地良く伸ばします。
反対側も同様におこないましょう。〈回数:左右各5呼吸〉
【立ったまま】集中力UP! 余計なことを考えたくないときは「ワシのポーズ」
STEP 1:脚を揃えて立つ。
▲足の親指の付け根を揃えたら、重心はややかかと寄り。あごを引いて頭頂部を高くしたら、尾骨(お尻の先にあるしっぽのような骨)を引き込んで、下腹を締めます。
STEP 2:左脚が上になるように脚を組み、右腕を上にして肩の高さでクロス。
▲左つま先を右足首のうしろ側に引っかけます。腕は肩の高さでクロスしましょう。
STEP 3:左右のひじを重ねて、90度に曲げる。
▲手のひら、もしくは手の甲同士を合わせたら、腕は肩の高さを保ったまま目線を指先に向けましょう。右足の裏でしっかり床を踏み、へそをうしろに引いて骨盤を立てます。背筋を伸ばした姿勢で呼吸を繰り返しましょう。
反対側も同様におこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
自律神経のバランスにアプローチ【片鼻呼吸法】「ナーディ・ショーダナ」:やり方
ヨガの代表的な呼吸法のひとつ「ナーディ・ショーダナ」。
片方の鼻から吸って、もう片方の鼻から吐く―を交互に繰り返すこの呼吸法は、自律神経のバランスを整え、リラックス効果を高めたいときにおすすめです。
STEP 1:右手の人差し指と中指を曲げ、手のひらを自分のほうに向ける。
STEP 2:両方の鼻から息を吐き切る。親指で右の小鼻を押さえ、左の鼻から息を吸う。ここで一旦息を止める。
STEP 3:薬指で左の小鼻を押さえ、親指を離して右の鼻から息を吐く。そのまま右の鼻から息を吸い、一旦止めてから、親指で右の小鼻を押さえ、左の鼻から息を吐く。
ポイントは、息を吸うときよりも吐くときに時間をかけること。慣れてきたら目を閉じて、呼吸に意識を向けながら気持ちが落ち着くまで繰り返します。〈回数:目安として10セット〉
朝おこなうとエネルギーが高まり、夜おこなうとリラックス効果が高まるので、ぜひ試してみてくださいね。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。