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毎日便が出ると痩せる?
みなさんに質問です!
毎日快便な人と、便秘がちな人。どちらが太りやすいと思いますか?
おそらく「便秘=体重増加の原因」と答える人が多いのではないでしょうか。確かに、便がたまっているとお腹が出たり張ったりするし、体がより重く感じますよね。
では、1回の排便で体重はどのくらい減るのでしょうか?

排便で体重はどのくらい減る?
排便の後は「体重が何kgか減ったのでは?」と思うくらいスッキリする一方で、実のところそうではないんです。
便の重さだけでいうと、1回あたりの排便量の平均はだいたい100~200gだと言われています。ということは、1日に2回排便があったとしても、わずか400g程度しか減らないんですね。
ではなぜ、便秘はダイエットの敵だと考えられているのでしょうか。
便秘をすると胃腸の働きが鈍くなり、代謝機能が低下します。胃腸の働きが良い快便時と比べると、同じ量の食事をとってもエネルギーが消費されにくくなることが、便秘太りの特徴なのです。
過去に、「便秘を解消したら痩せた」という経験がある人は、便が十分に出たから痩せたというよりも、胃腸の働きが良くなり、代謝が上がったことが関係していると考えることもできるでしょう。
便秘解消のためには、食生活(食べる量・栄養の偏り)や生活習慣の見直しに加えて、運動をして体力・筋力をつけることも効果的です。
便秘解消に役立つ運動のポイント
ここからは、現役ヨガインストラクターがおすすめする便秘解消ストレッチ・筋トレの方法をご紹介します。
ポイントは、2つ。
●お腹周りに圧をかけるポーズやお腹を動かす呼吸で、腸のぜん動運動(腸の内容物を移動させる働き)を活発にする。
●筋力があまりない女性の場合、腸のぜん動運動が低下して便が長いこと腸内に滞在しがちになるため、押し出す腹筋の力をつける。
【朝・夜、ベッドの上でできる】お腹に優しい圧をかけるストレッチ
まずは、うつ伏せで寝ながらできるストレッチです。お腹をベッドもしくは床につけ、自分の体重を使って優しい圧をかけていきます。
STEP 1:うつ伏せになる。

▲手を重ねた上にあごを乗せます。足は腰幅に開きましょう。
STEP 2:お尻を左右に揺らす。


▲お腹を床にしっかりつけたまま、お尻を左右にゆらゆら揺らします。
ゴロゴロ転がる緩やかな動きに身を任せながら、お腹に優しい圧を感じましょう。〈回数:10回~〉
スマホを見ながらやりがちなあの姿勢も…

▲ベッドや床の上でスマホを見ながらやりがちなこの姿勢の時も、吸う息でお腹を膨らませる・吐く息でへこませる動きを取り入れることで、お腹の中をマッサージする時間として有効活用できます! お腹の下にクッションを置いてもOK。
ただし、腰が痛い人は無理におこなわないこと。
【朝・夜、ベッドの上でできる】ひざ倒しでお腹をねじるストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。

▲足は腰幅に開き、手はお腹の上もしくは床に下ろす。
尾骨(背骨の延長線上・お尻の一番下のしっぽのような骨)を巻き込むイメージで、お尻の上のほう~腰を床に近づけると〇。
STEP 2:【息を吐きながら】両足を右に倒す。

▲ひざは床につかなくてもOK。肩を床につけて上半身を安定させた姿勢で、無理なくひざを倒しましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】両足を左に倒す。

▲吸う息で足を起こしたら、次の吐く息で左に倒します。
呼吸に合わせて、ゆっくりと動きましょう。〈回数:10回×2セット〉
余裕がある場合、吸う息でお腹をふくらませ、吐く息でへこませると、お腹の中のマッサージを同時におこなえます。
【便を押し出す】お腹の筋トレ①:強度・低め
後半は、便を押し出す力をつける筋トレ方法です。
STEP 1:仰向けになる。

▲頭の下で手の指を組みます。足は軽く開いておきましょう。
腰が床から浮きやすい場合、下腹部に力を入れてヘソを背中側にグッと寄せるイメージをしてみて! もしくは、下にたたんだバスタオルやブランケットを置いてもOK。
STEP 2:【息を吐きながら】左ひじと右ひざをタッチ。

▲上体を起こして右側にねじるのと同時に、左ひざを持ち上げてひじとひざでタッチ!
STEP 3:【息を吐きながら】右ひじと左ひざをタッチ。

▲息を吸いながら1に戻り、次の吐く息で反対側にねじります。
ひじとひざは、無理なく近づけられる範囲から始めましょう! 〈回数:10回×3セット〉
【便を押し出す】お腹の筋トレ②:強度・中くらい
STEP 1:体育座りをする。

▲両ひざを立てた体育座りの姿勢からスタート。肩の下に手をつき、上体をややうしろに倒したら、頭~お尻まで斜め一直線の姿勢を整えます。
STEP 2:【息を吸いながら】足を床から持ち上げる。

▲吸う息に合わせてひざを伸ばし、足を高く持ち上げます。ひじを軽く曲げ、姿勢はアルファベットの“Vの字”でキープ。
腰や背中を丸めないのがポイント!
STEP 3:【息を吐きながら】足を床スレスレまで下ろす。

▲次の吐く息で、足を床スレスレまでゆーっくり下ろしていきます。お腹にグッと力を入れて!
呼吸に合わせて、STEP 2~STEP 3を繰り返しましょう。〈回数:10回×3セット〉
キツすぎると感じたら、足を少し下ろすところから始めてみましょう。
最後に
便秘とは、排便の回数や量が減って不快感をともなう症状のこと。一般的には、3日以上排便がないことを指すケースが多いのですが、実際はこれといった定義はなく、本人がどう感じているかによるところが大きいと言われています。例えば、毎日排便があってもお腹が快適でない場合もあれば、数日間排便がなくても違和感がない人もいます。
「お腹がスッキリしない」ことに加えて、「太りやすくなった」と感じている人は、便活ストレッチ・筋トレを参考にしてみてくださいね。

ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。
趣味はボルダリング!



