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いつかはやってみたい「アシュタンガヨガ」! レッスン中に休憩がないって本当?
いきなりですが、みなさんにクイズです!
「決まったポーズを順番通りにおこなう」「途切れることなく(休憩することなく)、流れるようにポーズを取り続ける」「胸式呼吸をする」──これは“何ヨガ”でしょう?

数あるヨガの中でも、もっともハードなのが「アシュタンガヨガ」
正解は、「アシュタンガヨガ」。正式名称は、「アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨガ」といって、独特な胸式呼吸(ウジャイー呼吸)とダイナミックな体の動きを合わせながら、流れるようにポーズを取るスタイルが特徴です。
インドの伝統的なヨガの流派のひとつですが、アメリカやヨーロッパでは早くから人気が広がり、汗をしっかりかけるヨガとしても知られるようになりました。
アシュタンガヨガには、もうひとつ大きな特徴があります。それは、ポーズの順番がカチッと決まっていること。
ヨガの基本的なシークエンス「太陽礼拝」に始まり、立位のポーズ、座位のポーズ、逆転のポーズ、最終ポーズまで、難易度の高いポーズを含め、休まずに動き続けます。そのため、爽快感・脂肪燃焼効果が高いことでも知られています。
そんな「アシュタンガヨガ」に向いているのは、こんな人。
「アシュタンガヨガ」に向いている人
・体を動かすのが好きな人/運動に慣れている人
・ヨガのポーズに慣れている人(ポーズの名前・やり方が頭に入っている)
・ヨガ経験者でレベルアップしたい人
・集中力を高めたい人
・運動と瞑想を両方取り入れたい人
実は、ヨガ経験者のなかでも、「アシュタンガヨガ」=ストイックで難しいイメージを持たれがち。「いつかはやってみたい」と思いつつも、順番の覚え方も自信がないし…と、ちょっと尻込みしてしまっている人もいるかもしれません。
でも、安心してください。ひとつひとつのポーズを見てみると、ヨガや運動初心者さんでも挑戦しやすいものがたくさんあるんです。
ここからは、本格的にクラス参加を目指す人にも、おうちでいろいろなポーズを取ってみたい人にもおすすめな基本のポーズを5つ、それぞれの効果と一緒にご紹介。体の引き締めや集中力UPにも役立ってくれるので、ぜひ参考にしてみてください!
【背中の引き締め】「ウールドヴァ・ムカ・シュヴァーナ・アーサナ/上向きの犬のポーズ」
◆効果
・腹部の柔軟性UP
・体幹の強化
・呼吸機能を高める
・気持ちを前向きにする
・背中の引き締め
STEP 1:うつ伏せになる。

▲両手を胸の横につき、脇を締めます。足は腰幅に開きましょう。
額を床につけて、首の後ろを伸ばします。
STEP 2:上体を起こす。

▲手で床を押しながら、上体を起こします。
STEP 3:手と足の甲を残して、体を浮かせる。

▲頭頂を真上に引き上げながら、ひじを伸ばしきります。目線は斜め上、両肩を下げて後ろに引き、首筋を長くしましょう。
手と足の甲のみを床に残して、肋骨を力強く引き上げて! 腰を痛めないように、尾骨を床に引き下げると安心です。〈回数:5呼吸〉
【体幹の強化&足の引き締め】「ウトカタ・アーサナ/椅子のポーズ」
◆効果
・体幹の強化
・足の引き締め
・集中力UP
・倦怠感軽減
・リフレッシュ
STEP 1:足を揃えて立つ。

▲足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)で床を押し、重心はかかと寄りに! 頭頂を引き上げたら、肩をまわすように後ろに引いて、肩甲骨を下げましょう。
さらに、尾骨を床に向けて下げ、骨盤を立てます。
STEP 2:腰を落とす。

▲手を腰に添えます。背筋を伸ばしたまま腰を落とし、股関節とひざを90度に曲げましょう。
STEP 3:両腕を上げる。

▲手の指先からお尻まで、斜め一直線になるように腕を上げましょう。
足裏に均等に体重を乗せ、左右のひざの内側をギュッと押し合うと、バランスを取りやすくなります。〈回数:5呼吸〉
頭上で合掌してもOK。

▲頭の上で手のひらを合わせて合掌し、目線を上げてもOK。
【骨盤調整】「プラサリータ・パードッターナ・アーサナ/立位の開脚前屈」
◆効果
・血行促進
・骨盤調整
・内臓機能を高める
・足の引き締め
・頭を下に向けることで、気持ちを静める
STEP 1:足を大きく開いて立つ。

▲足裏全体に、バランス良く体重が乗る足幅にセット! 足先は正面に向けます。
STEP 2:手を腰に添え、上体を前に倒す。

▲まずは、半分ほど前屈してみましょう。背中が丸まっていないことを確認します。
STEP 3:深く前屈する。

▲前屈を深め、頭頂を床に近づけます。太ももを引き上げたら頭を床につける、もしくはツラくない角度で前屈をしましょう。
前屈の深さよりも、胸の開き・背筋が伸びていることを優先します。〈回数:5呼吸〉
【気持ちを安定させる】「ウッティタ・トリコーナ・アーサナ/三角のポーズ」
◆効果
・体幹の強化
・股関節の柔軟性UP
・体側のストレッチ
・気持ちを安定させる
STEP 1:腕と足を大きく開いて立つ。

▲足は腰幅の2倍を目安に、大きく開きます。右つま先を真横に、左つま先は正面に向けましょう。
腕は肩の高さで、床と水平にします。
STEP 2:上体を右にスライド。

▲上体を右・前方ギリギリまでスライドします。右股関節周辺にシワが入るくらい、しっかり引き込みましょう。
ヘソを下に向けないように!
STEP 3:右手・指先を床につく。

▲右手の指先を床につきます。肩の真下に手がくるようにしましょう。姿勢がツラい場合、右手は右すねやひざについてもOK。
左腕を真上に伸ばし、手の指先同士が一直線になるように姿勢を整えます。目線は左手・指先で、頭頂が真横に引っ張られるようなイメージ。<回数:5呼吸>
反対側もおこないます。
【体側のストレッチ】「ウッティタ・パールシュヴァコーナ・アーサナ/体側を伸ばすポーズ」
<効果>
●体幹の強化
●体側のストレッチ
●内臓機能の活性化
●股関節の柔軟性UP
●下半身の引き締め
STEP 1:腕と足を大きく開いて立つ。

▲足は、腰幅の2倍を目安に開きます。手首の下に足がくるのが理想です。右太ももを外側に回転させ、ひざ頭と足先を真横に向けましょう。左つま先は正面です。
腕は肩の高さで、床と水平にします。
STEP 2:右ひざを90度に曲げたら右手を床につき、左腕を頭の先に伸ばす。

▲90度に曲げた右ひざの下にかかとがくるように、姿勢を整えます。右手の指先は、右くるぶしの外側につきましょう。
左腕を頭の先に伸ばし、手の指先~左足まで斜め一直線の姿勢をキープ。左足は小指側でもしっかり床を踏んで、体側を大きく伸ばします。〈回数:5呼吸〉
反対側もおこないましょう。
以上、「アシュタンガヨガ」のクラスに出てくる基本のポーズをご紹介しました。全身を大きく動かすポーズが多いので、ストレッチなどをした後に無理のない範囲でおこなってみてくださいね。

ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。
趣味はボルダリング!



