目次Contents
不調は「骨盤の歪み」のせい?
さまざまな影響を与える骨盤の歪み。体のバランスが悪い、なんだか体がだるい、冷えが気になる…。など、女性のお悩みは「骨盤」がカギを握っているかもしれません。
〈POINT〉
・骨盤が歪む原因や影響を知ろう
・骨盤を整えるストレッチや筋トレを取り入れて
・骨盤矯正をサポートするグッズを使う
【原因】骨盤の歪みはタイプによって変わる
骨盤の歪みは大きく分けて3タイプ。まずはその種類と原因をチェックしてみましょう。
◆「開閉骨盤」の原因
開閉骨盤とは、左右どちらかの骨盤に開きが認められる状態のことを言います。原因は、加齢による筋肉量の減少、筋肉の緊張、あぐら、脚の組みなどがあると言われています。
◆「前後骨盤」の原因
前後骨盤とは骨盤の前後に歪みが生じること。骨盤まわりや太ももまわりの筋肉の強さ・硬さに左右差があると、この前後骨盤が起こりやすいと言われています。
他にも立ったままで作業する際片脚を前に出したり、デスクワーク中に体が左右どちらかを向いて座ったりしている場合も注意が必要です。
◆「上下骨盤」の原因
骨盤の片側一方が上がってしまい、上下に歪みが生じるタイプです。脚を組んで座り骨盤周辺の筋肉がねじれたり、骨盤そのものが傾いたりするのが原因だと言われています。
【骨盤どのタイプ?】歪み別セルフチェック&ストレッチするならこれ!
【症状】骨盤が歪むとどうなる?
実際に骨盤が歪んでしまうと、どんな症状が起きやすくなるのでしょうか。健康だけでなく、美を意識する女性は目を背けられない影響もあります。自覚症状がない人もしっかりチェックしておきましょう。
◆カラダが冷えやすい
なかなか改善されず長期化している〝冷え〟は、骨盤の歪みによって血液循環が不安定になり、内臓の機能が低下しているサインかもしれません。
◆腰痛やむくみが長期化する
腰のまわりの筋肉に負荷がかかりやすい骨盤の歪み。そのため、筋肉が凝り固まり、不要な水分・塩分の代謝が悪くなることで、腰の重みや痛み、手足のむくみを感じやすくなります。
◆妊活の成果が出にくい
骨盤は正しい位置にあるからこそ、体全体に必要な栄養を届けることができます。さまざまな妊活法を試しても成果が出ない場合は、骨盤の歪みが影響しているかもしれません。
骨盤のゆがみでココロもカラダも不調に… 自覚症状は?【医師監修】
【チェック】あなたの骨盤は歪んでいる?
あなたは骨盤が歪んでいるのか、歪んでいるとしたらどのタイプなのか、自分の骨盤をチェックしてみましょう。
◆骨盤の「後傾」チェック方法
まずは骨盤の「後傾」をチェックしてみましょう。
1. 平らな床に仰向けで寝る。
2. 腰と床の間に手のひらを入れる。
手のひらが1枚ちょうど入るようならニュートラル、入らなければ後傾している可能性大です。逆にスペースが余るなら骨盤は前傾気味。反り腰になっていて腰痛が出やすい傾向があります。
【骨盤後傾セルフチェック付き】歪み改善のストレッチを姿勢別に紹介!
◆「開閉骨盤」のチェック方法
1. 仰向けになって脚幅を取り、足先を内と外にパタパタ倒す。
2. 何度か繰り返し脚を脱力させた状態で角度をチェックする。
左右同程度で大きく開きすぎていない場合は、開閉の歪み少なめ。どちらかの足先が外側に倒れている場合は、開閉の歪みありと考えられます。
◆「前後骨盤」のチェック方法
1. 脚を揃えて立ったら目を閉じる。
2. その場で1分間足踏みをする。
1分後、動きを止めて体がどの方向を向いているかをチェックします。左側にまわっていた場合、右の骨盤が前に出ている可能性あり。右側にまわっている場合は、左の骨盤が前に出ている可能性があります。
◆「上下骨盤」のチェック方法
1. 鏡の前に立ったら、尖った部分の上前腸骨棘に手を添える。
2. 左右の手の位置の高さをチェックする。
どちらかが下がっている場合、上下に歪みがあると判断できます。
【骨盤どのタイプ?】歪み別セルフチェック&ストレッチするならこれ!
【ストレッチ】骨盤の歪みを整える
なんとなく調子が悪い・重たい・だるい。そんな体の不調をやわらげて整えるストレッチ。負荷がかかっている部分や、あまり動かさない部分をほぐしてケアをしましょう。
◆「合せき」のポーズ+前屈のストレッチ
お尻まわりの筋肉を緩めて歪みを減らす!
1. 足の裏同士を合わせて座ります。左右の座骨で床をとらえる感覚をつかんでから、両足の裏をつけ、足の甲を持ちましょう。かかとは恥骨に引き寄せ、両ひざは床に近づけて。
2. 上体を軽く前傾させたら手を床につきます。そのまま手のひらを上に向けて。
3. 息を吐きながら前屈し、無理のない範囲で前屈を深めていきます。お尻まわりの筋肉が伸びていることを感じましょう。このまま呼吸を5〜10回繰り返します。
今すぐできる〝骨盤を立てる座り方〟ヨガ&ストレッチも取り入れて、お腹スッキリ
◆股関節中心のうつ伏せストレッチ
開閉骨盤の歪みに効果的なストレッチ!
1. うつ伏せになったら両手を重ねた上に額をのせます。脚は肩幅程度に開いて。
2. 骨盤の閉じが気になるほうのひざを曲げ、外に開きましょう。息を吸いながらひざを上体の方へ引き上げ、息を吐きながら緩めていきます。
3. 骨盤が閉じているほうを重点的にストレッチしましょう。
◆エア自転車こぎ
前後骨盤に効果的なエクササイズ!
1. ひざを立て、仰向けで寝ます。恥骨を軽く突き上げて。
2. 両脚を床から持ち上げたら、自転車をこぐように脚を大きくゆっくり動かします。
3. 足先・かかとの力を抜き、骨盤周辺の動きを意識しながら前まわりと後ろまわりを、それぞれ10〜20回繰り返しましょう。
◆三日月のポーズ
上下骨盤に効果的なストレッチ!
1. ひざ立ちになったら、手を腰に添えます。腰が反りすぎないよう、尾骨を引き下げましょう。
2. 骨盤が下がっているほうの脚を前に踏み込みます。ひざの下にかかとがくるようにし、反対の足の甲は寝かせます。
3. 息を吸いながら両腕を頭の上に伸ばし、息を吐きながら上体を後屈させていきましょう。腸腰筋によって上がっているほうの骨盤を引き下げます。腰の反らせすぎに気をつけながら呼吸を5〜10回繰り返して。
【骨盤どのタイプ?】歪み別セルフチェック&ストレッチするならこれ!
◆骨盤底筋群にアプローチするストレッチ
吐く息で膣を締め、姿勢を安定させるのに重要な「骨盤底筋群」にアプローチ!
1. 両足を広めに開き、つま先をやや外側に向けて立ちます。
2. 息を吐きながら両手を床につけ、上体を倒しましょう。キツい方はひざを軽く曲げたり指先だけをつけたりしてもOK。
3. 重心を垂直に落としその場にしゃがみます。尾骨は下に向けて。
4. 胸の前で手のひらを合わせ、ひじでひざを押して外側に脚を開きます。背筋を伸ばして、目線は正面。呼吸を5回繰り返し、息を吐くときに膣を閉めましょう。
ダイエット中こそストレッチ!「下腹ぽっこり」に効くストレッチ3選
◆仰向けで腹部をねじるストレッチ
腹横筋と骨盤底筋群を意識しながら、お腹まわりをストレッチ!
1. ひざを立てて仰向けになります。足は閉じておきましょう。
2. 息を吐きながら両脚を右側に倒します。腰や背中に痛みを感じる場合は、ストレッチを深めすぎないよう注意して。
3. 息を吸いながら両脚を中央に戻し、息を吐きながら今度は左側に倒していきます。呼吸に合わせ、この動きを5回ほど繰り返しましょう。
大人の下腹ぽっこりにアプローチ! ヨガ講師直伝【お腹痩せストレッチ】
◆マラーサナ
「マタニティヨガとしても注目されているマラーサナは、骨盤まわりの筋力と柔軟性をつけ、血行を良くしながら、子宮や卵巣の機能を活性化する効果が期待できます」(医師・杉山力一先生)
1. 両足を広めに開いて立ち、姿勢を正します。
2. 上半身をゆっくりと下ろし、しゃがみます。
3. 胸の前で合掌のポーズをしましょう。
4. 両ひじでひざをグッと押しながら、背筋を伸ばして姿勢を整えます。
◆お尻ストレッチ
凝り固まったお尻をしっかりストレッチすれば、骨盤の歪みや腰痛の改善が期待できます。
1. 丹田に力を入れて坐骨をまっすぐ立てるように椅子に座り、片方の足を、もう片方のひざの上にのせます。
2. 息をゆっくり吐きながら上半身を45度くらい前傾して、10秒間キープ。
※背中を丸めず、お尻から頭頂までまっすぐに保ちながら前に倒すのがポイント。
◆スワンのポーズ
骨盤まわりの筋肉をほぐしながら、体を温めて血液の流れをアップ!
1. あぐらを組み、かかとがおへその延長線上にくるように片足を前に出します。
2. 息を吸って、吐きながら上体を前に倒して両手を前につきます。このまま3回呼吸を。
3. 体勢をキープしながら、上体を右に移動させて両手を右斜め前につきます。このまま3回呼吸を。
※反対側も同様に行いましょう。
【筋トレ】骨盤まわりを安定させる
骨盤を安定させるためには柔軟性だけでなく骨盤周辺の筋力も重要です。そのために、ストレッチと並行して筋トレもぜひ取り入れてみましょう。
◆腹横筋のトレーニング
肋骨や骨盤、背中の筋膜からお腹を包むようにつながっている筋肉「腹横筋」を鍛える筋トレ!
1. ひざを立てて仰向けになります。両腕は天井に向かって持ち上げましょう。足は腰幅に開き、骨盤は軽く後傾させ、恥骨を突き上げましょう。
2. 息を吐きながら腰のあたりまでを目安に上体を起こします。腹部に効いた部分で姿勢をキープして。
3. そのまま息を吐きながら上体を右に向けます。左右のお尻に均等に体重をのせ、体が傾かないように意識しましょう。このまま呼吸を5〜10回繰り返したら、上体を左に向け同様にキープ。
【くびれ】に必要な3要素は? 今日からできる筋トレ&ストレッチも伝授!
【グッズ】骨盤安定のお役立ち品
座るだけ・はくだけで骨盤矯正をサポートする便利なアイテムも実はあります。ヨガに通う時間がない、ストレッチがなかなか続かない。そんな人はグッズを取り入れるのもひとつの手。
◆西川|Keeps〈キープス〉 クッション
長年にわたる睡眠科学の研究を通じて開発された〝お尻のまくら〟。仙骨を適度に押して骨盤を正しい角度へと導き、坐骨をピッタリとはめて滑りを抑制。さらに大腿部にかかる圧力を分散させて疲れにくさを実現。骨盤の立った理想の座姿勢をつくってキープしてくれます。
寝具メーカー 西川が開発! 理想の姿勢へ導く“お尻のまくら”を2名様にプレゼント!
◆カラダファクトリー|座善 The Zen 骨盤サポート チェアクッション
ただ座るだけじゃなく、よい姿勢に導くクッション。仙骨を押し上げて骨盤が立った理想の状態に。
イスにのせるだけ。在宅作業がはかどりそうなアイテムです。
在宅ワーク作業環境を改善!「骨盤サポート チェアクッション」
最後に
ちょっとした日々の積み重ねが原因で歪んでしまう骨盤。まずは原因を知り、簡単な調整方法を取り入れることで骨盤を矯正することができますよ。ぜひ取り入れてみてください。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
▼あわせて読みたい