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腸活にストレッチが効くのは、なぜ?
腸活とは、腸内環境を整えるためにおこなうさまざまな活動のこと。例えば、バランスの良い食事や適度な運動、質の高い睡眠を取ることなどが挙げられます。では、腸内環境が整うと、どのような効果に期待できるのでしょうか。
腸内環境が整うと、どうなる?
腸内に存在する細菌は、大きく分けて善玉菌、悪玉菌、日和見菌(人間の体にとって、有益でも有害でもない菌)の3つ。「腸内環境が良い」と聞くと、善玉菌が多い状態をイメージしますが、実は理想的なバランスは「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」のバランスだといわれています。悪玉菌は、善玉菌だけでは歯が立たない病原菌を撃退することもあるため、一定の割合で必要なのです。
そして、腸活によって腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境が整うと、次のような効果に期待することができます。
・便秘解消/お腹の悩みの解消(ガスがたまる…など)
・肌荒れの緩和
・肥満を防いで、ダイエット効果
・免疫力アップ
・睡眠の質の向上
・心の健康
腸は、脳とも密接に関係し、お互いに影響を及ぼし合っています(脳腸相関)。腸内環境は、体の健康面のみならず、心の健康にも関わりがあるのです。
ストレッチは、お腹のまわりを伸ばしたり、ねじったりして腸に刺激を与えることで、鈍っていた腸の働きを活発にさせる腸活のひとつでもあります。ここからは、起きてすぐにできる簡単な腸活ストレッチや、便秘対策に効果を期待できるストレッチのやり方をご紹介します。
起きてすぐベッドでできる! 寝ながらガス抜きストレッチ
起床後、腸内にたまっているガスや内容物を移動させ、大腸の蠕動(ぜんどう)運動をうながすストレッチはこちら。
1:仰向けでおこなうヨガの「ガス抜きのポーズ」
STEP 1:仰向けになりひざを立てる
脚を揃え、ひざを立てます。恥骨を突き上げて、腰を床に下ろしましょう。あごを引いて首のうしろをスッと伸ばすと、姿勢が楽になります。
STEP 2:【息を吸いながら】両ひざを胸に引き寄せる
呼吸の妨げにならない程度に手でひざを抱える、ヨガの「ガス抜きのポーズ」です。お尻を床から軽く浮かせ、腰を丸めましょう。お腹が苦しい場合、ひざを少し開いてもOK。〈回数:呼吸を5回〉
STEP 3:体を左右に転がす
腹部に適度な圧を感じながら、体を左右にコロコロと転がします。背骨や背骨周辺の筋肉をベッド、床に押し付けるようにすると〇! 〈回数:5~10回〉
2:うつ伏せで腹部を縦に引き伸ばすストレッチ
STEP 1:うつ伏せになり上体を起こす
うつ伏せになり、脚は腰幅に開きます。肩の下にひじをついて、上体を起こしましょう。肩をうしろに開き、左右の肩甲骨を中央に寄せたら、首をスッと長くして目線は正面に向けます。〈回数:呼吸を5回〉
STEP 2:【息を吐きながら】上体を右にねじる
腹部に心地良い刺激を感じられる程度に調節しながら、ねじりを加えます。〈回数:呼吸を5回〉
反対側も同様におこないましょう。
もう少し伸びを感じたい場合は、ひじを伸ばしてもOK。
腰に負担がかかりすぎないように、体の様子を見ながらストレッチしましょう。
和式トイレに座るイメージ。立った姿勢からスタートするストレッチ
次は、便意をうながす効果に期待大“腹部を圧迫刺激する”ストレッチです。
STEP 1:脚を大きく開いて立つ
脚は、ヨガマットの横幅を目安に大きく開きましょう。手は腰に添えます。
STEP 2:【息を吐きながら】お尻を下ろす
尾骨(背骨の延長線)を床に突き刺すようなイメージで、お尻を下ろしていきます。手を体の前につき、姿勢が安定する足幅に調節したら、つま先を外に向けましょう。
STEP 3:【息を吸いながら】右手を頭上に伸ばす
右腕は、肩から真上に伸ばします。
STEP 4:【息を吐きながら】右腕を背中側にまわす
右腕を背中側にまわしてきたら、指先を左わき腹に引っかけて上体を右にねじります。目線は、右肩の先に向けましょう。姿勢がツラい場合、右手を背中に添えるなどして調節します。〈回数:呼吸を5回〉
反対側も同様におこないましょう。
ポイントは呼吸でお腹を動かすこと! 座ったままおこなうストレッチ
吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でへこませる呼吸は、腸を刺激します。ストレッチと呼吸をセットで取り入れて、お腹すっきりを目指しましょう。
STEP 1:両脚を前に伸ばして座る
両手を床について支え、体をアルファベットの“L”の字にします。骨盤を立て、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せたら、頭頂を引き上げて背筋を伸ばしましょう。かかとを突き出して、脚の背面をほど良くストレッチします。
STEP 2:左ひざを立てる
左太ももを、お腹が苦しくないところまで引き寄せます。足の裏は、床につけておきましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を左にねじる
右腕を左脚の外側に添えて押し、腹部のねじりを深めます。胸や顔は軽く向きを変える程度で、腹部から緩やかにねじり上げるイメージです。心地良い呼吸を確保できる姿勢に整えましょう。〈回数:呼吸を5回〉
反対側も同様におこないます。
大腸の蠕動運動が活発になるのは、朝!
最後に
朝、排便を済ませ、すっきりした状態で1日をスタートさせたい──。
実は、腸内の不要物を押し出す大腸の“蠕動運動”が活発になるのは、朝です。
この時間帯にストレッチをするのもいいですし、便意がなくてもトイレに行って座る、さらに温かい飲み物・食べ物を取り、内臓を温めてあげるのもいいでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。