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そもそも、ストレッチの役割とは?
ストレッチ(ストレッチング)=意図的に筋や関節を伸ばす運動のこと。
体の柔軟性を高めるのに効果的であり、準備・整理運動の一要素として用いられることが多いのがストレッチです。また、ストレッチというと、リラクゼーション効果を思い浮かべる方も多いように、体の各部位が伸びることで、何とも言えない心地良さを感じられるのも特徴のひとつ。
では、ストレッチとダイエットの関係についてはどうでしょう。
ストレッチをすることで、ダイエット効果は得られるのか? それとも…。
ストレッチで、痩せる? 痩せない?
まずは、ストレッチには、体にどのような働きかけがあるのかを見ていきましょう。
ストレッチは、ダイエットのサポート的役割を担う
【1】縮みっぱなしの筋肉が伸ばされて、コリが和らぐ
本来、“伸び縮み”をする筋肉ですが、長時間の同一姿勢や姿勢不良などによって、縮んだ状態が続くと、コリが生じます。ストレッチをすることで、縮んだ筋肉を伸ばすと、コリを和らげる効果に期待できるでしょう。
【2】体の可動域が広がって、代謝が上がる
筋肉と骨をつなぐ結合組織。結合組織は、動かさないと硬くなる一方です。反対に、動きが多いと柔軟性が高まり、体の可動域がUP。体をより大きく動かせるようになって運動量が増えると、代謝が上がりやすくなります。
【3】筋肉の緊張が緩み、血流がUP
筋肉が緊張していると、血管が収縮して血流が悪くなります。ストレッチやヨガなどを用いることで、筋肉がほぐれる~血行が良くなる~代謝が上がるといった効果に期待できるでしょう。
【4】リンパの流れが促されて、老廃物が排出される
筋肉が凝っていたり、運動不足で刺激が減っていたりすると、リンパ管に圧がかかりにくくなり、リンパが滞りやすくなります。リンパの流れが良くなると、老廃物が排出されたり、むくみが軽減したりとダイエットにも◎。
【5】副交感神経が優位になり、腸のぜん動運動が活発になる
ゆったりとした呼吸と、心地良い体の伸びによって、副交感神経が優位になると、腸のぜん動運動が活発化。お腹をすっきりさせる効果も狙えます。
【2】~【5】は、ダイエットとの関係も大。とはいえ、ストレッチはダイエットに間接的に関わり、サポートをしてくれているということができます。ダイエット中は、運動や食事内容・生活習慣の見直しに加えて、ストレッチを取り入れることで、より効果を得やすくなるでしょう。
どのくらいで体が変わってくる?
ストレッチをしていると、「伸びて、気持ち良い」と感じるものの、「体への効果が出ているのかわからない」という理由から、断念してしまう方も少なくありませんよね。トレーニングやエクササイズとは異なり、見た目に変化が現われにくいため、「一体、いつから効果が出るの?」とヤキモキしてしまうかもしれません。
これには、個人差があるのですが、正しい姿勢で、しっかりと伸ばすストレッチを継続した場合。筋肉に柔軟性が出てくるのは、だいたい2~3ヶ月後くらいからだと言われています。
ストレッチを始めてすぐの頃は、目に見える効果や、体感としての柔らかさは感じにくいかもしれませんが、体には着実に変化が起こっているので、無理のない範囲で継続することが大事なポイントになってくるのです。
やっぱり気になるのは、お腹痩せ! ストレッチで下腹ぽっこりはスッキリする?
ここからは、ダイエットが気になる体の部位・お腹まわりについて。
アラサー世代の女性に、特に多く見られるようになるのが、下腹ぽっこりです。下腹がぽっこりしてしまう主な理由は、次のとおり。
【1】お腹まわりの筋肉量の減少・筋肉そのものの衰え
【2】猫背の姿勢
【2】骨盤底筋群(骨盤の底に位置する筋肉の総称)の衰え
【1】【2】は、内臓を正しい位置で支えきれず、下垂させる原因になります。すると、腸がほかの臓器の重さで圧迫されて、運動機能が低下。便秘になりやすくなります。
【3】もまた、内臓を支える力を弱める原因のひとつ。「便秘がちではないのに、下腹ぽっこり」という方のなかには、この骨盤底筋群の衰えによって、下腹が出ているケースも見られるので、積極的にアプローチする運動を取り入れるといいかもしれません。
下腹すっきり、ストレッチ3つ
下腹ぽっこりが気になる方にオススメのストレッチを、3つご紹介。
1. 内臓に刺激を与えて、排泄力を高めるヨガ「コブラのポーズ」
STEP 1:うつ伏せになる。
▲足は、腰幅に開きます。両手を胸の横についたら、目線を軽く上げましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】頭を上げ、上体を起こす。
▲背中の筋肉と、腕の力を使って上体を起こします。肩を下げて、首筋を長く保ちましょう。目線は、正面に向けます。
STEP 3:胸の中心を引き上げて、さらに上体を起こす。
▲左右の肩甲骨の下側を引き寄せ、胸を開きます。目線を斜め上に向けて、呼吸を5回ほど繰り返しましょう。腰に痛みがある場合、無理をしないように。
2. お腹を動かす呼吸とセットで! 内臓機能強化&便秘解消には、うつ伏せで寝ながらストレッチ
STEP 1:うつ伏せになる。手足をまっすぐ伸ばす。
▲腕は、体の前に伸ばします。足は、腰幅に開きましょう。
STEP 2:左手で、左足の甲を持つ。
▲左足の甲を上から押さえるように持ち、かかとをお尻に近づけます。まずはここで、呼吸を5回。ポイントは、「息を吸うときは、ヘソで床を押す」「息を吐くときは、ヘソを床から離す」ように、お腹を動かして呼吸をすること。
STEP 3:【息を吐きながら】左肩をうしろに強く引き、左ひざを床から持ち上げる。
▲上体を軽く引き上げてから、左ひざを浮かせましょう。左の太ももは、内側に回転させておきます。まずは、無理なく足を持ち上げられる高さで、呼吸を5回。反対側も同様におこないます。
3. 骨盤底筋群にアプローチ、吐く息で膣を締めて!
STEP 1:両足を広めに開いて立つ。
▲つま先は、やや外側に向けておきます。
STEP 2:【息を吐きながら】両手を床について、上体を前に倒す。
▲下半身の伸びがツラい場合は、ひざを軽く曲げたり、手の指先を床についたりしてもOK。
STEP 3:重心を垂直に落として、しゃがむ。
▲尾骨(お尻の尖った骨)を下に向けましょう。足幅を広くすると、姿勢が安定します。
STEP 4:胸の前で、手のひらを合わせる。
▲それぞれのひじで、ひざの内側を押して、足を外に開きます。背筋を伸ばして、目線は正面に向けましょう。ヨガの「マラーサナのポーズ」で、呼吸を5回繰り返します。ポイントは、息を吐くときに膣を締めること。排尿時、途中で尿を止めるような感覚で、膣全体~肛門をじわじわと引き上げます。
最後に…
以上、ストレッチとダイエットの関係。それと、気になる下腹ぽっこりに効かせるストレッチ&ヨガのポーズのやり方をお伝えしました。ストレッチは、なかなか効果が見えない…。けれど、継続することで、ダイエットの強い味方になってくれますよ!
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。
Instagram:@saori_takagi