目次Contents
血流が悪いって、どういうこと?
「血流が悪い」というのは、文字どおり血液の流れが滞っていること。血液は、私たちが生きていくうえで必要な酸素や栄養物を体中に運び、二酸化炭素や老廃物などいらなくなったものを回収する働きがあるため、血流が悪くなると、体にさまざまな不調が生じやすくなります。
血流が悪いと出る症状
では、血流が悪いと体にはどのような症状が現われるのでしょうか。
体の冷え・むくみ
体温を調節する役割をもつ血液のめぐりが悪くなると、体が冷えやすくなります。末端の毛細血管まで血液が十分に届かなくなるため、手足を中心に冷えやすくなることが考えられるでしょう。
血液のほかに、リンパ液の流れも悪くなると、細胞間に水分・老廃物がたまってむくみも生じます。
筋肉のこり・痛み
血液の流れが滞ると、筋肉にかかる負担によって発生する疲労物質が停滞し、炎症を起こすことから、こり・痛みが生じます。
疲労感
なかなか取れない疲れやダルさもまた、疲労物質の停滞が原因になっていることが考えられます。パソコンやスマートフォンをよく使う場合、目のまわりの血流が悪くなって眼精疲労を引き起こすこともあるでしょう。
ほかにも、便秘や生理不順、肌・髪のトラブルなど健康面だけでなく、美容面におけるさまざまな症状とも関係がある血流。ここからは、血流改善に効果を期待できるストレッチやトレーニング、マッサージのやり方を紹介していきます。
上半身の血流アップ! 座ったままおこなうストレッチ
どこでもできる! 肩まわりの血流を良くするストレッチ
STEP 1:あぐらで座る
骨盤を立て、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せます。下腹部はリラックスさせて座りましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】肩を持ち上げる~【息を吐きながら】ストンと下ろす
息を吸いながら、肩を耳に近づけるようにグーッと高く持ち上げましょう。指先でひざを押すと、肩を高く上げやすくなります。息を吐きながら、脱力&肩をストンと下ろしましょう。〈回数:呼吸に合わせて5回〉
体側や肩・背中を広範囲でほぐす! 疲労の緩和にも〇なストレッチ
STEP 1:あぐらで座り、頭のうしろで両手の指を組む
ストレッチ1と同様に、あぐらの姿勢を整えます。両手を後頭部に添えたら、指を組みましょう。ひじをうしろに引いて、胸を開きます。
STEP 2:【息を吐きながら】左に側屈する
左ひじを左ひざに近づけるように、上体を側屈させます。胸は開いたまま右ひじを高くし、目線はその先に向けましょう。上体の心地良い伸びと、呼吸の深まりを感じます。〈回数:呼吸を5~10回〉
反対側も同様におこないましょう。
さらに呼吸を深めたい場合。両手を背中側にまわして、手の指を組む~【息を吐きながら】胸を突き出すストレッチもプラスしてみましょう。
腰のあたりで手の指を組みます。吐く息に合わせてゆっくり目線を上げ、胸を突き出しましょう。あごを上げて、のど〜胸の開きを感じます。手を体から離して斜め下に引っ張り、肩甲骨まわりのストレッチをするのもおすすめ。〈回数:呼吸を5~10回〉
どちらのストレッチもここではあぐらでおこないましたが、椅子に座った姿勢でストレッチしてもOKです。
ポイントはふくらはぎ! 全身の血流アップを狙うストレッチ&トレーニング
次は、下半身のストレッチ&トレーニングです。ポイントとなるふくらはぎは、血液を心臓に送り返すポンプの役割をもち、下半身だけでなく全身の血流アップに働くパーツ。心地良い伸びと刺激を感じながら、ストレッチ・トレーニングをしていきましょう。
ふくらはぎから血流をアップするストレッチ
STEP 1:ひざ立ちになる
脚は腰幅に開き、つま先を立てます。手は腰に添えましょう。
STEP 2:右脚を大きく前に踏み込む
右脚は90度。ひざの下にかかとがくるように、脚の位置をセットします。
STEP 3:【息を吐きながら】お尻をうしろに引く
両手を右脚の横についたら、息を吐きながらお尻をうしろに引きます。無理のない範囲で右ひざを伸ばしていき、つま先を上に向けましょう。右脚の伸びがツラい場合、ひざを軽く曲げて姿勢を緩めます。〈回数:呼吸を5回〉
反対側も同様におこないます。
ふくらはぎから血流をアップするトレーニング
STEP 1:四つ這いになる
手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。ヘソを引き上げて、背中を平らにしましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】お尻を引き上げる
お尻を斜め上に引き上げ、ひざを伸ばしてヨガの「ダウンドッグ」のポーズ。手からお尻までが、斜め一直線の姿勢を取ります。ひざが曲がってもいいので、できるだけ背中をまっすぐにしましょう。肩を外側に回転させ、脇を締めるとgood! まずは、ダウンドッグで呼吸を5回ほど繰り返します。
STEP 3:その場で足踏みをする
片方ずつ、ひざを深く曲げて足踏みをします。足首やふくらはぎ、ひざ・太ももの裏側などに、心地良い伸びと刺激を感じましょう。〈回数:10回〉
STEP 3の姿勢がツラい場合、手足の位置を離して足踏みをしてもOK。
手のつけ根で強く床を押し、姿勢を安定させましょう。すべりやすい床の上ではおこなわないこと!
ふくらはぎが硬いときのマッサージ
ふくらはぎが硬くなっているときは、マッサージをしてみましょう。
STEP 1:親指と残りの4指(人差し指、中指、薬指、小指)で足首のあたりを下から挟むようにしてつかみ、下~上に揉みほぐす
痛くなりすぎない程度に、指先でしっかり圧をかけながらおこないます。〈回数:下~上に、3~10回〉
STEP 2:両手の指で足首を包み込むようにしたら、下~上にさすり上げる
手がひざの下まできたら、角度を変えて、ひざ裏に指先を流します。途中で手を離さないこと!〈回数:5~20回〉
反対側も同様におこないましょう。
血流が悪くなる主な原因・まとめ
最後に、血流が悪くなる主な原因を挙げていきます。
・運動不足(デスクワークで長時間座りっぱなし…など)
・水分不足
・食生活の乱れ
・不規則な生活習慣
・締めつけが強い衣類の着用
・ストレス
・喫煙
一気に改善するのは難しいですが、まずはその場でできるような血流を良くする運動(ストレッチを含む)をしてみたり、できるだけ起床・就寝時間を揃える、自宅で過ごすときは心身ともにリラックスできるゆったりとした服を着るなど、可能なことから取り入れてみるといいでしょう。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。