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食からアンチエイジングにアプローチする方法は?
重力と同じぐらい抗えないのが老化現象。身体を作るのは、日々取り入れる食べ物。毎日摂取する食べ物に、ちょっと目を向けてみませんか? この記事では、食の面から「若返り」にアプローチ!
身体が衰えていく原因から、アンチエイジングに効果的な食材・飲み物を紹介します。
〈POINT〉
・体の老化の原因は糖化現象
・肌や体のアンチエイジングには抗酸化作用がおすすめ
・ポイントはポリフェノールとビタミン
栄養素|老化スピードを抑えるために摂るべきなのは?
毎日摂取する食事は、身体を作る重要なもの。どんな栄養素が身体にどんな影響をもたらすのか、老化スピードを抑える栄養素をチェックしましょう。
ビタミンA
ほうれん草やにんじんといった緑黄色野菜にはβカロテンという成分が含まれており、このβカロテンが体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは抗酸化作用を持つビタミンのひとつ。アンチエイジングだけでなく、ガンや動脈硬化、風邪の予防、免疫機能を正常に保つ役割も果たしています。
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ビタミンC
ビタミンCも抗酸化作用を持ちます。ビタミンA同様、活性酸素から体を守り、錆びつかないようにしてくれます。免疫力のアップや抗ストレス作用、コラーゲンの合成をサポートすることで美肌へと導いてくれるので、若返りを求める人にぴったり。
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ビタミンE
ビタミンEには強い抗酸化作用があります。老化や病気から身体を守るビタミンです。
ここまで説明してきた抗酸化作用を持つビタミンA・ビタミンC・ビタミンEの3つを総称して「ビタミンACE(エース)」と呼びます。単独で摂るのではなく合わせて摂取することで、より高い抗酸化作用が期待できると言われているのです。
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タンパク質
タンパク質は肌や髪、爪、筋肉などを作る役割があり、生きるうえで欠かせない栄養のひとつです。肌の弾力に関係するコラーゲンの材料はアミノ酸。動物性のタンパク質にはこのアミノ酸が含まれています。
動物性のタンパク質とはたとえば、肉類・魚介類・卵・乳製品などが当てはまります。ほとんどの食品に9種類の必須アミノ酸が含まれており、植物性のタンパク質よりも体内への吸収率が高いのが特徴です。
ただし、脂質が多いのも動物性タンパク質の特徴。摂りすぎには注意し、植物性タンパク質と合わせてバランスよく摂取することをおすすめします。
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ポリフェノール
実はポリフェノールにもアンチエイジング効果を持つ抗酸化作用が含まれています。たとえばコーヒーにはポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」が含まれており、生命維持に必要な営みに伴い出てしまう体内の「ゴミ」や「毒」を掃除してくれる役割があります。
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OK食べ物|若返りたい人が積極的に摂取したいもの
身体を若返らせるには、毎日の食事を意識することが近道です。ここでは、アンチエイジングに効果的な栄養素を含む食材をピックアップ! これらを毎日上手に摂取すれば、若々しい体をキープできますよ。
ほうれん草
ほうれん草は抗酸化作用を持ち、若々しい髪や皮膚の維持に役立つβ-カロテンや、肌荒れの改善・免疫力のアップに役立つビタミンCなど、健康や美の維持に嬉しい栄養素が豊富に含まれています。
その栄養価の高さから、最強のアンチエイジングとも称される食べ物としても知られています。
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うなぎ
うなぎには筋肉や髪、肌を作るために重要なタンパク質や、美肌効果が期待できるビタミンAの一種であるレチノール、骨や歯を形成するのに欠かせないカルシウムと、栄養がとにかく豊富。
タンパク質は納豆や豆腐、おからといったタンパク質食材をも上回る高い数値です。
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キウイ
グリーンキウイ・ゴールドキウイともに、若返りビタミンとも呼ばれるビタミンEが含まれています。含有量はゴールドキウイのほうが比較的多めです。
ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることで抗酸化作用が高まりますが、キウイはこのビタミンEとCの2つを一緒に摂ることが可能です。
ビタミンCの含有量もゴールドキウイが多め。1個食べるだけで1日に必要なビタミンC、約100mg以上の摂取ができます。
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カボチャ
カボチャはビタミンやミネラルが豊富。例えばビタミンCやビタミンE、β-カロテン、ビタミンB1・B2、カルシウム、鉄などです。
ビタミンC・ビタミンE・βカロテンはビタミンエース(ACE)と呼ばれる三大抗酸化ビタミン。同時に摂取することができるカボチャは、より高いエイジング効果や免疫力アップ効果が見込めるのです。
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たこ
たこにはビタミンEがたっぷり含まれています。30代女性の1日のビタミンE摂取目安量は5.5mgのなか、たこ100gには1.9gも含まれているのです。
また、たこには亜鉛も含まれています。亜鉛にはビタミンAの代謝を促す効果があるので、アンチエイジングが期待できます。
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サーモン
サーモンにはアスタキサンチンが含まれています。
アスタキサンチンは非常に強い抗酸化作用があることで知られており、紫外線による酸化を防いで、メラニン生成を阻害する働きがあります。
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ブロッコリー スーパースプラウト
ブロッコリー スーパースプラウトは、米国ジョンズ・ホプキンス大学で開発された、有用成分「スルフォラファン」を一般的なブロッコリーの20倍以上含んだ「高成分野菜」です。見た目や体調等に衰えを生じさせる原因物質のひとつ「AGE量」を減少させる効果が期待できるそう。
■「ブロッコリー スーパースプラウト」の研究結果
健康な男女25人に「ブロッコリー スーパースプラウト」を1日25gを2ヵ月摂取してもらい、血中のAGE量を測定する臨床試験を行ったところ、25人中22人が血中のAGE量が減少。過去1~2ヶ月の血糖値を反映するHbA1cの数値も低下するという研究結果があります。
■調理方法
「ブロッコリー スーパースプラウト」は、いわゆるブロッコリーの新芽(かいわれ)。かいわれ大根のようにレシピにプラスすればOK。
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NG食べ物|できるだけ避けたい老化を早めるもの
アンチエイジングが期待できる食べ物がある一方、老化を早めてしまうものも…。アンチエイジングの名医に、体を老化させる原因になる食べ物について教えていただきます。
教えてくれたのは… 医学博士の山岸昌一先生
山岸昌一 先生医学博士、内科医。昭和大学医学部 糖尿病代謝内分泌内科 主任教授 及び 昭和大学付属病院 糖尿病・代謝・内分泌内科 診療科長。
AGEを多く含む食べ物は老化を促進させる
体を構成するタンパク質と糖が結びつくと「糖化現象」が進みます。体を糖化させるタンパク質のことを「AGE」と言い、この「AGE」を食生活でコントロールすることで、肌のシミやしわ・たるみ・骨粗しょう症などの体の老化を防げる可能性があります。
AGEが体内にたまる仕組み
1. 体内でつくられる「内因性AGE」
麺類や甘いものなどを摂った際の血糖値の上昇が糖化を促進。この状態が長く続くとAGEがどんどん作られ、たまっていきます。
2. 食べ物から体内に入る「外因性AGE」
食べ物に含まれているAGEを過剰に摂ることで体内にたまっていきます。
揚げ物、焼き物はAGEを多く含む
AGEが多い食べ物の特徴は、焼いたり揚げたりした食べ物や高温で長時間調理した料理。
山岸先生によると、高温で長時間調理をするほどAGEが増加するので、外食の際は、低温かつ短い時間で調理した料理を選ぶのがベスト。自宅でも蒸し料理や煮物を増やすのがおすすめです。
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例えばこんな食べ物
加工肉
例えばベーコン。ベーコンは豚バラ肉からできているので、タンパク質が豊富でビタミン類も含まれていますが、高温調理することで老化を促進させるAGEが発生します。
ソーセージやハムも同様。食べるのならこんがり焼かずにいただくことをおすすめします。
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揚げ物
エビフライやアジフライ、とんかつ、唐揚げなど、揚げ物も高温調理が原因で、老化の元凶であるAGEが増えると言われています。
揚げ物を食べる回数はできるだけ限定し、食べる際はぜひ抗酸化作用が強い栄養素を含む食べ物と一緒にいただきましょう。
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「レモン汁」で糖化現象を食い止めることも可能
日々の生活の中から、揚げ物などの高温で長時間調理した料理すべてを排除するというのは難しいですよね。糖化現象・老化現象の予防に効果的な食べ方は、「レモン汁」を使うこと。
「お肉の重量の1/4のレモン汁にお肉を1時間ほど浸して下処理をしておくことで、AGEを約40〜60%減らすことができます。それは、レモンに含まれるクエン酸がたんぱく質と糖が結びつくのを抑えて、AGEの発生を抑制してくれる働きがあるためです。レモンを絞っても市販のレモン汁を活用してもよいでしょう」(山岸先生)
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糖質が多いものにも注意して
糖質の大量摂取も老化につながると言われています。
例えばアイスクリーム。アイスクリーム100gには糖質が23.1gも含まれています。糖質カットとうたっている商品でも、人工甘味料を使用している場合が多々あるため注意が必要です。
甘くなくてもポテトチップスのようなスナック菓子も△ 主食が甘いパンだったり、白米・パスタなどを大量に食べたりする人も要注意です。
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注意点|若返りはさまざまな努力の結晶
若返りに役立つ食べ物を紹介しましたが、これだけ食べれば若返るというものではありません。
若返りに作用する栄養素が含まれていても、カロリーが高かったり脂質もたっぷりだったり。健康を維持するために必要な栄養素をすべて含んでいるわけでもありません。
老けないためには食べ物の「バランス」も重要なのです。
また、日常生活においても夜更かしをしない、喫煙をしない、適度な運動習慣を持つ、紫外線対策を行う、ストレスを溜めない工夫をする… etc、老けないための努力が必要です。
何かひとつを取り入れたから若返るのではないことを頭に入れ、少しずつ見直せる部分を改善していきましょう。
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最後に
自分の身体を作るのは、日々体内に取り入れる食事。運動やスキンケアも大切ですが、アンチエイジングは食事も重要。老化を完全に防ぐことは難しいですが、生活習慣をちょっと意識するだけで、若返り効果を得られる食べ物や食べ方はたくさんあります。ぜひ今日から積極的に取り入れて、いつまでも若々しい体を保ちましょう。
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