目次Contents
そもそもビタミンCってなに?
ビタミンCは、皮膚の成分であるコラーゲンの生成に必須の栄養素で、“アスコルビン酸”とも呼ばれます。哺乳類の多くは体内でビタミンCを合成することができますが、人間の体内ではほとんど合成できません。ゆえに、食べ物から摂取する必要があるのです。
ビタミン群の中でも「水溶性ビタミン」に分類されるのがビタミンCです。水に溶けてしまうため、ビタミンCは体内に蓄えておくことができません。一度に必要以上の量を摂取しても尿として排出されてしまいます。
日々の食事の中で、必要な量をコンスタントに摂取することが大切です。
ビタミンCの主な役割
ビタミンCは体内でどのような働きをしているのでしょうか。
抗酸化作用
ビタミンCは、抗酸化作用を持っています。抗酸化作用とは、活性酸素から体を守る作用。活性酸素自体は細胞にとって必要なものですが、過剰になると体を錆びさせてしまいます。そのサビから体を守ってくれる働きがビタミンCにはある、ということです。
活性酸素を過剰に発生させる原因として考えられているのが、紫外線やストレス、飲酒、喫煙など。その結果が、しみやシワ・たるみといった肌トラブルにつながります。
また、ビタミンCは強い抗酸化作用を持っているので、しみなどの原因となるメラニン色素の黒色化を防いでくれます。すでに酸化してしまったメラニン色素を元に戻す力もあるので、美容効果も期待できるのだとか。
さらに、健やかな肌に欠かせないコラーゲンの合成も助けます。コラーゲンには皮膚や骨、血管、筋肉などにハリを与える効果があるため、美肌につながるのです。
免疫力アップ
私たちの免疫力には白血球が大きく関わっています。白血球を元気にすれば、免疫力も高めることができるのです。ビタミンCには、白血球の一種であるリンパ球を活性化する働きがあり、さらにウイルスの増殖も抑えてくれます。
抗ストレス作用
ストレスから体を守るホルモンに副腎皮質ホルモンがありますが、ビタミンCはその副腎皮質ホルモンを作るための栄養素でもあります。
先にも述べたように、肌トラブルを起こす活性酸素が増える原因のひとつにストレスが挙げられますが、ビタミンCを摂ることによって、ストレス軽減だけでなく酸化を防ぐこともできるのです。
ビタミンCの摂取量目安
ビタミンCの推奨摂取量は18〜64歳の場合、1日100ミリグラム。ちなみに、推定平均摂取量は1日あたり85ミリグラムですから、全体としてやや足りていない傾向にあるといえます。
反対にビタミンCを摂り過ぎると、吐き気や下痢、胃けいれんなどを起こす場合があるので、注意が必要です。ビタミンC摂取量の安全な上限値は、成人で2,000ミリグラムとなります。
参考:厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』
ビタミンCの多い果物ランキング
ビタミンCは、果物に多いと聞きますね。実際にはどうなのでしょうか。可食部100グラムあたりのビタミンC量が多いものを挙げてみます。
5位:キウイフルーツ(黄肉種)
通称ゴールドキウイなどと呼ばれる黄色のキウイです。140ミリグラムのビタミンCを摂ることができます。ちなみに、緑肉種は71ミリグラムです。同じフルーツなのに、色の違いで約2倍も含有量が変わるなんて驚きですね。
4位:ゆず
皮の部分に160ミリグラムのビタミンCが含まれています。とはいえ、ゆずの皮を100グラムも食べるのは難しいですよね。ちなみに、果汁を飲んだ場合には40ミリグラムのビタミンCを摂取することができます。
3位:グァバ(赤肉種/白肉種)
お茶やジュースなどで馴染み深いグァバ。沖縄では「バンシルー」と呼ばれるトロピカルフルーツです。220ミリグラムのビタミンCを摂ることができます。
2位:アセロラ(甘味種)
鮮やかな果実のアセロラが第2位にランクイン。甘味種はその名の通り甘みが強く、生食に適している種類です。800ミリグラムのビタミンCを摂ることができます。
1位:アセロラ(酸味種)
堂々の1位は…なんと再びアセロラ(酸味種)です。甘味種より酸っぱさが強く、過食部100グラムあたり1700ミリグラムものビタミンCを含んでいます。ただし、傷みやすい生のアセロラはなかなか手に入れるのが難しい果物。買いたい場合はファーマーズマーケットなどをのぞいてみるといいかもしれません。
ビタミンCの多い野菜ランキング
では、野菜でみるとどうでしょうか。同じく、可食部100グラムあたりのビタミンC量で並べてみました。
4位:芽キャベツ
キャベツの変種である芽キャベツ。日本では静岡県が有名な産地として知られている冬の野菜です。160ミリグラムのビタミンCを摂ることができます。
4位:黄ピーマン
ここからはピーマン勢が大量ランクイン。食卓をカラフルに彩ってくれる黄ピーマンですが、油で炒めると160ミリグラムのビタミンCを摂ることができます。
3位:オレンジピーマン
苦みは少なく、甘みがあって食べやすいオレンジピーマン。油で炒めると170ミリグラムのビタミンCを摂ることができます。
2位:赤ピーマン
赤ピーマンは、カラーピーマンの中では一番なじみ深い色ではないでしょうか? 料理のジャンルを問わず大活躍の野菜ですよね。こちらは油で炒めると180ミリグラム、生で食べても170ミリグラムのビタミンCを摂ることができます。
1位:トマピー
ぶっちぎりの第1位は…トマピーです! 「え?トマピーって何?」という方もいらっしゃるかもしれませんね。トマピーは、トマトのような色と形をした新種のパプリカです。生で食べると、なんと200ミリグラムのビタミンCを摂ることができます。
参考:文部科学省 食品成分データベース
ビタミンCの効果的な取り方とは?
ビタミンCは水溶性、つまり水に溶けやすいのです。ですから、調理の際に長時間流水で洗ったり茹でたりすると、たくさん含まれていたとしても結局失われてしまうことになります。
また、先ほども述べた通り、いっぺんに摂っても余剰分は尿として排出されてしまうだけでなく、吸収率そのものが低下してしまうため、なかなか十分な量を摂取するのが難しいのです。
では、どのようにして摂取すると効率的なのでしょうか。
芋類を食べる
じゃがいもやさつまいもなどの芋類に含まれるビタミンCは、比較的熱に強いといわれています。蒸したじゃがいもやさつまいもを食べるのがおすすめです。
フルーツやサラダを食べる
熱や水に弱いビタミンCをたくさん摂るには、そのまま食べられるサラダやフルーツもおすすめ。いちごやトマトなど、丸ごと食べられるものが楽ちん。
サプリメントで摂る
栄養は食べ物で摂るのがベストですが、ビタミンCの必要量が多い人や食生活では十分な摂取が難しい人は、サプリメントを飲むという手段もあります。
※ビタミンCサプリメントは、服用している薬と相互作用が認められたり、またはその働きを阻害したりする可能性があります。摂取する前には、医師、薬剤師、その他医療スタッフに相談することをおすすめします。
意識して摂ることを大切に
ビタミンCは抗酸化作用をはじめ、健やかな毎日を送るためには必須の栄養素です。体内ではほとんど合成できないので、上手に食物から摂取しましょう。
TOP画像/(c)Shutterstock.com