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運動不足じゃないのに股関節が痛い…なぜ?
「股関節が痛い」「運動不足ではないのにどうして?」―。こんなふうに感じたことはありませんか? この股関節の痛み、原因は何なのでしょう。実は、毎日の習慣にしている人も多いあの運動との関係も…。
股関節はスポーツで痛めやすい部位
脚のつけ根にある股関節は、体の中でもっとも大きな関節。胴体と脚をつなぐ大きな役割を担っています。また、股関節は多軸関節で可動域が広いのも特徴のひとつ。そのおかけで、私たちは脚をいろいろな方向に動かすことができるのです。
かたや、股関節は運動によって痛めやすい一面もあります。
地面から脚にかかる衝撃を吸収するため、いわゆる“使いすぎ”によって、痛みが生じることがあるのです。具体的には、ランニングやジャンプ、キック、サイドステップの動きをしたときなどに痛めることが多いと言われています。股関節の使いすぎによって痛みが生じている時は、激しい運動を控えて安静に過ごしましょう。
とはいえ、安静にしていると関節可動域が狭くなったり、周辺の筋肉が硬くなったりして脚を動かしにくくなることも。対処法として、無理のない範囲で低強度のストレッチを取り入れるのもいいでしょう。
ただし、痛みが強い・長引くようであれば専門の医療機関を受診しましょう。痛みの原因が、運動ではない場合も考えられます。
【寝ながら】うつ伏せで脚のつけ根のストレッチ
ここからは、比較的緩やかな股関節のストレッチを紹介していきます。
STEP 1:うつ伏せになる。
▲肩の下にひじをついて、前腕(ひじ~手首)・手のひらを床につけます。脚は腰幅に開きましょう。
STEP 2:左ひざを曲げる。
▲左ひざを曲げたら、股関節の高さを目安に引き上げます。姿勢がツラい場合、無理のない位置でOK。ひざは90度に曲げておくと〇!
STEP 3:左脚を右斜め後方に伸ばす。
▲吸う息に合わせて左脚を床から持ち上げて、ひざを伸ばします。吐く息に合わせて左脚を右斜め後方に伸ばしましょう。上体はあまり動かさず、左脚のつけ根を心地よくストレッチします。
反対側も同様におこないましょう。〈回数:STEP2~STEP 3を呼吸に合わせて5回〉
【寝ながら】横向きでひざを開閉するストレッチ
STEP 1:右体側を下にして横向きになる。
▲右腕は頭の下、左手は体の前にセット。両脚は重ね、ひざを90度に曲げます。
STEP 2:【息を吸いながら】左ひざを立てる~【息を吐きながら】左ひざを閉じる。
▲吸う息に合わせて、左ひざを立てましょう。左足の裏を床につけて、股関節を外側に開くイメージです。
次の吐く息に合わせて、左ひざを前に倒してきます。左ひざが右の骨盤より前に出ない位置で閉じるのがポイント!
体の向きを変えて、反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸に合わせて5~10回〉
【座りながら】股関節をゆるゆる開くストレッチ
ここからは、ヨガブロックを使ったストレッチのやり方をご紹介。股関節を深く曲げすぎないように、やや高さを出しておこないます。ヨガブロックがない場合、厚めの本を重ねてもOKです。
STEP 1:ヨガブロックの上に座る。
▲ヨガブロックの上に、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)を押しつけて座ります。頭頂から腰までをできるだけスッと伸ばし、脚幅を広くします。
STEP 2:胸の前で手のひらを合わせ、ひじでひざを押す。
▲胸の前で合掌をしたら、それぞれのひじをひざの内側に当てます。吐く息に合わせてひじでひざを押し、股関節を緩く開きましょう。〈回数:5~10呼吸〉
STEP 3:手を体の前につく。
▲STEP 1の姿勢に戻ったら、脚幅をさらに広くして両手を体の前につきます。
STEP 4:【息を吐きながら】前屈をする。
▲吐く息に合わせて、上体をゆっくり前に倒していきます。ひざが内側に入ってこないように姿勢を保ちましょう。
余裕がある場合、ひざをもう少し伸ばしてもOK。〈回数:5~10呼吸〉
【座りながら】股関節を内側にまわすストレッチ
ヨガブロックの上に座り、ひざを立てたら、脚を交互に内側に倒す。
▲吐く息に合わせて、左ひざを内側に倒します。股関節を内側にまわすイメージです。吸う息で左ひざを起こしたら、吐く息で右ひざを内側に倒しましょう。〈回数:呼吸に合わせて10回〉
股関節のストレッチをしていて、片方だけ痛い・違和感があるという場合、左右で動かす範囲や回数を変えておこなうのもいいでしょう(左右差が大きくならない程度に)。
股関節が痛い時、してはいけないこと
股関節が痛い時は、次のような動作に注意が必要です。
・長時間同じ姿勢を続ける
・重い物を持ち上げる
・正座やあぐら、和式トイレの使用など股関節を深く曲げる姿勢
ストレッチでは股関節を深く曲げる姿勢を取ることがあるので、体の様子を確認しながら、強度を緩めるなどしておこなうといいでしょう。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。