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その「冷え性」…自律神経の乱れが関係しているかも!?
「現代人は自律神経のバランスが乱れがち」。よく聞くフレーズですが、そもそも自律神経って? バランスが乱れるとどうなるのでしょうか。

自律神経は、交感神経と副交感神経に分けられ、それぞれが相反する働きをすることでバランスを取りながら体を最適な状態に保っています。
ところが、仕事のプレッシャーや人間関係の悩みからくる精神的なストレス、過労、不規則な生活、猛暑・寒暖差といった気温変化、運動不足などが原因となって、自律神経が上手く機能しなくなってしまうことがあるんです。
一般的には、自律神経のバランスが乱れると次のような症状が現われると言われています。
自律神経のバランスの乱れ:セルフチェック
●疲れやすい
●やる気が出ない/気分が滅入りやすい
●集中力が続かない
●頭痛やめまい、立ちくらみがある
●胸が苦しくなったり、息苦しくなったりする
●便秘・下痢気味
●肌が荒れている
●よく眠れない/寝付きが悪い
●風邪をひきやすい
●手足が冷たい
思い当たる項目がある場合、自律神経のバランスが乱れている可能性が考えられます。なかでも今回注目するのは、女性に多く見られる「手足の冷え」です。
※ 心配な症状がある時は自己判断せず、専門の医療機関を受診しましょう。
「冷え性」と自律神経には密接な関係がある
自律神経のうち、交感神経は活動する時に働きます。また強くストレスがかかった時にも優位になり、体の血管を収縮させ、その結果血流量が低下します。すると血液が体の末端まで届きにくくなるため、手や足先が冷えやすくなるのです。
緊張すると手足が冷たくなるのも、そのためです。
自律神経の乱れが関係する冷え性改善には、十分な睡眠、栄養バランスの取れた食生活、そして適度な運動を心がけるほか、深い呼吸とストレッチでリラックスモードへと切り替え、副交感神経を優位にすることも効果的だと言われています。
そこで今回は、夜寝る前にもおすすめなゆったりストレッチをご紹介。胸や体側のストレッチでは呼吸を深め、背中のストレッチでは自律神経の通り道と言われる背骨周辺の筋肉の緊張を緩めていきます。
【四つ這い】呼吸を深める「胸まわり」のストレッチ
STEP 1:四つ這いになる。

▲手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。ひじを軽く緩めて脇を締め、腰で天井を押すイメージで背中を平らにすると◎!
STEP 2:両手を前に伸ばす。

▲手を前に伸ばしたら、両腕をヨガマット幅に広げます。お尻の位置は変えずに、上体を床に近づけましょう。
STEP 3:手のひらを内側に向ける。

▲手のひらを内側に向け、まずは肩や脇の下周辺をストレッチ! 〈回数:5呼吸~〉
姿勢がツラい場合、手の位置を体寄りに戻す、手のひらの角度を調節するなどしてみて。
STEP 4:手のひらを外側に向ける。

▲今度は手のひらをクルッと返して、外側に向けます。胸まわりの心地良い伸びを感じながら、丁寧な呼吸を繰り返しましょう。〈回数:5呼吸~〉
【四つ這い】呼吸を深める「体側」のストレッチ
STEP 1:四つ這いになる。

▲前のストレッチと同様に、四つ這いの基本姿勢を整えます。
STEP 2:右手を左手の前につく。

▲右手の位置は、左手の指先から手のひら1枚分前が目安です。
STEP 3:お尻をうしろに引く。

▲お尻を真うしろにゆっくり引き、かかとに近づけます。両手のひらは床から浮かせず、右脇の下~体側にかけて筋肉がジワジワ伸びるのを感じましょう。〈回数:5呼吸~〉
反対側も同様におこないます。
【仰向け】バナナの形になって自律神経の通り道「背中」のストレッチ
STEP 1:仰向けになり、腕を頭の先に伸ばす。

▲腰で床を押すイメージでグーッと沈み込ませ、反りすぎないように姿勢に気を付けましょう。
STEP 2:左手で右手首をつかみ、右足首を左足首の上に乗せる。

▲手足のポジションを整えたら、左手で右腕を真上に引っ張って、体を縦に優しく引き伸ばします。
STEP 3:上体・脚を左側にずらす。

▲左手で右腕を引っ張りながら上体を左へ、脚も左へずらして、体をバナナのような緩くカーブした形にします。〈回数:5呼吸~〉
背骨や背骨周辺の筋肉の心地良い伸びを感じながら、深~くリラックスしましょう。
反対側も同様におこないます。
【正座】「背中」の緊張を緩める脱力ストレッチ
STEP 1:正座になる。

▲足は重ねず、かかとを自然に開いて座ります。背筋をスッと伸ばしましょう。
STEP 2:上体を前に倒す。

▲両手を肩幅に開いて床につき、体の前に伸ばします。上体を前に倒したら、額を床につけましょう。
STEP 3:両腕を体側に沿わせる。

▲両腕を体側に沿わせ、手のひらを天井に向けます。肩をダラッと脱力させ、肩甲骨周辺や背中を大きく広げましょう。
吸う息で背中を丸く膨らませるイメージで、呼吸を丁寧に送ります。〈回数:5呼吸~〉
寝る前にゆったりストレッチでリラックス
夜におこなう場合は、ここでご紹介したような反動や弾みをつけずに筋肉を伸ばすストレッチが副交感神経を優位にしてくれるのでおすすめ。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。
趣味はボルダリング!