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何日排便がなかったら「便秘」なの?
「便秘」とは、本来体外に排出すべき糞便を、十分量かつ快適に排出できない状態のこと。
では、何日排便がなかったら便秘なのでしょうか。
一般的には3日以上排便がないと便秘が疑われることが多く、『便秘と食習慣(e-ヘルスネット/厚生労働省)』内で取り上げられている「慢性便秘症診療ガイドライン2017」では、自発的な排便回数が週に3回未満であることが、便秘症の診断基準に含まれています。
とはいえ、毎日排便があってもスッキリしない人もいれば、3日排便がなくても不調を感じない人もいるように、排便のペースには個人差があり、回数や頻度だけを目安にしても当てはまらない人もいるでしょう。
適度な運動は「腸の動き」を促す
排便がない日が続いたり、排便があってもスッキリしなかったりすると、お腹が張って苦しい、お腹が痛い、残便感がある、食欲不振、オナラがよく出る、吐き気があるなど、ほかにもさまざまな症状があらわれてツラいですよね。
それだけでなく便が腸内に長くとどまることで腐敗が起こると、腸内環境が悪くなり、肌荒れ・吹き出物やむくみがあらわれやすくなるのも悩ましいところ。便を腸内に長くとどまらせないためには、生活習慣を整えて規則的な排便リズムを作ること、食生活の改善、水分の摂取、そして適度な運動によって血流を促進し、腸の動きをよくするのもおすすめです。
ここからは、お腹を伸ばしたりねじったりして、腸に刺激を与えるヨガのポーズやストレッチ、後半には筋トレとマッサージのやり方もご紹介していきます。
【寝ながら】お腹を伸ばす! 便秘解消ヨガ「スフィンクスのポーズ」
STEP 1:うつ伏せになり、肩の下にひじをつく。
▲うつ伏せになり、脚は腰幅に広げます。肩の下にひじをついたら、上体を軽く起こしましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】頭と胸を持ち上げ、目線を正面に向ける。
▲両手のひらとひじで床を押し、上体を起こします。目線は正面に向け、胸の広がりと腹部の心地いい伸びを感じましょう。〈回数:5呼吸〉
左右の肩甲骨を中央に寄せて胸を開く&肩と耳を遠ざけ、尾骨を床へ押し下げることができるとさらに◎! 余裕がある場合、次の「アザラシのポーズ」へ。
STEP 3:ひじを肩よりも少し前につく。
▲ひじの位置を肩よりも少し前につき直したら、手の指先をワイパーのように動かして外側に向けます。
STEP 4:【息を吸いながら】上体を起こす。
▲手のひらで床を押し、ひじを伸ばして上体を起こします。腹部のさらなる伸びを感じながら、吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でへこませる丁寧な呼吸を繰り返して腸を刺激しましょう。〈回数:5呼吸〉
腰に痛みがなければ、上体を左右にねじってみてもOK。
▲手のつけ根でしっかりと床を押し、肩がすくまないように姿勢を保ちます。〈回数:左右各5呼吸〉
【座りながら】お腹をねじるストレッチ
STEP 1:あぐらで座る。
▲左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて、骨盤を立てて座ります。下腹部と足の力を抜いて、リラックスしましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】右腕を頭上に伸ばす~【息を吐きながら】上体を左にねじる。
▲右腕は肩からスッと真上に伸ばします。吐く息で上体を左に向けたら、左手はお尻のうしろにセット。呼吸をしっかりと確保できる程度にねじります。
ポイントは胸だけがうしろに行かないように、腹部からねじりを加えること。
STEP 3:【息を吐きながら】右手で左ひざをつかみ、ねじりを深める。
▲次の吐く息に合わせて、右腕を斜めに下ろします。右手で左ひざをつかんだら、ひとつねじりを深めましょう。ここでも、腹部を動かしながらゆったりとした呼吸を繰り返します。〈回数:5呼吸〉
反対側も同様におこないましょう。
【立ったまま】起床後の体に気持ちいい! 角度を変えてお腹を刺激するストレッチ
STEP 1:脚を腰幅に開いて立ったら、両腕を頭上に伸ばす。
▲足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)で床を押し、重心をかかと寄りにして立ちます。両腕を頭上に伸ばしたら、手のひらを正面に向けて重ねましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】上体を左に倒す。
▲まずは上体を左・真横に倒します。手を遠くに引っ張るようにして、腹部や体側の心地いい伸びを感じましょう。〈回数:5呼吸〉
STEP 3:【息を吸いながら】右腕をうしろに引き、腹部を斜め前に突き出す。
▲STEP 2の姿勢から、右腕をうしろに引いて腹部を斜め前に突き出します。目線は右斜め上に向け、呼吸を繰り返しましょう。〈回数:5呼吸〉
STEP 4:【息を吐きながら】両腕を左斜め前に下ろす。
▲STEP 3の姿勢から、両腕を左斜め前に下ろしてきます。腕は肩の高さが目安。お腹を丸めた姿勢で呼吸を繰り返しましょう。〈回数:5呼吸〉
STEP 2~STEP 4の反対側も同様におこないます。
【押し出す力UP】きつ過ぎないお腹の筋トレ
続けて、お腹の筋トレをしていきます。
腹部の筋力を高めることは、便を押し出す力を高めることにもつながるので、まずは無理なくおこなえるものから取り入れてみるといいでしょう。
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲脚は揃え、腕は体の横にセット。恥骨を軽く突き上げて骨盤を後傾させ、腰を床に近づけましょう。それでも腰が反りやすい場合、下に丸めたタオルやブランケットを置いてもOK。
STEP 2:【息を吐きながら】脚を床から持ち上げる。
▲脚をゆっくり浮かせたら、すねが床と水平になる位置を目安にストップ! 下腹部に力を入れたまま5秒キープして、脚を床に下ろします。〈回数:10回〉
余裕がある場合
STEP 2の姿勢からひざを伸ばし、脚を上げ下げしてみましょう。
▲腰に力が入りやすいので、手を下腹部に添えておこなってもOK。〈回数:10回×2セット〉
【ベッドの上でできる】マッサージのやり方
マッサージによって、腸に刺激を与えることも可能です。
起床後すぐや寝る前など、ベッドの上でリラックスしたままできるお腹のマッサージがこちら。
※ 手のひら同士をこすり合わせて、温めてからおこなうと〇。
STEP 1:仰向けになり、手のひらで腹部をさする。
▲ヘソを中心に、お腹全体を手のひらでさすります。全身の力を抜いたら、手のひらで円を描くように優しくほぐしていきましょう。〈回数:時計回り・反時計回り各10回〉
STEP 2:親指を使って、ヘソのまわりを押す。
▲ヘソを中心に小さな円を描きながら、指先で押圧します。お腹はデリケートな部位なので、強い力はNG。ゆっくりそっと押しましょう。〈回数:時計回り・反時計回り各10回〉
お腹がスッキリしない感じにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。