目次Contents
しゃがんだときに脚がツラいのはなぜ?
1日の終わりに感じる脚のダル重さ―。
例えば帰宅後、靴を脱ごうとして玄関でしゃがんだときに「脚がツラい…」と感じたのなら、ふくらはぎの筋肉が硬くなっていることが原因のひとつかもしれません。
ふくらはぎの筋肉が硬いとどうなる?
ひざ裏~かかとの骨まで、広い範囲に位置するふくらはぎ。
ふくらはぎと聞くとひとつの筋肉を思い浮かべがちですが、実際には腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋をまとめてこう呼んでいます。
さてこのふくらはぎ、足首を伸ばす、ひざを曲げるなどといった、日常生活での脚を使う動きや運動をサポートするほか、下半身の血流を改善する「第二の心臓」「下半身の心臓」であることでも知られています。
ところが、長時間の運動による筋肉の疲労や、同じ姿勢が続くデスクワークによる脚の血行不良などによってふくらはぎの筋肉が硬くなると、血液循環やリンパ液の巡りが悪化。
その結果、老廃物が蓄積して脚がダルく重く感じられるようになることがあるのです。
そこで役立つのが、ふくらはぎのストレッチとマッサージ。
ふくらはぎの筋肉を柔軟に保ち、血液やリンパ液の流れを良くする効果が期待できるためです。
ここからは、姿勢別のストレッチ、さらに簡単なマッサージのやり方をご紹介していきます。
【脚を前に伸ばして座りながら】足首の底屈&背屈のストレッチ
STEP 1:両脚を前に伸ばして座る。
▲左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて、骨盤を起こします。太ももを内側に回転させて、脚を軽く揃えましょう。太ももの裏で床を押せるとさらに〇!
STEP 2:【息を吸いながら】足先を前に倒す。
▲足関節の底屈をします。足先を床に近づけるように前に倒し、足の甲~すねまで心地良い伸びを感じましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】かかとを前に突き出す。
▲足関節の背屈をします。かかとで前の壁を押すようなイメージで、グッと突き出しましょう。足首やふくらはぎに伸びを感じやすくなります。
ふくらはぎの筋肉の硬さを感じる場合、STEP 3を重点的に呼吸に合わせて底屈と背屈を交互に繰り返しましょう。〈回数:10~20回〉
【正座で】ひざを立ててふくらはぎのストレッチ
STEP 1:正座の姿勢を整える。
▲足は重ねず、かかとを自然に開いて座ります。背筋をスッと伸ばしましょう。
STEP 2:左ひざを立てて、つま先立ちになる。
▲左ひざをスッと立てたら、ひざの下につま先をセット。すねが床に対して垂直の姿勢を整えます。足の指を折り返して、つま先立ちになりましょう。左手は左ひざに添えます。
STEP 3:左脚を左右に揺らす。
▲左手で動きをサポートしながら、左脚を左右にゆっくり揺らします。足先が動かないように固定したまま、ゆらゆらと左右に倒すイメージです。〈回数:5~10回〉
STEP 4:左足の裏を床につけ、【息を吐きながら】上体を前に倒す。
▲左足の裏を床につけて姿勢を安定させたら、両手を左ひざに添えます。吐く息に合わせて上体を前に倒し、ふくらはぎにじんわりと伸びを感じましょう。ポイントは、左かかとが床から浮かないようにすること! 〈回数:5呼吸〉
STEP 2~STEP 4の反対側も同様におこないます。
【ふくらはぎのマッサージ】やり方&注意点
ふくらはぎをマッサージするときには、いくつかの注意点があります。
まず、力の入れすぎは筋肉を緊張させ、逆効果になるので気をつけましょう。
そして、すねやふくらはぎのリンパ液はひざ裏にある膝窩(しっか)リンパ節まで下から上に向かってしっかり流してあげることが大事なポイントです。ふくらはぎだけでなく、太ももから脚のつけ根にある鼠径(そけい)リンパ節まで流せると〇。
また、ジェルやオイルを使って手の滑りをよくすることで、摩擦のダメージを軽減するほか、凝りを見つけやすくなります。すぐに液体化するものより、やや弾力のあるものを使うといいでしょう。
※ ふくらはぎのマッサージは、健康状態によって注意が必要になるケースもあります。不安がある方は、医療専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。
STEP 1:手の指を使って、足首~ひざ裏まで優しくほぐす。
▲左手を左足首に添えたら、親指と残りの4指(人差し指、中指、薬指、小指)で挟むようにつかみ、ひざ裏までほぐします。
ふくらはぎが硬い場合、つい強い圧をかけたくなりますが優しい力加減でほぐしていきましょう。指先でマッサージをしにくいようであれば、こぶしを使って軽く押し上げてもOK。
▲ひざ裏まできたら手を離し、足首へと戻ります。〈回数:3~10回〉
STEP 2:両手を使って、足首~ひざ裏までさすり上げる。
▲両手の4指(人差し指、中指、薬指、小指)を足首に添えたら、ひざ裏に向けてさすり上げます。ここでも力加減は、優しく。手を途中で離さずに、スーッとさすり上げましょう。〈回数:5~20回〉
反対側の脚も、STEP 1~STEP 2を同様におこないます。
【ストレッチローラー】を使ったほぐし方
ストレッチローラーやストレッチポールのような器具が自宅にある場合、次のようなほぐし方も効果的です。
STEP 1:左のふくらはぎをストレッチローラーの上にセットしたら、右足の裏を左すねに乗せる。
▲ストレッチローラーを横向きに置いたら、左ふくらはぎを乗せます。右脚を床から持ち上げて、足裏を左すねに乗せましょう。上から軽めの圧をかけます。
STEP 2:ふくらはぎを左右に回転させ、角度を変えながらほぐす。
▲右足で左ふくらはぎに軽い圧をかけたまま、ふくらはぎを右・左に回転させてほぐします。ストレッチローラーは、前後に小刻みに動かす程度でOK。〈回数:30秒〉
反対側の脚も、STEP 1~STEP 2を同様におこないましょう。
最後に
ふくらはぎのマッサージや、ストレッチローラーの使用中に痛い場所があるときは、筋肉の疲れ、むくみなどが理由ではないことも考えられます。痛いと感じたら無理にほぐそうとせず、程度によっては医療機関の受診を検討してみてください。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。