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おしりの筋肉、鍛えないとどうなる?
筋肉量が減少する主な原因は、活動量の不足と加齢。一般的には、加齢というにはまだ早い25~30歳を過ぎた頃から徐々に筋肉量が減り始めると言われています。
筋肉量が減ると、免疫機能が低下してさまざまな病気にかかりやすくなるばかりか、運動能力の低下、基礎代謝の低下、さらにたるみが現れるなど体型の変化も生じます。これらを防ぐためにも、適度な運動習慣が大事になってくるのです。
特に最後に並べた体のたるみは、見た目年齢をグッと引き上げてしまうこともあってなかなか悩ましい問題。そんなたるみが顕著に現われるパーツが、自分では確認しにくい体のうしろ側・おしりです。
おしりが四角く縦に伸びてきたら…たるみのサイン
もともと脂肪が多く、体の中でもたるみが生じやすいパーツがおしり。そこに筋肉量の減少が加わることで、おしりの形はわかりやすく変化していきます。
まず下のほうがたるみ始め、次第にトップの位置が下がって全体的に四角くなると、今度は側面のボリュームが削がれて萎んだピーマンのような縦長の形になっていくのです。
そんなおしりの形の変化を食い止めるために取り入れたいのが、筋トレ。おしりをプリッと丸く形づくる筋肉・大臀筋(だいでんきん)に注目です。
大臀筋は、おしりの一番浅い部分についた大きな葉っぱのような形の筋肉。脚を大きく動かすための原動力となり、ランニングやスキップ、ジャンプ、バーベルを担いでのスクワットなどでよく使われます。
しかし、脚を動かすときに使われるといっても、ただ普通に歩いたりするだけでは効果は薄め。
ここからは、大臀筋を含むおしりの筋肉のストレッチと鍛える方法をご紹介していくので、おしりの形が気になり始めた方はぜひチェックしてみてください。
【座りながら】おしりの筋肉をほぐすヨガ「薪(たきぎ)のポーズ」
最初は、おしりの筋肉の凝り固まりをほぐすヨガのポーズから。
STEP 1:両脚を前に伸ばして座る。
▲左右の座骨(おしりの下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて、骨盤を起こします。太ももを内側に回転させて脚を揃えましょう。さらに、太ももの裏側で床を押せると〇。
STEP 2:左ひざを曲げて、右脚の下にセット。
▲左ひざを曲げたら、右太ももの下に脚をセット。かかとを体に引き寄せます。すねが床と平行になるように、姿勢を整えましょう。
STEP 3:右ひざを曲げて、左脚の上にセット。
▲右ひざを曲げたら、左脚に重ねます。左右のかかとが恥骨付近で重なるように、無理のない範囲で足を引き寄せましょう。手の指先を体の横について床を押し、体側を引き上げるとgood!
STEP 4:【息を吐きながら】手を前につき、上体を倒して前屈する。
▲息を吸い背骨を伸ばしたら、吐く息で股関節から前屈していきます。心地良い位置まで前屈をしたら、ゆったりとした呼吸を繰り返しましょう。反対側も同様におこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
脚や股関節がツラい場合、脚の組み方を緩める、もしくは前屈を浅くするなど調節してみてください。
【寝ながら】脚を左右に揺らすおしりのストレッチ
STEP 1:仰向けになり、右ひざを立てる。
▲恥骨を軽く突き上げて骨盤を後傾させ、腰を反らせすぎないようにします。
STEP 2:【息を吸いながら】右ひざを胸に引き寄せる。
▲両手で右ひざを持ち、無理のない範囲で胸に引き寄せます。呼吸がしにくいと感じたら、右ひざの位置を緩めましょう。
STEP 3:右ひざを左右にゆっくり揺らす。
▲両手で右ひざをしっかりと持ち、動きをサポートしながら左右にゆっくり揺らします。右のおしりに心地良い伸びが感じられればOK! 反対側も同様におこないます。〈回数:左右各10~15回〉
【四つ這い】おしりの丸みを取り戻す筋トレ
STEP 1:四つ這いになる。
▲手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。ヘソを引き上げて、背中を平らにしましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】左脚を外側に持ち上げる。
▲左ひざは曲げたまま、太ももをおしりの高さまで持ち上げられるとgood!
STEP 3:左脚をうしろに伸ばす。
▲STEP 2の姿勢から続けて、左脚をうしろに伸ばします。ひざを伸ばし、脚の高さはおしりよりやや上に持ち上げるのが目安です。STEP 1に戻ったら、流れるように2~3と左脚を動かしておしりの筋トレをします。
反対側も同様におこないましょう。〈回数:左右各10回×2セット〉
【寝ながら】キツいけど達成感アリ! うつ伏せで脚上げの筋トレ
STEP 1:うつ伏せになる。
▲うつ伏せになり、額の下で手を重ねます。脚は腰幅に開いておきましょう。
STEP 2:左ひざを曲げ、足先を天井に向ける。
▲腕や肩、反対側の脚に力が入らないようにします。
STEP 3:【息を吐きながら】左脚をさらに高く持ち上げる。
▲上半身が起きあがって、背中が反らないように姿勢に注意! 左脚の高さは太ももの前側が床から浮くくらいが目安ですが、まずは無理のない高さでOK。左のおしりにビリビリと効いているのを感じながら、脚の上げ下げを繰り返します。
反対側も同様におこないましょう。〈回数:左右各10回×3セット〉
ストレッチローラー&テニスボールで「おしりほぐし」
次は、ストレッチローラーとテニスボールを使ったおしりのほぐし方です。
STEP 1:ストレッチローラーを横向きにセット。その上におしりを乗せて仰向けになる。
▲ストレッチローラーの位置は、おしりの上のほう。姿勢が安定したら、両ひざを立てます。
STEP 2:右足首を左太ももに乗せる。
▲右ひざを曲げ、足首を左太ももに乗せます。まずはこの姿勢で体を上下に小刻みに動かし、おしりの右側をほぐしてみましょう。
STEP 3:左脚を床から持ち上げる。
▲左脚を床から持ち上げたら、太もものあたりを両手で持ちます。おしり右側の筋肉が心地良く伸びるように、脚を体に引き寄せるのがポイント。おしりをストレッチローラーに乗せているだけ、動かさなくてOKです。
反対側も同様におこないます。〈回数:左右各30秒キープ〉
痛いときは体重の乗せ具合を調節する、もしくはストレッチローラーの無理な使用を控えましょう。
テニスボールを使う場合
テニスボールを使っておしりをほぐす場合、左右の座骨(おしりの下のほうにある尖った骨)には直接当てず、そのまわりをくるくると大きな円を描くように動かしていきます。
▲おしりの硬い部分を見つけたら、手で体重のかけ具合を調節しながらほぐしていきましょう。反対側も同様におこないます。〈回数:左右各30秒〉
最後に
おしりの筋肉を鍛えると高い位置に丸みが出たり、太ももの裏側との境目がはっきりして脚が長く見えるようになったり…といったメリットも期待できます。おしりのたるみが気になる人は、ぜひやってみてくださいね。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。