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そもそもベーコンとは「豚バラ肉」の燻製
ベーコンは脂身が多い
ベーコンは、豚のバラ肉を使用し燻製した食品のこと。バラ肉とはあばら骨周辺のお肉のことで、赤身と脂身が層になった比較的脂身が多いお肉です。
卵と一緒に焼いて朝食にできますし、パスタとの相性もよし。野菜と炒めてもおいしいですよね。
脂身が多い分カロリーが気になる食品ですが、食卓では大活躍です。
ハムとの違いは「素材」と「製造方法」
ハムとベーコンの違いは、使用している部位と製造方法にあります。
日本ではハムといえばロース肉が主流ですが、ハムは英語で豚のもも肉のことをいいます。世界的には豚のもも肉を使用した加工肉を「ハム」というのです。
ベーコンが豚のバラ肉を塩漬けして熟成、その後低温で燻製するのに対し、ハムは豚のもも肉またはロース肉を塩漬けにし熟成、型に詰めたり糸で巻いたりしたのちさらに燻製させ、最後はスチームまたはボイルで加熱します。
ハムのほうがベーコンよりも製造工程に手間がかかるのです。
やっぱり高い? ベーコンのカロリーは
【部位別】ベーコンのカロリー
私たちがよく食べる一般的なベーコンはバラ肉を使用していますが、ベーコンには肩肉を使用した「ショルダーベーコン」と、背肉を使用した「ロースベーコン」もあります。
それぞれの100gあたりのカロリーは以下。
カロリー | |
---|---|
【バラ肉】ベーコン | 400kcal |
【ショルダー肉】ベーコン | 178kcal |
【ロース肉】ベーコン | 202kcal |
脂身の多いバラ肉で作られたベーコンがもっとも高カロリーであることがわかりますね。ショルダーベーコンは比較的脂肪が少なく、バラ肉で作られたベーコンよりもヘルシーなものの、塩分が高めであることが特徴です。ロースベーコンも脂肪が少なめ。肉質が柔らかく淡白な味わいが特徴です。
【厚さ別】ベーコンのカロリー
次にベーコンの厚さ別でカロリーをチェックしていきます。ここでは厚さ2mmの薄切りベーコン1枚を20g、厚さ5mmの厚切りベーコン1枚を50g、厚さ25mmのブロックベーコン1枚を250gとして計算していきます。
【バラ肉】ベーコン
カロリー | |
---|---|
薄切りベーコン(20g) | 80kcal |
厚切りベーコン(50g) | 200kcal |
ブロックベーコン(250g) | 1000kcal |
【ショルダー肉】ベーコン
カロリー | |
---|---|
薄切りベーコン(20g) | 36kcal |
厚切りベーコン(50g) | 89kcal |
ブロックベーコン(250g) | 445kcal |
【ロース肉】ベーコン
カロリー | |
---|---|
薄切りベーコン(20g) | 40kcal |
厚切りベーコン(50g) | 101kcal |
ブロックベーコン(250g) | 505kcal |
厚みが増せば増すほど、バラ肉ベーコンと他2つのベーコンとのカロリー差がよくわかります。
ベーコンとハムのカロリーを比較
ベーコン3種とロースハムのカロリー比較
使用部位や製造工程が異なるハム。同じ豚肉ですが、ベーコンと比較するとどれくらい差があるのでしょうか。ここでは先ほど紹介したベーコン3種と、日本で一般的に食べられているロースハムのカロリーを比べていきます(すべて100gで比較)。
カロリー | |
---|---|
【バラ肉】ベーコン | 400kcal |
【ショルダー肉】ベーコン | 178kcal |
【ロース肉】ベーコン | 202kcal |
【ロース肉】ハム | 211kcal |
やはりダントツでバラ肉を使用したベーコンが高カロリーであることがわかりますね。ロースハムは、同じロース肉を使用したベーコンよりも少々カロリーが高くなっていますが、一般的に食べられるバラ肉のベーコンよりも圧倒的に低カロリーです。
ベーコンに含まれる栄養素
タンパク質
豚肉であるベーコンにはタンパク質が豊富に含まれています。
バラ肉を使用したベーコン100gあたりには12.9gのタンパク質が、ショルダー肉を使用したベーコンには17.2g、ロース肉を使用したベーコンには16.8g含まれます。
タンパク質の代表肉である鶏ささみが24.6gなので、ここには届きませんが、成人女性一食のタンパク質摂取目安量が約17gであることを考えれば、さすが豚肉。決して低い数値ではありません。
タンパク質は筋肉だけでなく、骨や皮膚、髪の毛、内臓、血液など、身体を作る素になる栄養素です。ダイエット中はとくに不足しやすい栄養素なので、意識して摂る必要があります。
脂質
過剰な摂取は肥満や動脈硬化など、さまざまな生活習慣病につながりますが、脂質は炭水化物やタンパク質とならぶ、生きていくうえで欠かせない三大栄養素のひとつ。
体温の保持や臓器の保護、健康的な肌や髪の生成などにも役立っています。
適切な量を摂取することを忘れてはいけません。
ビタミンB1
ビタミンB1は糖質の代謝に欠かせない栄養素で、疲労回復に効果的。糖質を多く摂りがちな人、アルコール摂取量が多い人、運動をする人におすすめのビタミンです。
ビタミンB1は、豚肉に多く含まれるためベーコンにも豊富に含まれていますが、ビタミンB1を意識して摂りたいときは、脂肪の多いバラ肉ではなく脂肪分の少ないもも肉やヒレ肉が最適です。
ビタミンC
ベーコンにはビタミンCも含まれています。
ビタミンCは活性酸素を除去する抗酸化作用のあるビタミン。アンチエイジングだけでなく、動脈硬化の進行を抑えたり、がん予防が期待されていたりします。
ベーコンのカロリーをカットする方法
脂身の少ない部位のベーコンを使う
ご紹介してきた通りベーコンには3種類あり、バラ肉を使用したベーコンはその他2種類のベーコンの2倍近くのカロリーを含むことがわかりました。
脂を多く含む食品はおいしいですが、肥満だけでなく病気のリスクも高まります。
できるだけ摂取カロリーを抑えたいのなら、風味は変わりますがショルダー肉やロース肉を使用したベーコンをセレクトすることをおすすめします。どうしてもバラ肉のベーコンを使う場合は、摂取量に注意してくださいね。
じっくり焼いて脂を落とす
ベーコンに油を注ぐと、カロリーはさらにアップします。ベーコンを焼く場合は、ベーコン自体から脂が出てくるため、フライパンには油を引かないことをおすすめします。
フライパンにくっついてしまうのが気になる方は、テフロン加工の製品を検討しましょう。ベーコンだけでなく、さまざまな調理で油を減らすことができるうえ、お手入れも楽です。
あえて弱火でじっくりと焼き、脂を落としたカリカリベーコンに仕上げるのも◎。ベーコンから出てきた脂をキッチンペーパーで拭き取りながら片面に火を通したら裏返し、好みの食感まで焼いていきましょう。
ベーコンを使った簡単レシピ
ほうれん草とエッグベーコンサラダ
【材料】
サラダほうれん草:200g
ベーコン:1パック
卵:2個
レモン汁:大さじ1
塩:小さじ1
オリーブオイル:大さじ1と1/2
白ゴマ、またはブラックペッパー:お好み
【作り方】
1. サラダほうれん草を5cm幅に切る。
2. ベーコンを一口大に切る。
3. フライパンにオリーブオイル大さじ1を加えベーコンを炒める。
4. ベーコンを端によせたら、空きスペースで溶き卵を半熟になるまでかき混ぜる。
5. サラダほうれん草を器に盛って4をのせる。
6. 最後、白ゴマ、塩、レモン汁、オリーブオイル大さじ1/2をかけ、全体を混ぜたら完成。
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ごぼうとベーコンのサラダ
【材料】
ごぼう:1本
厚切りベーコン:2枚
赤唐辛子:1本
オリーブオイル:大さじ1/2
A(酢…大さじ1 塩・こしょう・顆粒コンソメ:各少量)
粗びき黒こしょう:適量
【作り方】
1. ごぼうをささがきにし、酢水に5分ほどさらして水気を切る。
2. フライパンにオリーブオイルとごぼうを入れ、中火にかける。
3. ごぼうが透き通ってきたところで、薄切りにした厚切りベーコンと、小口切りにした赤唐辛子を加える。
4. 3を炒めAを加えたら、水分を飛ばして保存容器に入れる。
5. 粗挽き黒こしょうを振ったら完成。
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具だくさんミネストローネ
【材料】
玉ねぎ:1/4個
にんじん:1/2本
キャベツ:1/8個
セロリ:1/3本
スライスベーコン:2枚(またはソーセージ3本)
マカロニ(8分ゆで):20g
A
トマト水煮(カットタイプ):1と1/4カップ(250g)
水:3カップ
オリーブ油:大さじ1
顆粒コンソメスープの素:小さじ1弱
塩:少々
粉チーズ・パセリ(みじん切り):各適量
【作り方】
1. 玉ねぎとにんじんは1cm角に、キャベツは3cm四方に切る。
2. セロリを粗みじん切りに、ベーコンを2cm幅に切る。
3. 炊飯器の内釜に1と2、A、マカロニを入れ、調理モードで25分加熱する。
4. 炊き上がったら器に盛り、粉チーズとお好みでパセリを散らしてできあがり。
炊飯器を使って超簡単に! 絶品「具だくさんミネストローネ」レシピ
ダイエット中は工夫して食べて!
食卓で大活躍のベーコンですが、ご紹介した通りカロリーはかなり高め。ダイエット中は量を控えたり、ベーコンの部位を変えたり、脂を落として使ったりと工夫が必要になります。身体に嬉しい栄養素も含んでいますが、食べ過ぎには十分注意しましょう。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
りの
栄養士・運動実践指導者・ダイビングインストラクターとしてフォットネス業界に10年勤務。趣味は筋トレと海外旅行(渡航国数50カ国以上)。現在はWebライターとして世界中でノマドライフを満喫中。著書『拝啓、世界であわてふためく女子たちへ』。
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