目次Contents
体をやわらかくすることで得られるメリットとは
◆柔軟性が高まるだけじゃない! ストレッチの効果
ヨガインストラクターの高木沙織先生に、ストレッチで体をやわらかくすることで期待できるメリットを聞きました。
・筋肉の凝り固まりが緩和されて、血液やリンパの循環がよくなり、冷えやむくみの改善、疲労回復、免疫力アップ、代謝アップなどにつながる
・筋肉の緊張がほぐれて、怪我の予防につながる
・姿勢や動作のクセが改善されて、美しい姿勢の保持につながる
・副交感神経の働きが優位になり、リラクゼーション効果がもたらされる
朝行えば活動力を高めることに役立ち、夜行えばコリの緩和やリラクゼーション効果を得ることができます。睡眠の質を上げてくれるのも、ストレッチの嬉しいメリット。
◆女性にありがちな体のトラブルを改善する見込みも
骨盤まわりの柔軟性を高めることで、女性特有のトラブル改善にもつながります。
\教えてくれたのは…/
▲杉山力一先生
[杉山産婦人科グループ3院の理事長。医学博士]
骨盤まわりの柔軟性がなくなると、凝り固まった筋肉がカラダに負荷をかけてしまう状態に。カラダの冷え・生理痛・腰痛など、女性にありがちなカラダのトラブルを改善・未然に防ぐために、骨盤のゆがみをやわらげてケアする習慣をつくりましょう。
骨盤のゆがみでココロもカラダも不調に… 自覚症状は?【医師監修】
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大人でも体をやわらかくするのは可能?
◆大人になっても体の柔軟性は高められる!
体をやわらかくしたいと思っても、大人はもう手遅れなのでは? と思う方は多いかもしれません。しかし、その答えはNO。
骨の形状や関節の構造など、生まれつき遺伝的要因によって可動域の広さはそれぞれ変わりますが、動かす範囲が狭いままでは、その可動域はどんどん縮小してしまいます。
継続的なストレッチを行えば、筋膜を伸張でき大人でも柔軟性を高めることは可能なのです。
冷え・むくみ・こりの改善にも! 体を柔らかくするためのストレッチ
体をやわらかくするにはどれくらいの期間が必要?
◆早ければ2〜3ヶ月
どのパーツをやわらかくしたいのか、どれくらいストレッチに取り組むかでも変わるので一概には言えませんが、たとえば180度の開脚を目指すとして毎日ストレッチを行った場合、早い人なら2~3ヶ月を目安に筋肉に変化が現われると言われています。
股関節のような大きな筋肉に囲まれたパーツは、変化の実感まで時間がかかるのが一般的。長期目線で考えて、無理せず安全に行うことを優先してくださいね。
180度開脚も夢じゃない!? ヨガインストラクターが毎日やっている開脚ストレッチ
ストレッチが有効! 効果をあげるポイントと注意点
◆体が温まったお風呂上がりが効果的
ストレッチの効果をアップさせるためには、お風呂上がりの体が温まったタイミングで行うのがGOOD。筋肉が温まることで、そのまわりを覆う筋膜も温まり、動きがよくなるからです。
◆1パーツにつき90秒以上が理想
ストレッチは1パーツにつき90秒以上を目安に行うのが理想。
筋膜を構成する膠原繊維(コラーゲン繊維)は伸張性が乏しく、硬くなりやすいという特徴があります。そのため、じっくりと時間をかけて伸ばしてあげる必要があるのです。
反動をつけたり、長時間伸ばしすぎたりするのはNG。
冷え・むくみ・こりの改善にも! 体を柔らかくするためのストレッチ
◆毎日行うこと
筋トレでもダイエットでもそうですが、ストレッチも継続的に行うことで結果がついてきます。筋肉は使わなければ硬くなるだけ。毎日じっくりと時間をかけて、柔軟性が高い状態をキープしていきましょう。
180度開脚も夢じゃない!? ヨガインストラクターが毎日やっている開脚ストレッチ
◆呼吸は止めないこと
呼吸を止めた状態では、心身ともに力んだ緊張状態になりがち。ストレッチ中の呼吸はいつもより「長く」、そして「深く」を心がけましょう。
◆食後すぐのストレッチは避けて
激しい運動ではないから大丈夫だろうと思う方も多いかもしれませんが、食事直後のストレッチは消化不良の原因になります。最低でも1〜2時間空け、腹部を強くねじるような動作も避けましょう。
体をやわらかくするストレッチ【上半身】
◆【1日のパフォーマンスを上げる】首・肩~背中のストレッチ
\How to/
1. 寝たままでOK! ひざを立てたら両腕を頭上に伸ばし、ひじを手でつかみましょう。腰が床から離れないよう、恥骨を天井に突き上げます。
2. 息を吐きながら上体を右に傾けます。肩をしっかり床につけ、胸を開いて呼吸をゆっくり5回繰り返しましょう。
3. お尻や足の位置を変えないようにして、反対側も同様に行います。
伸ばして、ゆるめる! 1日のパフォーマンスを上げる簡単【朝ストレッチ】
◆【肩や背中のコリを改善する】肩甲骨ストレッチ1
\How to/
1. 腰に手を当て、3秒ほど息を吸いながら肩を上げます。
2. 3秒かけて息を吐きながら肩を下げます。
3~5セット繰り返しましょう。
◆【肩や背中のコリを改善する】肩甲骨ストレッチ2
\How to/
1. 足を肩幅よりももう一歩大きく開き、つま先を外側に向けます。
2. 手のひらをももにつけ、ひじを曲げずに片側の肩を内側へ入れるように動かします。
3. その姿勢を10秒ほどキープし、反対側も同様に行います。
※3~5セット繰り返しましょう。
◆【肩や背中のコリを改善する】肩甲骨ストレッチ3
\How to/
1. 脚を肩幅に広げて立ち、体の前で手をクロスして組みます。
2. そのままひじを伸ばした状態で頭の上まで上げ、できるだけ後ろまで持っていきましょう。
3. その体勢をキープしたまま、上半身を大きくグルグルとまわします。
※右まわり・左まわりともに5回転ずつ行います。
◆【肩や背中のコリを改善する】肩甲骨ストレッチ4
\How to/
1. 肩幅より少し広めになるように、タオルの両端を持ちます。
2. そのままひじを伸ばして両腕を頭上に上げます。
3. 次にひじを曲げながら後頭部側へ手を下げていきます。
4. 首の後ろまで来たら脇を締めましょう。
※この上下運動を10セット行います。
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◆【体の不調を改善】立位のキャット&カウのポーズ
\How to/
1. “空気イス”のポーズから、息を吐きながら両手を太ももの上に置きます。下半身はそのままで、息を吸いながら背中を反らしましょう。
2. 息を吐きながら背中を丸めます。
※背中を反らせる~丸める動きを1セットとして、5~10回程度繰り返しましょう。
体をやわらかくするストレッチ【下半身】
◆【前屈を深める】ハムストリングのストレッチ
\How to/
1. 両足を伸ばして座ったら、左ひざを曲げて外側に開き足の裏を右ももにつけます。座骨に均等に体重をかけ、体がL字になるよう背筋を伸ばしましょう。
2. 息を吐きながら上体を倒し、前屈します。右ひざは伸ばしたまま、かかとを前に突き出して。呼吸を5回繰り返したら反対側も同様に。
◆【前屈を深める】ハムストリング&お尻のストレッチ
\How to/
1. 右足を大きく後ろに引き、つま先を外側に開きましょう。
2. 息を吐きながら上体を倒し前屈。ハムストリングとお尻がストレッチされているのを感じながら姿勢をキープしましょう。呼吸を5回繰り返して。
3. 息を吸いながら上体を半分起こし、目線を上げます。このまま呼吸を5回繰り返したら、ここまでの動作を反対側も同じように行いましょう。
◆【前屈を深める】腸腰筋のストレッチ
\How to/
1. ひざを立てて座ったら両手を後ろにつき、左足首を右ももの上にのせます。手の指先はお尻に向け、背中や腰は丸まらないよう意識しましょう。
2. 息を吐きながら両足を左に倒し、右の腰まわりをストレッチ。呼吸を5回繰り返し、反対側も同様に行いましょう。
前屈できない! そんな人に、3パーツをほぐして前屈を深めるストレッチ
◆【体がやわらかくなる】下半身を広範囲にほぐすストレッチ
\How to/
1. 左ひざを曲げ、かかとを恥骨に引き寄せます。右脚は後ろに伸ばしましょう。
2. 両手を体の前につき、手を重ねて上体を前屈させます。額を手の上にのせて90秒キープして。
冷え・むくみ・こりの改善にも! 体を柔らかくするためのストレッチ
◆【骨盤まわりの柔軟性を高める】マラーサナ
\How to/
1. 両足を広めに開いて立ち、姿勢を正します。
2. 上半身をゆっくりと下ろし、しゃがみます。
3. 胸の前で合掌のポーズをしましょう。
4. 両ヒジでひざをグッと押しながら、背筋を伸ばして姿勢を整えます。
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◆【骨盤周辺の筋肉をほぐして温める】真珠貝のポーズ
\How to/
1. あぐらを組み、かかとがおへその延長線上にくるように片足を前に出します。
2. 息を吸って、吐きながら上体を前に倒して両手を前につきます。このまま3回呼吸を。
3. 体勢をキープしながら、状態を右に移動させて両手を右斜め前につきます。このまま3回呼吸を。
※反対側も同様に行いましょう。
◆【股関節の柔軟性を高める】スワンのポーズ
\How to/
1. 上体を起こして片足を内側に曲げ、もう片足を大きく後ろに引いて足の甲を寝かせます。両手は体の横につけて。
2. 息を吸ってぐっと背筋を伸ばし、吐きながら背中を反らせます。ここで3回呼吸を。
※反対側も同様に行いましょう。
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