目次Contents
年代別に見るニキビの特徴
10代は皮脂が過剰分泌される「思春期ニキビ」
実は、10代にできやすい思春期ニキビと20代以降にできる大人ニキビでは、できる原因も場所も違います。
思春期ニキビは皮脂腺から多くの皮脂が過剰に分泌されることでニキビが発生しやすくなります。ニキビができる場所は皮脂腺の多い額〜鼻にかけてのTゾーン、こめかみ、頬骨あたりです。
20代以降は治りにくい「大人ニキビ」
大人ニキビは主に、20歳以上になってからできるニキビのことで、顎、口まわり、フェイスラインなど顔の下半分にできることが多くあります。
1個だけポツンとできたり、ニキビが集中してできてしまったりすることも。
治りが遅く、繰り返し同じ場所にできる厄介な存在です。
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ホルモンバランスの乱れ
顎ニキビの原因のひとつは、ホルモンバランスの乱れ。
不規則な生活習慣でホルモンのバランスが崩れることもありますが、女性の場合は排卵後から生理前の期間で女性ホルモン「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が影響している場合もあります。
このプロゲステロンは、皮脂分泌を促進させて角層を厚くする作用があるのです。
【医師監修】大人ニキビが治らない原因は? 治し方、できやすい人の特徴
油分が多い化粧品や雑菌が繁殖したコスメの使用
教えてくれたのは… 花房火月先生
[はなふさ皮膚科 理事長]
化粧品の中でも油分の多いものは毛穴の閉塞に繋がりやすく、長期間つけていたり、洗い忘れがあるとニキビの原因になります。
最近の化粧品は防腐剤フリーであることも多く、化粧品が古くなれば雑菌が繁殖し、それを皮膚につけることでニキビの原因になることも。
「大人ニキビ」の原因は複合的で、色々な要素が混じりあっています。
肌への摩擦と刺激
「顔をこするのはもちろん、頬づえをつく・髪の毛の先が擦れる・シーツが擦れるといった微細な刺激でニキビになることも。
最近では、マスク生活に伴いその蒸れや摩擦、さらにはマスク内での雑菌が繁殖し、ニキビができる人が増えています」(花房火月先生)
ストレスや寝不足
「ストレス・寝不足・運動不足・便秘なども、ニキビの原因として考えられます」(花房火月先生)
甘いものの摂りすぎ
「一部の乳製品や甘いものを摂取しすぎると、ニキビができやすくなることが分かっています。バランスの良い食事を意識しましょう」(花房火月先生)
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ホルモンバランスを整える
顎ニキビはホルモンバランスを整えることが有効です。
おすすめは女性ホルモンを整える大豆イソフラボンを積極的に摂ること。たとえば豆腐や豆乳、油揚げなどに多く含まれています。
他には皮脂分泌を抑えたり、皮膚の健康維持作用があったりするビタミンB群の摂取もおすすめです。
【医師監修】大人ニキビが治らない原因は? 治し方、できやすい人の特徴
甘いものや脂っぽいものを控える
「糖質や脂質をとりすぎると、皮脂分泌が促されることがわかっています。
そもそも脂質は皮脂の材料になりやすく、過剰な糖質も体内で脂肪として蓄えられ、体脂肪が多いと皮脂がつくられやすくなります」(青山ヒフ科クリニック 院長・亀山孝一郎先生)
日焼け止めを必ず塗る
「肌の中で活性酸素を増やす紫外線は『大人のニキビ』にも大敵。外出時は日焼け止めを必ずつけてください」(相澤皮フ科クリニック 院長・相澤 浩先生)
日焼け止めは肌に負担の少ない低刺激処方をセレクトしましょう。
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ホルモン療法もひとつの手
ニキビを治す方法に「ホルモン療法」もあります。たとえば「ピル」。
大人ニキビを誘発する男性ホルモン「アンドロゲン」の活性を抑える働きがあります。一日一回の服用でアンドロゲンの産生を抑えて、血液中のテストステロンの量を減らす作用があります。これにより皮脂分泌量が減り、ニキビ発生を防ぐ効果が見込めます。
もうひとつは「スピロノラクトン」。
こちらもアンドロゲンを抑える薬です。スピロノラクトンには抗男性ホルモン作用があります。過剰な皮脂を抑えてニキビ発生を防いでくれます。
ピルとスピロノラクトンの併用も可。なかなか改善しないニキビでお悩みの方は、医師に効果や副作用の説明をよく聞き、治療に取り入れるかどうかを判断しましょう。
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顎ニキビができたときのスキンケア方法
こすらず優しく洗顔する
洗顔のポイントは汚れを泡に吸着させること。こすらずなじませたらすぐにすすぎましょう。マッサージは不要です。
まずは両手に泡をこんもりとつくります。
洗うのは皮脂が多いTゾーンから。鼻筋、額、顎となじませていきます。
残った泡を顔全体に広げ、手のひらで押すイメージでなじませましょう。泡が行き渡ったら時間をおかずにすすぎます。
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化粧水で保湿する
肌のターンオーバーを促進するためにも化粧水での保湿ケアは必須。化粧水を選ぶときは低刺激のものをセレクトし、配合成分にもこだわりましょう。
たとえばビタミンC誘導体・グリチルリチン酸ジカリウム・アラントインなど、ニキビ防止の有効成分がおすすめです。他にも皮脂を抑える有機酸・金属塩・植物抽出物などの整肌成分も効果的でしょう。
また、保湿力にも注目したいところ。ヒアルロン酸・コラーゲン・リピジュア・各種植物エキスなど、水溶性の保湿成分を豊富に含むアイテムかどうかをチェックします。
顔の中心から外側に向かい、ハンドプレスしながら浸透させてくださいね。
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ビタミンC誘導体配合のコスメを使う
お手入れにはぜひビタミンC誘導体配合のコスメを取り入れましょう。
ビタミンC誘導体は、高い抗酸化作用で皮脂トラブルを鎮めてくれるだけでなく、肌の表面を柔らかくしたり皮脂分泌をコントロールしたりする働きも持っています。
▲エムケイプロジェクト アゴラ|VCクリーム 30g ¥4,400
ツボクサエキスやビタミンA誘導体も配合した保湿クリーム。
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顎ニキビの治りを妨げるNG行動
ニキビを触る
スキンケア時やふと顔に手を当てたときなど、ニキビについつい触れることがあるかもしれませんが、ニキビを触るのはNGです。
触ったりかさぶたをはがしたりすることでニキビが悪化し、最悪の場合ニキビ跡になってしまうことも…。
紫外線を浴びる
ニキビはデリケートな状態。紫外線を浴びると刺激を受けやすくなってしまいます。
ニキビでも使いやすい日焼け止めや日傘、帽子などを使って、紫外線からニキビを守りましょう。
乾燥を放置する
油分はニキビの元になりますが、ニキビにも保湿は必要です。
ニキビにできたかさぶたを乾燥させると、かさぶた自体が厚くなったりかゆみが出たりする場合も。乾燥しないよう保湿をしっかり行うことが大切です。
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経験者に聞いた顎ニキビの治し方
「ビタミンCやお薬、インナーケアで克服しました!」(美容エディター・門司紀子さん)
「ストレスや生理周期によって顎にニキビができやすいタイプ。10年ほど前に出会った『池野皮膚科形成外科クリニック』の薬とビタミンCローションが効いて、薬は今も使っています。腸内環境を整えたり、きちんと洗ったりなど全方位気をつけて、今もうまくつきあっています」(門司さん)
▲(写真:左から)オバジ|C25セラム ネオ 12ml ¥11,000・オバジC|リファインローション 150ml ¥3,850
「ビタミンCは、今はコスメでもいいものがたくさんあります。私は『オバジC』の化粧水と濃厚なビタミンC美容液を信頼し、リピート中」(門司さん)
▲(写真:左)アリエルトレーディング アイムフロム|スポットジェル(M) 15g ¥2,200
ポーチに常備してニキビの上から。
▲(写真:右)NIKI PITA|AC 毛穴酵素洗顔パウダー 0.5g×30包 ¥4,180
毛穴詰まりを防ぐ酵素洗顔料。
「ニキビ予防には酵素洗顔料、できてしまったニキビの日中ケアにはスポッツ美容液を」(門司さん)
「腸内環境を整えるために、腸内の善玉菌のエサになるという『ルルミルク』をヨーグルトに入れて、朝食でとっています。生理前に滞りがちな便通が促され、胃腸の調子が整い、ニキビ防止にも役立っている気がします」(門司さん)
私たち【大人ニキビ】をこうやって克服! Oggi専属読者モデル&エディターの愛用品も
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