湿疹は症状の現れ方は人によって異なり、かゆみや痛みを伴うことも少なくありません。顔など目立ちやすい部位に発症すると、女性にとっては美容上も大きな悩みになるでしょう。
ここでは、湿疹の原因と対処法について詳しく解説します。
【目次】
・【湿疹】とはどんな病気? 原因は?
・【湿疹】かゆい! 対処法は?
【湿疹】とはどんな病気? 原因は?
湿疹とは、皮膚に炎症が生じることによって引き起こされる皮膚病変のことです。発症原因は多岐に渡り、皮膚病変も、紅斑・丘疹・水疱・膿疱・痂皮など様々です。
多くは、皮膚が赤く腫れる「紅斑」からはじまり、プツプツとした小さな発疹である「丘疹」や内部に水や膿がたまる「水疱」、「膿疱」に進行して、湿っぽいじゅくじゅくした状態になります。
そして、時間の経過とともに湿っぽい病変が乾燥して正常な皮膚の状態に戻りますが、炎症が長引くことによって皮膚が厚くなったり、色素沈着を残してシミの原因になることも少なくありません。
湿疹の原因は、花粉やハウスダスト、特定の飲食物や薬剤などによるアレルギー反応です。
皮膚にこれらのアレルゲンが晒されたり、侵入しようとすると、アレルゲンを除去しようとする過剰な免疫反応が作用することによって炎症が引き起こされるのです。
アレルゲンの種類や症状の重症度などは人によって異なりますが、体調が悪い時やニキビなど皮膚に炎症が引き起こす病変がすでにできている時、汗をかいている時などに発症しやすく、アレルギー反応が生じやすい元来の体質が関係するとも考えられています。
このため、アトピー性皮膚炎や花粉症などの病気を患っている人は湿疹もできやすく、ストレスや疲れなどアレルギー反応を助長するような原因がある場合には症状もひどくなる傾向があります。
【湿疹】かゆい! 対処法は?
湿疹はかゆみを伴うケースが非常に多く、掻きむしることで皮膚にダメージを与え、症状の悪化を招くことも少なくありません。炎症が慢性化すると、色素沈着を生じてシミを形成してしまうこともあります。
湿疹を早く治してシミなどを残さないためには、湿疹に刺激を与えず炎症が治まるまでの時間を短縮することが大切です。そのためのかゆみ対策として以下のような対処法を行いましょう。
効果的なかゆみ対策
塗り薬
湿疹の治療には、炎症を抑えるストロイドやアレルギーを抑える抗ヒスタミン剤が配合された塗り薬が使用されます。症状が強い場合は、内服薬が必要になるケースもありますが、多くは塗り薬を使用することで自然とよくなります。
特に、かゆみはアレルギー反応によって産生されるヒスタミンによって引き起こされますので、かゆみに対しては抗ヒスタミン剤が効きます。
市販の治療薬も販売されていますが、効果は病院で処方される薬よりも低いため、市販薬を使用して良くならない場合は病院を受診しましょう。
また、皮膚のダメージによって細菌感染などを引き起こしている場合は市販薬を使用すると症状が悪化することがあります。湿疹部が膿んでいる場合や熱感がある場合などは市販薬の安易な使用を控えましょう。
2.冷やす
強いかゆみがある場合は、アイスノンや濡れタオルなどで冷やすと症状が改善する場合があります。
湿疹が湿っぽくじゅくじゅくしている場合には、柔らかいガーゼなどで湿疹を覆ってから冷やすと、湿疹への刺激を抑えることができますのでおススメです。
成田亜希子先生
一般内科医。プライベートでは二児の母。
保健所勤務経験もあり、医療行政や母子保健、感染症に詳しい。
国立医療科学院などでの研修も積む。
日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会所属。