三本締めとは?
宴会やおめでたい席で行われる三本締め。まず三本締めとは一体何なのか、解説していきます。
三本締めとは、新年会や忘年会などの宴会または、結婚披露宴などのおめでたい場で最後に行われる手締めの一種です。そもそも手締めとは、物事や行事が無事に終わったことを祝って、感謝の気持ちを掛け声と共に、手拍子で表すことを言います。手締めにはいくつか種類があり、ここで紹介する三本締めの他にも「一本締め」「一丁締め」などが挙げられるでしょう。
三本締めは「パパパン パパパン パパパン パン」という一本締めを3回繰り返して行うもの。ではなぜ3回も繰り返すのでしょうか。その理由は、感謝する対象が一回ずつ異なるからなのです。
1回目:会の主催者や取り仕切ってくれている人
2回目:参加してくれている人
3回目:神様
このように全員に感謝するという意味で3回行われるそうです。時間も少しかかるため、比較的フォーマルな場で行われることが多いでしょう。三本締めをするとなった時には、その場にいる参加者全員で行います。
三本締めのやり方や掛け声を紹介
では早速、三本締めの詳しいやり方や掛け声について見ていきましょう。会社のメンバーで打ち上げなどをする場合には、この作法が必要になってくる可能性があります。ぜひこの機会に覚えて、マスターしてしまいましょう。
1:主催者が締めの挨拶をする
まずは主催者が閉会の挨拶をします。基本的には主催者が挨拶を行いますが、会社によっては上司が行うこともあるでしょう。ただし、主賓や来賓の方に挨拶を任せるのはNG行為です。また、自分が来賓で参加している時に依頼されてもマナーとして断るのが良いでしょう。
挨拶の例文には、このようなものがあります。「皆様本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。ただいまご紹介にあずかりました、○○と申します。この度は僭越ながら締めの音頭を取らせていただきます。皆様ご起立くださいませ。皆様のご健勝とご活躍をお祈りいたしまして、三本締めを行います。ご唱和ください。」
挨拶をする際は長々と話さないように心がけましょう。また、手締めをするにあたって起立を促すことと、どの種類の手締めを行うのかを伝えることは忘れず行いましょう。
2:掛け声をかけて始める
挨拶が終われば「それでは皆様、お手を拝借!」と言いましょう。この掛け声を合図に皆が手を掲げてくれます。皆が準備できたのを確認できたら「いよーおっ」と掛け声。
3:「パパパン パパパン パパパン パン」を3回繰り返す
「いよーおっ」の掛け声を聞いたら手拍子をします。「パパパン パパパン パパパン パン」のリズムで手を叩きましょう。3拍子を3回叩いて1拍手入れるということは、9回叩いた後1回叩いて締めるということですよね。これは、数字の九に一を当てはめると「丸」となることを表し、総じて「丸く収まる」という縁起の良い言葉を表現しているのだとか。
これがこのリズムで手締めが行われる理由です。流れを整理してみると、こんな感じになるでしょう。
「いよーおっ」
「パパパン パパパン パパパン パン」
「よっ」
「パパパン パパパン パパパン パン」
「もう一丁」
「パパパン パパパン パパパン パン」
このように、仕切る人は手拍子の間に合いの手を入れます。
4:「ありがとうございました」と言いながら拍手で終わる
手締めは感謝を伝える儀式です。そのため、終わった後も「ありがとうございました」と挨拶を忘れないでおきましょう。来賓の方や行事を仕切ってくれた人などに感謝の気持ちを伝えて、気持ちの良いお開きにしたいですね。
関東一本締めとは?
三本締めについて理解していただけましたか? ここからは他の種類の手締めについて解説していきます。まずは関東一本締めから紹介していきましょう。
関東一本締めは「一丁締め」とも呼ばれています。一本締めを簡略化したもので、「いよーおっ」と声がかかったあとに「パン」と1回だけ手を叩くだけ。関東一本締めの場合、最後に拍手や「ありがとうございました」などの挨拶もありません。大きな音を立てると迷惑になる場所では、周囲へ配慮し関東一本締めを行うことが多いでしょう。
「一丁締め」と「一本締め」で混同されることが多いですが、この2つは全くの別物です。「一丁締め」は「パン」で終わるのに対して、「一本締め」は「パパパン パパパン パパパン パン」と3拍子+1拍手のリズムを取ります。この2つを間違えてしまわないよう気をつけましょう。
博多一本締め
福岡で一本締めの代わりに行われるのが「博多一本締め」です。宴会やお祭りの場で行われることが多いそう。リズムは以下のようになります。
「よーーお」「パンパン」
「もひとつ」「パンパン」
「祝うて三度」「パパン・パン」
最後の「祝うて三度」は「よーさん」と略されることもあります。これまでの一本締めや三本締めと比べると、少しリズムが難しいように感じる人もいるかもしれません。しかし、県外からの来訪者が多い式典などでは、事前練習などをしてから本番に挑むことも多いようです。大きな会合では博多の祝い唄を唄ってからこの手締めを行うこともあるそう。
また、手締めの後の拍手は不作法とされています。
最後に
今回は三本締めをはじめとする手締めについて解説しました。宴会や祝いの席では手締めによって場を締めることも多いでしょう。作法や掛け声について、基本的なことだけでもおさえておきましょう。
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