目次Contents
この記事のサマリー
・「三本締め」は、1回目「パン、パン、パン」、2回目「パン、パン、パン」、3回目「パン、パン、パン」、4回目「パンッ」のリズムを3回繰り返すものです。
・音頭取りのかけ声は「お手を拝借!」→「ヨーッ!」→拍手。
「三本締めって、どうやるんだっけ?」… と送別会や忘年会の終わり際、突然その場の音頭を任されて戸惑った経験はありませんか?
場を締める“手締め”には種類があり、場面や相手に応じた使い分けも求められます。この記事では、「三本締め」の正しいやり方とかけ声、「一本締め」・「一丁締め」との違いまで丁寧に紹介します。大人として知っておきたいマナーの一つとして、ぜひ押さえておきましょう。
「三本締め」とは? 今さら聞けない基本の作法
「三本締めってどうやるの?」と聞かれて、堂々と答えられますか? 基本の作法を身につけ、堂々と振る舞えるようにしておきましょう。
「三本締め」の作法
「三本締(さんぼんじ)め」は、「手締(てじ)め」の一種で、物事の決着や成就などを祝って、掛け声とともに大勢が拍子を合わせて手を打つことです。1回目「パン、パン、パン」、2回目「パン、パン、パン」、3回目「パン、パン、パン」、4回目「パンッ」のリズムを3回繰り返します。
辞書では次のように書かれていますよ。
さんぼん‐じめ【三本締め】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
手締めの一。3拍、3拍、3拍、1拍のリズムを3回繰り返す。→一本締め1
現代でも企業の式典や送別会、落成祝いなど、節目の場面で用いられることが多いでしょう。

「一本締め」・「一丁締め」との違い
三本締めと混同されやすいのが、「一本締め」と「一丁締(いっちょうじ)め」です。いずれも手締めの一つですが、拍手の回数に違いがあります。
一本締めは、1回目「パン、パン、パン」、2回目「パン、パン、パン」、3回目「パン、パン、パン」、4回目「パンッ」のリズムを1回だけ行います。
辞書では次のように説明されていますよ。
いっぽん‐じめ【一本締め】
1 手締めの一。3拍、3拍、3拍、1拍のリズムで1回だけ行う。→三本締め
2 「一丁締め」に同じ。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
一方、「一丁締め」は掛け声のあとに「パンッ」と一度だけ手をたたくものです。
実務で恥をかかない! 「三本締め」のやり方と掛け声
いざ手締めをする場面になって「え、どうやるの?」と焦った経験はありませんか? 三本締めは、事前に流れと掛け声を押さえておけば、誰でも堂々と場を仕切れます。職場の式典や宴席、送別会などで頼られる場面に備えて、基本のやり方を身につけておきましょう。
三本締めの流れと手順
三本締めに必要なのは、道具でも大げさな準備でもなく、掛け声と拍手のリズムだけ。まずは場を整えたうえで、音頭を取る人が「お手を拝借!」と呼びかけ、参加者の注意を引きます。
続けて「ヨーッ」という掛け声の後に、テンポよく「パン、パン、パン」を3回、「パンッ」を1回のセットを3回繰り返します。
大切なのは、拍手のタイミングを揃えること。バラバラになると場の雰囲気が崩れるため、音頭取りはリズムを明確に示す意識が大切です。終わった後は「ありがとうございました」と挨拶を忘れずに行いましょう。
筆者自身も、初めて三本締めの進行を任された際は内心ドキドキでしたが、流れをしっかりイメージして臨んだことで、自然と一体感が生まれ、「いい締めだったね」と声をかけてもらえた経験があります。

「お手を拝借」の前に一言添えるなら?
三本締めの前に一言添えるだけで、場の雰囲気はぐっと整います。
例えば、「皆さま、本日は誠にありがとうございました。最後に、三本締めで締めくくりたいと思います。お手を拝借!」といった言葉を添えると、フォーマルな印象に。
祝意を込めたい場面では、「皆さまの今後のご健勝とご多幸を祈念しまして」といったフレーズもよく使われます。大切なのは、会の目的や参加者の立場に合わせて言葉を選ぶこと。
送別会や社内行事での使いどころと注意点
三本締めは、場をしっかりと締める役割を担うため、送別会・忘年会・表彰式・落成式など、節目の行事にぴったりです。
一方で、「必ずしもすべての場にふさわしいわけではない」という視点も大切です。例えば、厳粛な会や故人を悼む会、時間が押している状況では、手締め自体がかえって場違いに映ることもあります。また、「手締めは時代に合わない」と感じる人もいるでしょう。
最近はオンライン会議やリモート飲み会なども増えており、「画面越しの手締め」はなかなか難しいものです。
形式にとらわれすぎず、参加者の気持ちを汲み取るのが、マナーではないでしょうか。

三本締めに関するFAQ
ここでは、「三本締め」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 三本締めと一本締め、どちらを選べばいいですか?
A. 場の格式や目的によって使い分けましょう。
手締めの中で最もフォーマルな場で行われるのが三本締めです。
Q2. 「ヨーッ!」の掛け声のあとは、誰が拍手を始めるの?
A. 基本的には音頭取りの拍手に合わせ、参加者全員が揃えるのが一般的です。
Q3. 送別会での三本締め、何か一言添えるなら?
A.「〇〇さんの新たな門出に、三本締めでエールを送りましょう」といった言葉がよく使われます。
大切なのは、感謝や労いを伝える気持ちです。
最後に
三本締めは、人と人とのつながりや感謝の気持ちを形にする日本ならではのコミュニケーションです。所作を身につけておくことで、職場でもプライベートでも、安心して場を締めることができるようになります。あなた自身が音頭を取る場面が訪れたとき、この記事がそっと背中を押してくれますように。
TOP画像/(c)Shutterstock.com