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2025.12.07

「すみません」は謝罪なのか? 印象が上がる敬語のポイント

「すみません」は、日常的によく使う言葉。メールでも口頭でも頻繁に登場しますが、実は使い方を間違えると“印象ダウン”になる場合もあるので要注意です。特に謝罪として使う「すみません」には、賛否両論あるのも事実。社会人として言葉遣いには敏感になりたいアラサー世代だからこそ、今一度「すみません」が与える印象をきちんと整理しておきましょう。

並木まき

「すみません」の本来の意味をおさらい!

「すみません」は日常であまりに自然に使われすぎていて改めて意味を考える機会は少ないものの、実はとても深い日本語です。
語源からニュアンスの違いまで、アラサー世代に向けて解説します。

「すみません」は、もともと動詞の「済む(すむ)」の否定形「済まない(すまない)」から生まれた言葉で、
「済む」には「終わる」「完了する」「気が済む」という意味があります。
そこから「済まない」は「まだ気持ちが終わっていない」、つまり「申し訳ない」という感情を表すようになりました。

つまり本来「すみません」は、“自分の中で気が済まないほど、申し訳ない気持ちがある”というニュアンスで使われるのが正解です。

「すみません」の意味は? 日常で使うニュアンスの3つを解説

(c)Adobe Stock

実務上での「すみません」が持つニュアンスの違いを解説します。
主に3つの意味を持つ言葉として使われています。

♦︎謝罪としての意味

もっとも代表的な使い方で、自分の行動によって相手に迷惑や手間をかけたときに使われています。
ビジネスシーンでは「お待たせしてすみません」や「ご迷惑をおかけしてすみません」などと用いられていて、“罪悪感”や“反省”の気持ちが含まれるニュアンスです。

ただし「すみません」は軽い謝罪だと受け取る傾向もあるため、場面によっては不適切な言い回しになる場合もあります。
今回はこの「謝罪」としての意味を、後ほど深掘りしていきます!

♦︎感謝としての意味

相手の親切に対して「ありがとう」と伝えたいときにも「すみません」は、よく使われています。
「わざわざお時間をいただいてすみません」や「重い荷物を運んでいただいてすみません」など、“迷惑をかけた”という申し訳なさと“助かった”という感謝を同時に伝えたいときにも用いられています。

♦︎呼びかけとしての意味

街中や店で誰かに声をかけるときにも「すみません!」と使われます。
「すみません、注文いいですか?」や「すみません、道をお聞きしたいのですが」など、相手の時間や注意を自分のために使ってもらうことへの控えめな気持ちを表す表現でもあります。

謝罪になっていない!? アラサーがうっかり「すみません」で直面した“あるある”失敗談

(c)Adobe Stock

「すみません」は謝罪としても広く使われている言い回しですが、場面や相手によってはかえって怒らせてしまう場合もしばしば。
アラサーがやりがちなNGについて、リアルなエピソードを交えて課題を考えていきましょう。

♦︎うっかり失敗:上司へのメールに使って冷や汗モノ

上司に謝罪メールを送る際などに、つい普段のクセが出て「昨日の報告が遅れて、すいません(すみません)でした」などと書いて送信するのは冷や汗モノ。
なお「すいません」は「すみません」を崩した言い方なので、「すみません」よりもさらに目上の相手に使うのは不適切な言い回しだと心得て。
ちょっとした違いでも、ビジネスのやり取りでは丁寧な印象や信頼感に直結します。

>>アラサーのリアル体験談

「社会人になってしばらくは、“すみません”と“すいません”を多用していました。ちゃんと謝るべき場面でも、まずは“すみません”と言っていたんです。自分では、それが正しい敬語だと思い込んでいました。
ところがある日、直属の上司から『“すみません”では軽すぎるので、正しい謝り方を心得てください』と指導を受け、ハッとしました。
目上や取引先に対してなんでも“すみません”で済ませるのはふさわしくないと気づき、それまでの自分の行動を思い返して赤面しました」(30代後半女性/20代後半当時のエピソード)

♦︎うっかり失敗:重大な遅れをお詫びするのに軽いと受け取られた

「すみません」は確かに謝罪の意味をもつ言葉ですが、状況によっては軽すぎる印象を与えがち。
たとえば納期の大幅な遅れによって相手に大きな迷惑をかけるときに「すみません」で済ませようとすれば、非常識な謝り方だと受け取られても仕方ありません。
言葉にはTPOがあるため、場面や相手によって温度感も変わります。
「すみません」は軽い謝罪で用いるべきと考える人も少なくありませんから、正式な謝罪には不向きです。

>>アラサーのリアル体験談

「29歳でフリーランスとして独立したのですが当初は社会人としての経験も浅くて、言葉遣いも今思えばめちゃくちゃでした。
今でも覚えているのは、私のせいでクライアントに迷惑をかけてしまったときに、すぐにお詫びには出向いたのですが『すみません!』『本当に、すみませんでした!』と連呼したこと。そのときは正しい謝罪のつもりで口にしていましたが、年齢を重ねて“軽く受け取られやすい言葉”だと自分の経験からも痛感。結局、そのときのクライアントからは仕事も切られてしまいました…。
『すみません』だけが原因で仕事を失ったわけではないとは思いますが、独立していたんだし、あの頃もちゃんとした言葉の使い分けができていたらよかったのに… と悔やまれます」(30代後半女性/30代前半当時のエピソード)

アラサー世代が気をつけたい“すみません症候群”… 謝罪での適切な言い換えは?

(c)Adobe Stock

30代前後になると、後輩や取引先など人間関係が広がる分だけ無意識に「すみません」を多用しがち。しかし別の表現を選ぶ方が、好印象を与えるケースも少なくありません。
謝罪での適切な言い換えをまとめました。

♦︎相手を待たせているのを詫びたいなら「お待たせしました」

自分が遅れて登場したときや対応に時間がかかったときには、つい「すみません!」が先に出てしまいがち。
でもこのシーンで本当に伝えたいのは、“状況説明”や“気配り”ではないでしょうか。
たとえば職場で作業が長引いた場面では「すみません、今出します!」よりも「お待たせしました。今お送りします!」のほうが、前向きで気持ちのよいコミュニケーションになるかもしれません。

♦︎相手に手間をもらうのを詫びたいなら「お手数をおかけします」

ビジネスシーンで相手に依頼や確認をお願いするときには、「お手数おかけしますが」「ご対応いただけますと助かります」など相手の手間を労う言葉に置き換えると丁寧な印象に。
たとえば「すみません、資料を見ていただけますか?」と言うより「お手数おかけしますが、資料のご確認をお願いします」と言い換えたほうがスマートです。
配慮のある表現を用いるだけで、コミュニケーションが洗練されます。

♦︎迷惑をかけてしまいそうなら「ご迷惑をおかけします」

「すみません」は自分の立場から見ると“謝っている雰囲気”ですが、相手の立場に立つと状況によっては謝罪には聞こえません。
自分の行動で相手に不便や迷惑を与えてしまうならば、謝罪の焦点を“相手”に向けられる表現である「ご迷惑をおかけします(おかけしました)」が適切です。
たとえば「すみません、確認が遅れます」と言うよりも「確認が遅れます。ご迷惑をおかけします」と言い換え、不便をかけてしまい申し訳ない姿勢を示すほうが好ましいでしょう。

♦︎迷ったときには「申し訳ありません」

上司や取引先などを相手にするフォーマルな場面では「すみません」では、ややカジュアルすぎる印象を与えがちです。“軽く謝っている”と感じる人も少なくありません。
迷ったときにはビジネスシーンで最も汎用的で誠意の伝わる謝罪表現である「申し訳ありません」を用いるのがスマートでしょう。
「すみません、資料を間違えて送ってしまいました」よりも「申し訳ありません、資料を誤って送付してしまいました」のほうが、きちんと誤っているニュアンスが伝わります。

♦︎格式ある言葉を選ぶなら「お詫び申し上げます」

ビジネスメールや文書での謝罪に「すみません」は避けるべき。特に取引先や顧客へのお詫びのメールでは、より丁寧な言い換えが求められます。
深く頭を下げるイメージを伝えたい場面では「お詫び申し上げます」が好ましいでしょう。
たとえば「このたびは納期が遅れ、ご迷惑をおかけしすみません」よりも「このたびは納期が遅れ、ご迷惑をおかけいたしましたこと、心よりお詫び申し上げます」のほうが誠意が伝わりやすいはずです。

「すみません」は使いやすいけれど軽い印象も与える言葉

とりあえず、つまり無意識に使いがちな「すみません」は、謝罪の言葉としては軽い印象を与えやすい点に注意をしておきましょう。人によっては「“すみません”では誤っているうちに入らない」と不快感を示すケースもあります。
ビジネス上の人間関係では、謝罪の仕方ひとつで印象が大きく変わります。
上司・取引先へは「申し訳ありません」、文章では「お詫び申し上げます」と適切な言い換えを心得て、場面や相手に応じて“伝わる謝罪”を選びたいものです。

TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき

ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。

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