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2023.11.02

「舌を巻く」ってどういうこと? 意味や使い方、類語表現を紹介

「舌を巻く」とは、「予想以上に優れていて、非常に驚く」ことを表す言葉です。「相手に威圧されたり言いこめられたりして黙ってしまう」というニュアンスもあります。本記事では、「舌を巻く」の意味や使い方、類語表現などについて見ていきましょう。

驚いたとき、どう表現する?

相手があまりにも優れていて驚いた…。そんなとき、みなさんなら何と表現しますか? 素直に「驚いた」と言ってもいいですが、たまには別の表現をしてみるのも面白いものです。そのひとつの表現として、「舌を巻く」という言葉があります。

実際に舌をぐるっと巻くのではありません! いわゆる比喩なのですが、ひどく驚いたときなどに使うことができます。本記事では、この「舌を巻く」という表現について見ていきましょう。意味や使い方、類語表現などを詳しく紹介します。

「舌を巻く」とは?

まずは、「舌を巻く」の意味を確認していきましょう。

「舌を巻く」の意味

「舌を巻く」とは、「予想以上に優れていて、非常に驚くさま」を表す言葉です。ほとんどの方がこの意味を持つ言葉として認識しているのではないでしょうか?

実は、「舌を巻く」には、もうひとつの意味があります。「相手に威圧されたり言いこめられたりして黙ってしまう」ことも「舌を巻く」と言うのです。こちらの意味については、「あまり馴染みがない」「初めて聞いた」という方も多いかもしれませんね。この機会に、こちらの意味も押さえておきましょう。

驚く女性
(c)Adobe Stock

「舌を巻く」の使い方を例文で紹介

ここでは、「舌を巻く」の具体的な使い方を紹介します。ぜひ、実生活でも使ってみてくださいね。

1:「風のうわさで彼女のピアノの実力は聞いていたが、あまりに滑らかな指の動きに舌を巻いた」

予想外の出来事に驚いたときには、「舌を巻く」という表現がぴったり。注意しなければならないのは、「(あまりに優れていて)驚く」というシーンかどうかということ。つまり、良い意味で驚いた場合にのみ、使うことができるのです。

したがって、「あまりに部屋が散らかっていたので、舌を巻いた」のように「(悪い意味でひどく)驚いた」という意味では使うことができません。

2:「このお店の期間限定スイーツには、辛口で知られるスイーツ研究家も思わず舌を巻いて絶賛した」

「思わず舌を巻く」なんて表現も、しばしばされます。この表現を使うことで、単に驚いただけではなく、非常に評価の高かったことが伝わってきますね。

装飾されたケーキ
(c)Adobe Stock

3:「相手側の舌鋒と剣幕に、こちらはただ舌を巻くしかなかった」

この例文に出てくる「舌を巻く」は、「相手に威圧されたり、言いこめられたりして黙ってしまう」というネガティブな意味で使われています。

「舌鋒(ぜっぽう)」は、「議論など言葉つきが鋭いこと」という意味で、「剣幕(けんまく)」は、「怒ったり興奮したりしていて、顔つきや態度が荒々しいさま」という意味です。そんな相手を目の前にしたら、思わず「舌を巻く」状態にもなってしまいますよね…。

「舌を巻く」の類語表現は?

「舌を巻く」の2つの意味や使い方は押さえられましたか? ここからは、語彙力や表現力をさらに豊かにするために、「舌を巻く」の類語表現を紹介します。意識的に使っていくことで、ボキャブラリーとして身につき、教養が深まるはずですよ。

1:目を見張る

読んで字のごとく、「目を大きく見開く」ことを「目を見張る」と言います。「舌を巻く」と同じように、驚いたり感心したりしたことを表現したりするときに使うことができますよ。ただし、ポジティブな場合に限らず、怒ったときなどにも使うことができます。

「彼女の成長ぶりに誰もが目を見張る」や「いたずらで散らかされた部屋に目を見張る」のように使うことが可能です。

目を見張る女性
(c)Adobe Stock

2:感心する

「すぐれたものや、人のこころを打つ行為などによってこころを動かされること」を「感心」と言います。ただし、この言葉を使う際は注意が必要です。「感心したよ~」「感心しました」というように他者に直接言うと、上から目線に感じられてしまうことがあります。使用する際は、十分に気を付けてくださいね。

3:言葉を呑む

「言葉を呑む」とは、「驚きや感動のあまり、言葉が出なくなること」。また、「相手の気持ちを察したりして、言おうとしたことが言えなくなること」という意味があります。

似た表現として、「息を呑む」もありますね。「息を呑む」は、「驚き、または恐怖などで思わず息が一瞬止まる」という意味です。

4:脱帽する

「脱帽(だつぼう)」には、「相手への敬意を表して、帽子をぬぐこと」や「感心すること」という意味があります。相手の優れた言動に感心し、敬意を表す表現です。「舌を巻く」やこれまでに紹介した類語のなかでも、相手への敬意がより強調された言い回しになります。

5:驚嘆する

「思いがけない素晴らしい出来事に、驚いたり感心したりすること」を「驚嘆(きょうたん)する」と言います。たとえば、「見たことのない最新機器には驚嘆するばかりだ」というように使うことができますよ。

最後に

本記事では、「舌を巻く」の意味や使い方、類語表現を紹介しました。「舌を巻く」は比喩で、「予想以上に優れていて、非常に驚く」ことを表します。会話のなかで使う機会は少ないかもしれませんが、日記やレビューなどで使うのはとってもおすすめです! 「すごい!」や「びっくりした!」と言うよりもより感動したことが伝わります。

「舌を巻く」という言葉そのものを見たり聞いたりすると「ぐるぐるの舌…?」を想像しますが、その様子から本記事で紹介したような意味合いになるなんて、日本語の表現はとっても面白いですね。

ぜひ皆さんも、普段自然に使っているけれど、よくよく考えてみたら不思議な言葉の使い方をしている表現がないか探してみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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