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LIFESTYLE

2023.02.09

的を得た回答… って間違い?「射る」と「得る」はどちらを使うのが正解?

「的を得た」と「的を射た」、皆さんはどちらの表現を使っていますか? どちらも意味は同じで、物事の要点を的確にとらえているということ。最近は、どちらも一般的に使われているようですが、この2つの違いは一体何なのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。

「的を得た」は間違い?「的を射た」との違いとは?

「的を得た回答」「的を得た発言」などという表現はよく耳にしますよね。一方、全く同じ意味で「的を射た」という表現も存在します。似ている2つのフレーズですが、一体どちらが正しい表現なのでしょうか?

やじるしの積み木をつなげる
(c)Shutterstock.com

「的を得(え)た」と「的を射(い)た」は、どちらも同じ「要点を的確にとらえている」という意味で使います。この「射る」と「得る」のどちらの表現が正しいのか、という論題に対して、これまでは「的を射た」が正しい表現であり、「的を得た」は誤用だとされてきました。

『三省堂国語辞典』の第三版でも、「的を得る」は「的を射る」の誤用だというように表記されています。そもそも「的を射た」は、弓で矢を放ち、それが的に命中することから「的確に要点をとらえている」ことを意味するようになりました。

的は得るものではなく、射るもの。ではどうして「的を得た」という表現が使われるようになったのかというと、「当(とう)を得る」が混同してしまったという説があります。「当を得る」は要点をしっかりおさえ、道理にかなっているという意味の慣用句。意味が似ているため、「的を得た」というように混同して使われるようになったと論じられていたのですね。

このように、当初は誤用とされていた「的を得た」という表現ですが、最近は論調が変わってきています。その大きなきっかけとなったのが、2013年に出版された『三省堂国語辞典』の第七版でした。第三版にはあった、「的を得る」が誤用であるという記述が削除されたのです。その影響もあって、今では「的を得た」を誤用ではなく、新語としてとらえる有識者も増えてきているようですね。

ちなみに、文化庁が行った「国語に関する世論調査」にて「的を得る」と「的を射る」についてどちらを使うかというアンケート結果が発表されています。平成24年度調査結果では、「的を得る」が約41%、「的を射る」が約52%と両者とも均衡した結果が見られました。現段階では、どちらも同じように使われているようですね。この記事では「的を射る」という表現の方を使って進めていくことにしましょう。

「的を射る」の類語表現を紹介

さて、ここからは「的を射る」の類義語をいくつか紹介していきます。こちらも合わせて覚えておくと良いでしょう。ぜひ参考にしてみて下さいね。

重なる積み木
(c)Shutterstock.com

1:当を得る

先ほど少し紹介しましたね。道理にかなう、要点をしっかりおさえるという意味です。そもそも「当(とう)」とは、理屈や特定の条件に合っていることを表す語句。そのため、「当を得た回答」というように使うことで、ちょうどその道理にかなった回答ということを表せるでしょう。

正岡子規の『筆まかせ』や芥川龍之介の『酒虫』にも「当を得る」という表現が使われています。

2:正鵠を得る(せいこくをえる)

正鵠を射るとも言います。意味は、要点や確信をついているということ。こちらも矢が的に刺さる様子から生まれた慣用句です。正鵠とは的の図星を意味するもので、物事の急所や要点を表現する際に用いることが多いでしょう。

正鵠を用いた慣用句には、他にも「正鵠を失わず」があります。特に的の中心をついていることを表し、「正鵠を得る」のように的確に物事の要点や確信をつくという意味が込められているでしょう。

3:図星を指す

相手の急所をつく、またはそのことをぴたりと言い当てることを意味します。図星とは、弓道において的の中心を表す言葉。「的を射る」と同じように、弓矢で的をつく様子から生まれた慣用句ですね。「幼なじみに図星を指されて動揺してしまった」というように使うことができるでしょう。

的を射た発言をする人の特徴を3つ紹介!

的を射た発言をする人の話って、なんだか説得力があると思いませんか? ビジネスでは特に重宝される存在かもしれません。では最後に、的を射た発言をする人の特徴について考えていきましょう。

女性に問いかける女性
(c)Shutterstock.com

1:視野が広い

物事の核心をつこうと思うと、その部分に集中してしまいつい視野が狭くなりがちです。まずは視野を広げて、客観的な観点を持ってみましょう。的を射た発言をするためには、様々な視点に立つ必要があります。難しいかもしれませんが、自分の思い込みや固定概念から離れてみることも時には大切でしょう。

2:経験値が高い

これまでに色んな経験を積んできたからこそ、的確な発言ができるのかもしれません。自分が今まで努力してきたことや、経験してきたことはなによりも価値のあるものです。誰しも最初から完璧にできる人なんていません。まずは失敗を恐れず、何事もチャレンジしてみることが大切。

そうすることであなたの経験値は豊かになり、物事の核心が見えるようになってくるでしょう。

3:人の話をよく聞いている

上記の2つにも繋がりますが、色んな人の話を聞いて常にインプットすることを心がけましょう。多くのインプットをすればするほど、自身の視点や経験は充実するはず。仕事を続けていると、様々な考え方の人と出会うことでしょう。多様な価値観や考え方を取り入れることが、的を射た発言をするステップに繋がりますよ。

最後に

今回は主に「的を射た」と「的を得た」について解説してみました。「的を得た」が誤用ではないという論調が広がってきていますが、この2つの使い方に関しては未だに曖昧さが残ります。類語表現も解説しましたので、こちらも上手く活用してみてくださいね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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